1 概略説明
水田畦畔や法面管理作業の省力・軽労化を図るため、現行機械による作業法の改善や新たな作業機開発を行うとともに、被覆植物等による管理技術を確立する。
平成17〜19年度の3カ年は、(独)近畿中国四国農業研究センター、民間企業等とともに法面作業道を簡易に造成する技術を開発するとともに、作業道を有効に活用できる軽労型の草刈機を開発する。
2 事業の必要性
以下のとおり、水田営農を営む大規模農業者や中山間地域の農業者からの要望が強い。 ●「水田より法面の方が広く、草刈りで殺される」 ●「点在している水田10haの草刈りを一人でやる。暑いが日中に草刈りせざるを得ない。」 ●「草刈りを機械化する必要がある。あるいは短い草や、草が生えない畦を研究して欲しい。
3 事業の効果
畦畔法面管理の作業時間の短縮や軽労化が実現する。
4 事業の内容
@水田法面の作業道造成技術の確立 急傾斜果樹園向けに開発された管理作業道造成技術を、中山間地などの水田法面へ応用し、作業道の造成方法や管理作業の軽労化への効果を実証的に検討する。
A高能率で安価な法面草刈機の開発と効率的作業法の検討 管理作業道を設置した法面を前提として2人作業の機械を開発する。作業能率は刈払機の2倍以上を最低条件とする。
B被覆植物等による管理技術の確立 センチピードグラス(和名:ムカデシバ)等の植栽畦畔の植生や除草剤等による管理法について検討する。
(1)平成18年度の主な内容と成果
@作業道が崩落しにくい対策(固化剤等)を実証的に検討中。これまでに施工した作業道の形状追跡調査では、形状変化は1年目までがピークでとなる傾向であることが認められ、造成時の石灰などの混和が有効でああることが示唆された。
A新型法面草刈機の実用機をメーカーと共同で市販化へ向け試作し実用性の向上のための改良を行っている。作業能率は刈払機の3〜4倍。基本的構造について、県単独特許を申請予定。 効率的作業法の検討を行う。
Bセンチピードグラスの早期優先化のための播種もしくは定植条件、管理条件についての知見がほぼ得られ、必要草刈り回数や草刈り時期、除草剤の種類などを検討している。また、新しく矮性チガヤについても現地で実証試験中である。
(2)平成19年度の主な内容
@作業道が崩落しにくい対策(固化剤等)の継続検討を行う。
A新型法面草刈機の市販や普及を見据えた更なる改良と、効率的作業法の検討を行う。草刈機は完成は19年度末予定。
B植栽畦畔の効率的管理のための、必要草刈り回数や草刈り時期、除草剤の種類などを継続的に検討する。
5 平成19年度要求内訳
項 目 | 金額(千円) |
草刈機等の開発改良に係る部品・資材費等
被覆植物の種子や養生に係る資材費 | 530 |
調査旅費及び成績検討会議出席旅費等 | 365 |
試験に係る燃料費、光熱水費、修繕費等 | 164 |
法面草刈機の比較評価試験(草刈機賃借料) | 63 |
合 計 | 1,122 |