1 概要説明
養殖や種苗生産など魚介類の飼育中に発生し、被害の大きい疾病の防除技術の開発をおこなう。
2 事業の内容
@疾病の防疫と防除の技術開発と体制整備
A主要対象疾病:ウイルス性表皮増生症、スクーチカ症、糸状菌症、窒素ガス病等
B中国5県連携会議(種苗生産技術グループ)、国などの研究所での会議や研修会等への出席、参加
3 事業の必要性(これまでの成果と今後の展開)
@近年、新しい疾病や従来問題化しなかった疾病が魚介類の種苗や養殖の生産に大きな被害を与える事例が増加している。そのため、これらの疾病の対策技術開発と対応の体制整備が不可欠になっている。
A疾病対策は本県が施策として推進する栽培漁業(放流・養殖)の基盤であり、安定的に進めるための課題となっている。
B生産者による技術開発は困難であり、県が他県の同類機関や大学と連携して課題にあたる必要がある。
問題となっている疾病の種類
@表皮増生症(ヒラメ、メイタガレイ)
Aスクーチカ症(ヒラメ、メイタガレイ他)
B糸状菌症(クルマエビ)
C窒素ガス病(ヒラメ、オニオコゼ他)
Dバイの殻脱ぎ病(バイ)
これまでの成果
@PCR法で産卵親魚の選別し、感染を防ぐ(表皮増生症)
Aプロバイオティクスを用いたウイルス対策(表皮増生症)
BPCR法による原因繊毛虫の特定(スクーチカ症)
C問題繊毛虫の分離、培養技術の確立(スクーチカ症)
Dヒラメの銅イオンへの感受性(スクーチカ症)
E溶存窒素ガスのモニタリングによる監視(窒素ガス病)
F飼育水濾過と紫外線による繊毛虫の除去(スクーチカ症)
今後の展開
スクーチカ繊毛虫の発生動向調査により効果的な防除方法を検討していく。銅イオン発生装置を使用し、スクーチカ原因繊毛虫の防除試験を行う。バイの殻脱ぎ原因を探索し、対策方法を検討する。
4 事業の効果
問題疾病への対策と防除体制が充実することにより
@魚介類の生産が安定する。
A生産経費が節約できる。
B計画的な養殖が可能となる。
などの効果が期待できる。