1 事業の背景・目的
「拉致」は、北朝鮮による国家的犯罪であると同時に、人間の尊厳
や基本的人権を侵害する重大な人権問題である。
(1)昨年11月、米子市の松本京子さん(1977年失踪当時29歳)が
17人目の拉致被害者として政府認定された。(鳥取県内で初)
(2)県内では松本さんだけでなく、少なくとも3名の行方不明の方につ
いて、北朝鮮の拉致の可能性が排除できないと指摘されている。
※いずれの方も拉致又は失踪から20〜30数年が経過しており、早期の
帰国実現、真相解明が望まれる。
政府は、拉致問題を日朝間の諸懸案の最優先事項として取り組ん
でいる。先の6カ国協議の中の2国間交渉においても、北朝鮮側に対
し、拉致被害者の即時帰国及び事案に関する真相究明を強く求めて
いるが、北朝鮮はすでに解決済み、との不誠実な回答に終始してい
る。
(1)県は、引き続き国に対し、拉致問題の早期全面解決に向けた働き
かけを行っていく。
(2)北朝鮮は、日本の世論を注視しており、「拉致問題人権法」に
基づく県民意識の啓発を一層進めることで世論を高めていく。
「拉致支援法」に基づき、帰国被害者等が自由で安らかな生活を取
り戻し、物心両面において安心して暮らせる生活基盤づくりに必要
な体制を構築するため、米子市等関係市町村と連携して調査・検討を
行う。
2 事業の内容
(1)国への要望
拉致問題の早期解決の実現と拉致の可能性が指摘されている人
の全容解明を政府に要請するとともに、被害者の安否、政府の取組
等に関する情報収集に努め、家族に対して速やかな情報提供を行
う。
(2)帰国後支援準備体制検討経費 (376千円)
県と県内関係自治体で「北朝鮮による拉致問題の早期解決実現
連絡協議会(仮称)」を構成し、連携協力して拉致問題の早期全面解
決の実現に取り組む。
項 目 | 概 要 |
名 称 | 北朝鮮による拉致被害者の早期解決実現連絡協議会(仮称) |
関係自治体 | 県、米子市、伯耆町、日南町 |
取組内容 | @国への要望
A拉致被害者帰国後の支援体制の構築
ア 失われた生活基盤の再建を支援する施策と 体制の検討、調整
【施策例】
生活相談、社会適応指導、住居の安定 就 学、就労支援等
イ 先例調査
・調査内容:帰国決定からふるさと定住までの具 体的プロセス、効果的支援とその策 定、留意点等の調査
・調査先(案):福井県と小浜市、新潟県と柏崎市
・調査人員:県3名と米子市など
B家族の支援(安否、政府取組等の情報提供) |
(3)県民意識の啓発(2,621千円)
拉致問題に対する県民の関心を高めるとともに、被害者及び御家
族への支援の必要性についての理解を促進するため、各種の啓発
活動を行う。
事業名等 | 概 要 |
講演会
映画上映会
写真パネル展
(2,197千円)
| 拉致問題解決に取り組む市民団体に委託して
県内2会場(東・西部)で開催
<講演会>
・開催時期:8月頃
・松本京子さん及び拉致の可能性が指摘される県
関係の被害者家族のアピール
・講師予定:横田滋・早紀江夫妻
<映画上映会>
・開催時期:12月頃(北朝鮮人権侵害問題啓発週間)
・上映作品:「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」
<写真パネル展>
・上記講演会、映画上映会と同会場で開催 |
写真パネル
巡回展
(304千円)
| @拉致問題解決に取り組む市民団体に委託して、
松本京子さん及び県内で拉致の可能性が指摘さ
れている方々の写真パネルを作成
A県内3会場(東・中・西部、各2回)で巡回パネル展
を行うほか、市町村、関係団体への貸出を行う。 |
街頭啓発
(120千円)
| 関係団体・市町村・被害者の御家族等が連携し、
北朝鮮人権侵害問題啓発週間中に街頭啓発を実施 |