１ 事業の概要
完熟堆肥を脱臭資材として利用した低コスト堆肥脱臭システムの開発のために臭気抑制能力及び規模設定について検証する。
２ 事業の目的・効果
(1) 事業の目的・背景
ア 県内の畜産業に寄せられる苦情のうち、多くは悪臭に関するものである。その中でも堆肥化施設から出る悪臭が最も高濃度であり問題となっている。
イ 一般的に用いられる脱臭装置は非常に高額であり、畜産農家では負担が大きすぎる。
ウ そこで畜産農家でも使用しやすい、低コスト脱臭システムの開発を行う必要がある。
(2) 事業の効果
堆肥脱臭装置は施設費やランニングコストが安く、また日常管理も容易であり、鳥取県の気象条件に適した規模の検証により普及が図られ畜産による悪臭問題の解決が期待できる。
●これまでの成果
実施年度 | 内容 | 結果 |
| 〜15年度 | 堆肥脱臭効果検証 | 悪臭成分(アンモニア、硫黄化合物）の除去率は、９０％以上 |
16〜18年度 豚ふん・牛ふん由来の悪臭発生と臭気抑制効果の調査及び規模検証
実施年度 | 内容 | 結果 |
| 16年度 | 堆肥脱臭装置の設置 | カーテン等で密閉した発酵槽及びダクトとブロアーで悪臭を捕集し、完熟堆肥に通過させる脱臭槽の設置。および試行試験。 |
| 17年度 | 豚ふん堆肥化施設の脱臭規模設定
脱臭能力検討 | 豚ふん発酵槽から発生する堆肥化3週目までの強い臭気を堆肥化原材料と同体積の完熟堆肥へ通気させることで悪臭を９０％削減。脱臭能力は3ヶ月間以上維持される。 |
| 18年度 | 牛ふん堆肥化施設の脱臭規模設定
脱臭能力検討 | 牛ふん発酵槽から発生する堆肥化２週目までの強い臭気を堆肥化原材料と1/3の体積の完熟堆肥へ通気させることで悪臭を９０％削減。脱臭能力は3ヶ月間以上維持される。 |
３ 事業の内容
(1) 牛ふん堆肥化における堆肥脱臭試験
酪農堆肥舎での悪臭発生状況を調査するとともに、試作模型により
相対する規模の検証を行う。
(2)豚ふん堆肥化における脱臭脱臭試験
豚ふん由来堆肥脱臭装置の能力・規模設定を検証
４ 事業期間および経費
事業期間
＜ Ｈ１６〜１８ ３年間の試験研究のうち３年目 ＞
区 分 | 事業内容 | 事業費（千円） |
| 全 体 | 堆肥脱臭による臭気抑制実証 | ３，０１５ |
| １６年度 | 低コスト脱臭システムの検討 | １，２４０ |
| １７年度 | 豚ふん堆肥化施設の堆肥脱臭装置の規模設定
脱臭能力調査 | ９２７ |
| １８年度 | 牛ふん堆肥化施設の堆肥脱臭装置の規模設定
脱臭能力調査
脱臭装置の管理方法の検討 | ８４８ |
５ 今後の課題
平均アンモニア濃度が200ppm以上を超える高濃度の悪臭を除去する脱臭方法の検討。
６ その他
「堆肥脱臭による臭気抑制実証試験」を終了し、Ｈ19年度より「高濃度臭気に対応した新微生物脱臭装置の検討」に取り組む