概略説明
メイタガレイは、ヒラメに肩をならべる本県の沿岸漁業の重要種であり、栽培漁業の新対象魚種(第5次栽培漁業基本計画)として、種苗生産技術の開発をおこなう。
事業の内容
<H15から19まで5年間の試験研究のうち5年目>
@親魚の養成と採卵技術の開発:人工種苗育成魚と天然魚を材料に、親魚養成のための育成技術の開発ならびに良質卵の生産技術の開発を行う(終了)。
A種苗生産技術の開発:仔稚魚の飼育方法を検討し、種苗生産技術を開発する。
B量産技術の開発:準量産規模の種苗生産実験を行い、量産に向けた種苗生産技術の開発とマニュアルの作成を行う。
昨年度までの成果と問題点
@天然親魚からの採卵技術を確立した。
A各種飼育試験を行い、仔稚魚の飼育に知見を得た。
B飼育水にクロレラを添加することにより大幅に生残率が上がった。
C餌料系列に配合を組み込むことで成長が大幅によくなり、着底後の斃死も改善された。
D12000尾の放流用稚魚を生産し、放流試験に供した。
D飼育水に濾過と、紫外線殺菌を行うことでスクーチカ症の発生を防ぐことに成功した。
D仔魚期に表皮増成症様の疾病が発生し、種苗生産の妨げとなった。
E生産した稚魚の多くに白化などの形態異常が認められた。
今後の展開
@仔稚魚の好適な飼育条件を検討する。
A稚魚の体色異常、変態不全などの改善技術を検討する。
B種苗生産における疾病対策や治療法について検討する。
C準量産規模の種苗生産を実施し、量産技術についての知見を収集する。
D量産化試験を実施(委託)し、コスト面での事業化可能かどうかの材料にする。
E基本的な生産技術のマニュアルを作成する。
事業の効果
メイタガレイの種苗生産技術が開発され、種苗量産化技術の足掛かりとなる。また養殖魚としての可能性が出てくる。