概略説明
近年、県内の河川では極端なアユ不漁が発生している。このため、県は平成17〜18年度にアユ資源回復緊急対策事業を実施し、アユの不漁原因の主因が解明されるとともにアユ資源回復プランを策定した。
本事業では上記事業の成果を受け、引き続き冷水病対策と資源回復プランの検証により、アユ不漁対策を実効あるものとする。
事業の内容
@冷水病に強い種苗生産技術を開発する。
水温・飼育密度・給餌量などの試験区を設け、冷水病に強く天然アユに近い種苗生産方法を検討する。
A代表河川において遡上量・流下仔魚量・餌量などを把握し、アユ資源回復プランを検証・修正・改良する。
事業の必要性
@アユ資源は、漁業者だけでなく、多くの県民や県外客の楽しみであり、これに応じて放流等により資源を管理する漁協が直面している難題に対し、他県の研究機関とのネットワークを持つ県が技術的サポートをする必要がある。
Aこれまでの調査結果から、アユ不漁の主因は冷水病と考えられたが、冷水病対策は冷水病に強い種苗放流以外有効な方法が見いだされていない。このため、冷水病に強い種苗生産技術を開発する必要がある。
B遺伝資源の保存、疾病の移入防止のため、自県産の種苗放流が必要である(冷水病は湖産アユ放流により県内に蔓延した可能性が高い)。
C資源回復プランに基づき漁協などが実施した増殖策の効果を検証し、プランの修正・改良策を提言する必要がある。
事業の効果
@冷水病被害軽減策につながる。
A資源回復プランの効果検証、改良方法を提言できる。
B天然アユ資源の回復が望める。
C関連産業だけでなく、広く県民の楽しみ(アユ釣り)や県外客の誘致にもつながる。