1 事業の背景、目的
○県の重要漁業の一つである沖合底びき網では、カレイ類が漁獲量の約3割を占めている。
○現行の漁具(網)では、商品とならない小型カレイ類(体長15p程度)が相当量入網してしまうため海上投棄されている。
○現在のカレイ類資源は低水準状態になっている。
○入網する小型のカレイ類が網から抜ける構造を持つ使いやすい漁具を開発し、漁業者が使用することで、海上投棄されている小型カレイ類を保護し資源を回復させる。
2 必要性
○本県漁業者はズワイガニを除き現在、網目拡大(8節、目合約4cm)及びアカガレイの全長制限(20p)を行っている。
○商品となる魚が獲れなくなるこれ以上の網目拡大は困難であり、魚の体長制限を行っても漁具形態から入網してしまうため、網から小型魚が抜ける漁具開発が不可欠である。
○また、同漁場を利用している兵庫県の漁業者にも改良漁具を導入を促し、山陰沖のカレイ類資源の管理を図る。
3 これまでの結果と問題点
(17年度まで)
○漁具構造が複雑であるものの、ヒレグロでは約6割が抜けるのに成功
○小型カレイが逃避する選別網の入口を覆う網にゴミやズワイガニが引っかかってしまう
(18年度)
○漁業者導入を考えた簡単な漁具構造にした
○選別網の入口を覆う網をなくした
○試験操業では、選別網口の開き具合が不安定になり結果が悪い場合があった
4 平成19年度計画
最終年度
@改良漁具仕立ての再検討・設計
A沖合底びき網漁船(傭船)による試験操業
6、8月実施、網へ深海用デジカメ設置(新取組)
B漁業者への普及
5 事業効果
○小型カレイ類保護にる資源の増加
→漁業経営の安定・向上、県民への食品(カレイ類)の安定供給
○省エネ操業
→小型カレイ、ズワイガニ(禁漁期)入網減少による船上選別作業の軽減