農林水産部 園芸試験場 砂丘地農業研究センター 電話番号:0858-36-2039
要求額:1,600千円 (前年度予算額 1,600千円) 財源:単県
課長査定:計上 計上額:1,600千円
砂丘ナガイモは、他産地の台頭と担い手の減少によって最盛期の2割程度となっており、「砂丘長芋ブランド復活プラン」が進行中である。園芸試験場育成の新品種「ねばりっこ」の種芋増殖技術や安定栽培法、機械利用技術を確立する。また、品質低下の大きな要因となっている病害虫の発生生態と防除法を明らかにし、生産安定技術を明らかにする。 1 事業の必要性 生産者の声 「新品種「ねばりっこ」の増殖と安定栽培技術を確立して欲しい。」「ナガイモの掘取り作業、防除作業を省力化して欲しい。」「ナガイモの栽培中に発生する障害を防止して欲しい。」 ア 砂丘ナガイモの産地再生のために、生産者からは新品種「ねばりっこ」の普及と栽培面積拡大が期待されている。 イ 「ねばりっこ」の安定栽培法が未確立であり、種芋増殖技術、安定生産技術の確立が求められている。また、省力化のための機械化が求められている。 ウ 栽培期間中及び出荷時にイモの腐敗が多発し、ナガイモ品質低下の大きな要因となっており、対策が強く望まれている。 エ 土壌害虫(コガネムシ類、センチュウ類等)は、生態が不明な点が多く、防除法の確立が望まれている。また、他の病害虫についても効果的な防除法が求めれている。 オ 障害イモ(分岐芋、陥没芋、コブ、リング、アク等)の多発で品質が低下してきており、原因究明と対策が急がれている。 カ 事業の対象者 農家戸数 168戸 2 事業の内容 ア「ねばりっこ」安定生産技術の確立 ・ムカゴからの種芋生産法の開発 ・種芋の植え付け密度、施肥法の解明 ・省力化のための作業機械の改善(機械化に適した畝幅、植付本数等の解明) イ 栽培中及び貯蔵中に発生するイモの腐れ症状対策 ・発生メカニズムと防除方法の確立 ウ 土壌病害虫(コガネムシ類幼虫、センチュウ類)防除の確立 ・発生生態の解明 ・効果的な防除方法及び時期の解明 エ 分岐イモ、陥没芋の発生防止技術の解明 ・水分、肥培管理が障害発生に及ぼす影響の解明 ・病原菌の関与の有無と防除方法の確立3 事業の効果 ア 新品種「ねばりっこ」栽培面積拡大とブランド化が可能となる(H20年に5haが目標) イ ナガイモの品質向上により、安定生産が可能となり、所得が安定する。 ウ 効果的な防除体系を構築することにより防除回数が減少し、省力化となる。 4 これまでの成果 ア ムカゴはトマトトーン散布、加里追肥、胆根体切除により着生が多くなった。 イ 種芋生産は、かん水及び遮光ネットの効果が認められた。 ウ 7月下旬までの施肥中断、堆肥の施用、浅植および、深植は、芋に障害を与えることが認められた。 エ コガネムシ類成虫及び幼虫の発生消長と芋への被害時期を明らかにした。 オ コガネムシ類幼虫の防除に効果的な薬剤を選定した。 5 H19の試験内容 ア ムカゴの着生法、種芋収穫率の向上対策、種芋生産のための施肥法の検討 イ 施肥量および全量基肥施肥法の検討 ウ コガネムシ類防除適期の解明 エ センチュウ類のほ場内発生消長の解明と薬剤防除効果の検討 オ ハダニ類及びコガ類に効果の高い薬剤の選定。 カ 水分過剰が芋の貯蔵性および障害の発生に及ぼす影響の解明 キ 分岐芋、陥没芋からの病原菌分離 6 平成19年度要求額内訳(単位:千円)