1.試験研究の概略
木造住宅の横架材など、現在使用量の少ない部位への新たなスギの活用策として、正角材を用いた重ね梁や板材を使った剛性の高い壁面の実用化をめざす。
2.期待される効果
スギ材を横架材や剛性の高い壁面の材料として安心して使っていただける方法の提案は、県産材を用いた木造住宅の建築戸数増大につながる。これにより、県内木材産業の活性化が図られる。
3.事業の内容
@ 合成梁生産技術の確立
A 剛性壁生産技術の確立
4.これまでの成果
@合成梁強度試験
現場接着で合成梁を作製する手法を検討するため、接着部にダボをはめ込んだ合成梁の強度試験を実施中。ダボが接着層のせん断破壊を防止する可能性が見いだされた。今後さらに詳細を検討する。
A剛性壁の面内せん断試験
ダボをはめ込んで剛性を高める工法を真壁に応用した。板を縦にはった場合も、横にはった場合と同程度の強度が得られた。さらに、縦はり、横はりともダボを入れることにより、ダボを用いない壁の役1.7倍の強度が得られた。
試験結果より壁倍率を算出した結果、約2.8の値が得られた。18年度は、大壁に用いた場合についての試験について準備中。
5.今後の課題
得られた試験結果を県内企業に安心して使っていたけるような仕組みを検討する必要がある。
6.その他
事業年度:平成17〜18年度(18年度で終了)