1事業の概要
今後伐期をむかえ大量に出材される鳥取県産在来品種スギの材質を明らかにし、適した利活用方法を提案し需要拡大を図る。
2事業の目的・背景・効果等
背景
@本県で開発された本県特有の品種。
A県全域に造林され、今後県産材として広く流通。
B県の推進により普及した品種、よって利活用に関しても情報提供が必要。
C材質特性は未解明で、需要拡大を図るうえで材質性能の把握が必要。
D近年建築サイドから材質特性の解明が求められている。
目的・効果
@建築家・設計士に材質データの提供を行う。
A得られた材質特性から、適切な利活用方法を工務店・製材所等に提案する。
3事業の内容
@鳥取県産在来品種スギの強度性能を中心とした材質調査
A実測、文献調査による、他品種スギの材質調査
4事業の成果
・鳥取県東部34本、西部25本の立木の材質調査を実施した。本年度は、中部41本の立木について調査中である。
・製材時に必要な基礎的知見として心材率、偏心度、真円率、晩材率、樹皮厚率、平均年輪幅を明らかにした。鳥取県東部では、心材率69%、偏心度95%、真円率97%、晩材率32%、樹皮厚率3.1%、平均年輪幅4.2mmで、鳥取県西部では、心材率70%、偏心度89%、真円度93%、晩材率26%、樹皮厚率2.8%、平均年輪幅4.1mmであった。
・製材品の乾燥特性を把握するため含水率分布を調査した。鳥取県東部では、辺材210%、心材107%、白線帯70%、全平均131%であった。鳥取県西部では、辺材219%、心材91%、白線帯59%、全平均120%であった。
・強度特性を把握するため、曲げ強度及び曲げヤング率を調査した。鳥取県東部では、曲げ強度34.7Mpa、曲げヤング率5.76GPaであった。鳥取県西部は、現在データ解析中である。
5その他
事業年度:平成15〜18年度(18年度で完了)