1.試験研究の概略
県産スギ材を高温乾燥処理した場合に生じる材色の変化や割れの状況を把握し、県産スギ材に適した時間スケジュールを検討する。
また、内部割れが接合部の強度に与える影響を明らかにする。
2.期待される効果
高温乾燥法による優良な県産スギ乾燥材を生産することで、乾燥材供給量を増加させる。高まる乾燥材への要求を満足させることにより、県産材の利用拡大につなげる。
3.事業の内容
@ 鳥取県産材に適した高温乾燥スケジュールの提案
A 内部割れが木材強度に与える影響の把握
B 内部割れが接合部の強度に与える影響の把握
4.これまでの成果
@実大乾燥試験
実大レベルの乾燥試験の結果、湿度コントロールが十分な乾燥機では、120℃20時間+90℃180時間で十分な乾燥が得られることがわかった。一方、湿度コントロールが不十分な乾燥機の場合、表面割れを回避する加湿が乾燥速度を遅らせる事が分かった。
120℃20時間の処理条件では材色に問題が残ることがわかった。
これらの成果を踏まえて、乾燥スケジュールの提案を行う。
A曲げ強度試験結果
内部割れの影響を検討するための曲げ試験の結果、高温処理が曲げ強さに及ぼす影響は小さく、中温乾燥の曲げ強さの平均値が29.1MPaだったのに対して、高温乾燥の曲げ強さは32.4MPaとほぼ同等であった。
B接合部試験については、現在強度試験を実施中。
5.今後の課題
得られた結果を各企業が有する乾燥機に適応させる必要があるため乾燥技術の普及指導に力を入れる必要がある。
6.その他
事業期間:平成16〜平成18年度(平成18年度終了)