１ 「地域魅力向上」が基本路線
昨年来、これまでの観光行政の問題点を洗いざらいし、新たな方向付けを行ってきた。
× 「鳥取にはいいものがあるのに、ＰＲが足りないから人が来ないんだ」
… ＰＲ重視路線（「情報発信」という名のもとの巨額の広告宣伝やイベント開催）
↓
○ 「鳥取には観光客のニーズにあった形で素材を磨いて提供できていないから、人が来ない」
… 地域魅力向上路線（ニーズを先取りした「いいもの」であればＰＲされる）
⇒ 自己満足的な情報発信との決別し、地域魅力向上重視を基本路線に。
２ できたこと、できていないこと
「観光資源の掘り起こし・磨き上げ」については、観光コーディネーターら職員が地域に入り込み、地域の担い手をサポートするスキームがほぼ確立し（「観光メニューオーディション」など）、地域に新しい観光資源の芽が出てきた。
（「金持神社」「遙かな街へ」「御来屋漁港」「白兎の起請文」「大岳院八犬伝講談」「今滝滝床料理」等）
しかし、現状では、その次のステップとして以下のような課題がある。
- 都会の旅行ｴｰｼﾞｪﾝﾄに、新しい観光資源に関する情報の的確かつ魅力的な情報提供が不足しているとともに、都会側の「消費者ニーズ」の把握が出来ていない。 → 旅行ｴｰｼﾞｪﾝﾄは地元ならではの観光メニューの情報に飢えている。
- 都会の最新動向を鳥取に伝え、商品化に向けた観光現場のプロモートが出来ていない。 → 現場へのフィードバックやプロモート機能が欠けている。
３ 我々に求められるもの
常日頃、旅行会社やマスコミに接し、消費者のニーズを先取りする新しい情報を都会側に提供し、かつ、最新の動向を都会側から鳥取に持ってきて、観光現場をプロモートする体制の構築。
⇒ 本来、この役割を担うべき ◎県外事務所 ◎観光連盟 の活用策を考えなければならない。
４ 県外事務所の活性化
県外事務所の行う観光業務をより専門的かつ効果的に行うことのできる体制とする。
- 発地側の旅行ｴｰｼﾞｪﾝﾄや消費者ニーズの把握を随時行なうことのできる体制の確保
- 地元の取り組みをさらに成果が出る方向で後押し
- 消費者への売り込み力の強化
５ 観光連盟の活用
- 観光連盟は、純粋な特定分野の一時業者ではない中間的立場を活かした活動を行なう。
・ 県外の旅行ｴｰｼﾞｪﾝﾄやマスコミへの地域全体の観光に関する定期的な情報発信・売り込み者
・ 県内の業際的な「まとめ役」となる。（旅館、交通事業者、観光施設、土産物屋 等々）
以上の観点から、地方（県）と旅行ｴｰｼﾞｪﾝﾄの間で情報のやりとりを行なう観光プロモーターを各県外事務所に１名ずつ（民間人）配置する。
観光プロモーターは、県の委託で観光連盟が設置し、県と観光連盟（民間）が共同・連携して取り組むことで、県も観連も業界のノウハウを活用出来るほか、観光連盟内の人材育成を進め、自立を促していく。
６ 所要経費
鳥取県観光連盟への委託費 ２８，８７８千円