1 背景・目的・効果等
(1)背景
(現場の声・実情)
○農家や農協から「鳥取県の米は美味しいのに、なぜ評価されないのか?」という疑問の声がある。
・うちの米は魚沼の米より美味しいのに(農家)
・鳥取の米は美味しいのに、安くしないと売れない(農協)
○実際に、食味計で測定してみると、魚沼産や島根県旧仁多町産のコシヒカリと遜色ない食味の米の取れる地域や農家が存在 (八頭郡、日野郡)。 しかし、食味値に人やほ場でバラツキがある。
(課題)
○県外米業者の鳥取県産米の評価は、「鳥取県の米は無くても困ら ない。セールスポイントが無い。」と低い。
○その結果、本県産主力品種である「コシヒカリ」の入札価格は全国一安値。
【コシヒカリの入札価格結果(円/60kg)】
年産 | H15 | H16 | H17 |
鳥取県産 | 20,477 | 15,368 | 14,586 |
島根県産 | 20,980 | 15,785 | 15,089 |
魚沼産 | 34,724 | 25,608 | 24,579 |
○全農中心の販売体制から農業者・JA自ら「美味しい米」づくりに取り組んでいるが、市場評価が低いことや入札価格が安いため、高値での有利販売に結びついていない。
【売れる米づくりの取組】
・県認証特別栽培米の生産販売(JA鳥取いなば「万葉美人米」、JA鳥取中央「再生紙マルチ米」、JA鳥取西部「とっとりの恵み」、(有)田中農場「田中農場のコシヒカリ」、(有)いわみ農産「清流そだち」)
・日野米のブランド化プロジェクト(JA鳥取西部)
○なお、市場評価の高い産地は、
・第三者機関である日本穀物検定協会の食味検定で最高ランクの「特A」を取得(魚沼産コシヒカリは連年取得、島根(旧仁多町)産コシヒカリは15年取得)
・産地化により、安定供給出来る品質と量を確保。
(対策)
○JAや農家は、市場評価を高めて、有利販売に結びつけたいとの意向がある。
○そこで、JA・農家が主体となって、
・日本穀物検定協会の「特Aランク」を取得する。
・「特Aランク」米の産地化に取り組む。
○そのためには、県域で「特Aランク」を取得するためには、JAや農家の個々の努力だけでは限界があるため、試験場が研究している科学的指標に基づいた食味向上技術のマニュアル化や普及所の技術指導など、県が支援する必要がある。
(3)目的・効果
○JA・農家が主体に取り組む
・日本穀物検定協会の食味検定での「特Aランク」の取得
・「特Aランク」米の産地化
を技術面等で支援し、鳥取県産米の市場評価アップ、価格アップにつなげることで、農家の所得向上と経営安定による本県水田農業の活性化と安定的発展が図れる。
2 事業内容
○JAが事業主体で「特Aランク」の取得と「特Aランク」米の産地化の取組に対して助成
事業実施主体 | 農業者団体・県 |
事業実施年度 | 平成19年度〜平成21年度 |
補助率 | 1/2(単県) |
事業主体 | 事業内容 | 補助率 | 要求額(千円) |
農協
(3JA)
●が補助対象
(補助金) | ○モデル地域協議会の設置
○「特Aランク取得」プラン策定
●食味向上技術の普及
(展示ほ設置、栽培マニュアル作成)
●日本穀物検定協会への食味検定 依頼
●生産者組織の育成と産地化
(現地研修会) | 1/2 |
1,143 |
県
生産振興課
農業試験場
農林局 | ○(仮称)良食味米産地育成協議会
の設置(アドバイザーの委嘱)
○現地データの検証、食味向上
技術のマニュアル化(農試、普及所)
○県域食味コンテストの開催
○県域研修会の開催(生産振興課) | | 1,126 |
合 計 | 2,269 |