1 事業の概要
国内で飼育・生産されているブロイラーの殆どは、海外で育種改良された原種鶏を輸入し、国内で種鶏を増殖して供給されている。昨年の夏以降、ブロイラー生産者に供給されたヒナは短期間に増体する能力が著しく改良されていたため、これまでの日本の飼育形態では、特に冬期間の生産性に問題が生じていることが判明した。
そこで、根本的な飼育適正を調査し、鳥取県における飼育管理技術を構築し、正確な情報を生産者に提供する。
2 事業の目的・背景・効果等
(1)事業の目的・背景
ア 県内のブロイラーの殆どを占めるC社のブロイラーは、平成16年夏の餌付けコマーシャルひな以降、全て米国で改良されたものが供給されている。
イ 米国由来(US)ブロイラーの特徴は、優れた増体性や飼料要求率、肉の歩留まりの良さがあるが、日本の飼育形態では生産性の低下による収益低下が指摘され、特に寒冷ストレスに弱いことが報告されている。
ウ 冬期の飼育管理は寒冷ストレスや換気不足による生産性低下、鶏肉の品質低下の問題があるため、日齢に応じた鶏舎内温度と換気による適正管理方法を確立する必要がある。
エ そこで、外気温が低い時期に鶏舎内温度を保ちながら換気量を確保するための、鶏舎内の温度管理方法を検討し、疾病や鶏肉品質低下を防止する飼育技術を確立する。
(2)事業の効果
ア ブロイラーの生産性及び商品性の向上。
イ 全国第9位の生産量を誇る本県ブロイラーの発展寄与。
これまでの成果 |
ブロイラー飼料比較給与試験(H15〜17年度)
●H16年度は代謝エネルギー量を抑制した飼料を4〜34日齢に給与することにより、育成率の改善が図れることが明らかとなった。
●H17年度は前年度と同じ飼養給与条件下で、8〜35日齢の1日の点灯時間を15時間にすることにより、消灯による電気料の節減効果と群の斉一性を図ることが示唆された。
USブロイラー飼養技術確立試験(H18年度)
●H19年1〜2月に寒冷ストレス試験を実施する。 |
3 事業期間および経費
事業期間 <H18〜19 2年間の試験研究のうち2年目>
区 分 | 事業内容 | 事業費(千円) |
全 体 | 寒冷ストレスの調査 | 195 |
18年度
(前年度予算額) | 寒冷ストレスの調査 | 195 |
19年度 | 廃止 | 0 |
4 廃止した理由
(1)県内でのC社USブロイラー飼養羽数割合の減少
(2)県内でのC社USブロイラーの飼養品種が不確定
(3)平成18年度にC社USブロイラーの最新品種の試験を実施し、今後の状況を見極める