概略説明
全国の種苗会社で開発されているブロッコリーの新品種を一堂に集め、各品種の本県への適応性を明らかにし、有望品種を選定する。
1 事業の必要性
ア ブロッコリーは、西日本1位、全国9位の作付け面積で、近年栽培面積、販売額ともに増加傾向にある。平成17年には販売額が 10.3億円になり、スイカ、白ネギ、ラッキョウに次ぐ品目となっている。
イ 面積、販売額を更に伸ばそうという気運の高まりとともに、産地からは「優良品種を導入して出荷時期別に品種を統一したい」と強く要望されている。
ウ 一方、全日本そ菜原種審査会の主催者である(社)日本種苗協会から、平成17年度のブロッコリー原種審査会(本県の一般的な栽培方法で栽培し、その特性を展示評価する会)の開催依頼を受けた。
産地の声に応え、産地の活性化を図るにあたり、日本全国から新品種が一堂に集まる原種審査会を開催し、有望品種を選定することが有効で、効率的である。
エ 事業の対象 県内ブロッコリー栽培面積 326ha(H18秋冬どりブロッコリー作付け面積)
2 事業の内容
ア 秋冬穫り(8月は種、12月収穫)での各品種の草姿、品質、収量を明らかにする。
イ 鳥取県の気象条件に最も適合する品種を選定する。
3 事業の効果
ア 消費者の期待に応える品質の良いブロッコリーの生産
イ 品質向上による販売単価、販売額の向上(78百万円増額)
4 これまでの成果
ア H17の原種審査会においても、アントシアン(ブロッコリーに発生する紫色の色素)発生が少なく、花蕾(ブロッコリーの可食部)の形状が極めて良好で有望と思われる品種が見つかった。現在は種時期を3段階に増やして品質を確認中である。
5 平成19年度の試験内容
ア 全国各地から収集したブロッコリー新品種(約20品種の予定)の品種比較試験を行う。
6 平成19年度要求内訳
内 訳 | 要 求 額 |
栽培資材 | 168 |
合計 | 168 |
7 受託元 (社)日本種苗協会
8 試験実施期間 平成19年度
審査会の概要
主催:社団法人日本種苗協会
後援:農林水産省
目的:各種苗会社で育成された最新品種を同一条件で栽培し、品質を競い合うことで育種技術の向上と、優良品種の早期普及を図る。
出品数:新品種または品種登録一歩手前の品種20〜30種
審査委員長:(独)野菜茶業研究所長
審査員:公立試験研究機関、大学、全国の種苗会社等の関係者20〜30名
審査方法:栽培ほ場での生育状況審査と収穫物を審査し採点
審査結果:最高得点を獲得した出品物は「農林水産大臣賞」候補として推薦。
県の役割とメリット
1.出品品種を同一条件(県の慣行栽培)で栽培
2.優良新品種を他県に先がけて知ることができ、新品種での有利販売が可能