1 概要説明
中山間地域で地域内の耕畜連携を強化して和牛放牧と飼料イネサイレージ給与を組み合わせた和牛繁殖牛飼養管理技術を確立し粗飼料自給率100%の飼養経営モデルを策定する。
2 背景・目的・効果
1)和牛繁殖牛への飼料イネサイレージ給与
転作作物として飼料イネの栽培面積が年々増加しているが和牛繁殖雌牛に飼料イネサイレージを長期間給与した事例は少ない。
長期給与が繁殖性に与える影響を調査し維持期・妊娠末期・授乳期における給与の体系化を図る。
2)放牧飼養体系
現状での放牧可能期間は6〜7か月である。積雪時期を除く2〜3か月間の放牧期間の延長を図れば経営的メリットは大きい。
3)和子牛への飼料イネサイレージ給与
子牛の有利販売のため購買者に好まれる肥育素牛生産が可能な購入乾草による粗飼料多給子牛育成マニュアルを作成した(平成17年3月)。今後は自給飼料を基軸とした子牛への給与技術の開発が必要であり、飼料イネサイレージが和子牛育成牛に利用可能かどうか検討する。
3 試験内容
1)中山間地域における和牛繁殖雌牛の放牧と飼料イネを組合せた飼養管理体系の確立(18年〜22年)
2)和子牛への飼料イネサイレージ給与試験(19年〜21年)
3)濃厚飼料制限型育成子牛の肥育試験(16年〜20年)
育成期の粗飼料給与の違いが肥育成績に及ぼす影響
4 これまでの成果等
濃厚飼料制限型子牛育成の肥育試験
(肥育牛出荷済2頭、年度内出荷予定2頭)
5 期待される効果
1)放牧と飼料イネサイレージを主体とした粗飼料自給率100%の和牛繁殖牛飼養経営モデル策定
2)和牛生産コストの低減と有利販売
3)和子牛育成期の粗飼料給与の違いが肥育成績に及ぼす影響
6 農家の要望等
1)飼料イネサイレージの和牛繁殖牛への最適な給与量
2)和牛繁殖農家は高値販売が期待できる子牛育成技術
3)肥育農家は和子牛育成期の粗飼料給与の違いが肥育成績に及ぼす影響
7 平成19年度要求額内訳