1 概略説明
奨励品種への採用が見込まれる水稲・大豆・麦類品種・系統について、使用後の円滑な普及と導入農家における生産安定のため、品種の特性を活かした栽培法を確立する。また、麦・大豆については現有品種についても栽培上の問題点を解決する栽培方法を策定する。
2 事業の内容
○ 水稲「ヒノヒカリ」の栽培特性把握
近年、販売しやすい中生品種として、現地で有望視されている「ヒノヒカリ」についてコシヒカリとの作期分散の可能性を検討するとともに、高品質生産に向けた施肥技術を確立する。
○ 水稲「ヒカリ新世紀」「鳥系IL1号」の栽培特性把握
倒伏程度を考慮した施肥水準の把握と食味との関係について検討する。
○ 大豆「サチユタカ」の良質栽培法確立
裂皮粒等被害粒発生の軽減を目的として播種時期、播種密度の検討を行うとともに、収穫時期の検討を行う。
○ 大麦の栽培法確立
二条および六条大麦について、品質向上を目的とした追肥技術を検討する。
3 事業の必要性
○西日本で作付が多いが、本県におけるこれまでの中生品種の栽培技術では作柄が不安定であり、改善技術の検討が必要である。
○平成20年度を目途に、より優れた品種を選ぶため、現地実証ほ設置が予定されており、農試でも詳細な特性把握が必要である。
○「サチユタカ」は裂皮が出現しやすく、品質向上対策が生産者・実需者から改善対策が望まれている。
4 事業の効果
○水稲中生新品種の栽培技術が向上し、作期分散による規模拡大の効果で集落営農等担い手における所得増加につながる。
○麦の1等割合が上がり、農家所得の増加につながる。
○大豆の等級向上により、農家所得の増加につながる。
また、加工適性が高まり良質の豆腐生産につながる。
5 今までの成果
○「鳥系IL1号」はコシヒカリと比較して短稈であり、倒伏に強い。
○六条大麦「シュンライ」は、10月中の早播きが可能である。
○大豆「すずこがね」は、播種密度を高めると、多収で機械適性も増す。
平成19年度要求額内訳(水稲・大豆:H4〜・麦:H15〜)
項 目 | 金 額 (千円) |
穀物検定協会への食味試験委託 | 237 |
成績検討会への出張旅費 | 24 |
栽培に係る肥料農薬等資材費 | 398 |
通信、運搬費 | 24 |
コピー機リース費等事務費用 | 15 |
合 計 | 698 |