1 目的
県内で就業する看護師数の増と資質の向上を図るため、
鳥取大学が平成20年度から実施予定の医学部保健学科地域
枠入学の学生を対象に県が実施する奨学金制度について、よ
り多くの学生を確保できるよう制度内容を一部改正しようとする
もの。
2 医療現場等における看護職員の状況等
医療の高度専門化、多様化に伴い、大学卒業看護師の需要
が高まっているが、その確保が困難な状況にある。
大学卒業看護師の県内定着が非常に望まれる状況にあ
るが、県外大学に進学した学生の多くはそのまま県外に留まる
傾向が強い。
● 現在の、鳥大卒と県外大学卒では、需要に応えられない状況
毎年40人程度の県外看護大学進学者のうち、県内就職の割
合は、2〜3割程度
<看護大学卒業者の県内就業状況>
年度 | 県外から
の流入 | 鳥大卒業者 | 合計 |
県内者 | 県外者 |
H15 | 14 | 14 | 14 | 42 |
H16 | 9 | 17 | 18 | 44 |
H17 | 10 | 11 | 10 | 31 |
● 鳥大進学者を増やし、県内就業者を増やす必要がある。
県は、鳥取大学医学部が平成20年度から計画している保健
学科看護学専攻の地域枠入学者に対し、卒業者の県内就業
増を図るため、 奨学金を貸し付け、県内就業義務を科す奨
学金制度を創設した。
3 要求理由
奨学金制度は既存の修学金制度と貸付月額、返還免除
に係る条件がほぼ同様の内容となっている。
県外大学への進学を考えている生徒を鳥取大学へ進
学させ、卒後は県内医療機関への就業を促す必要があ
る。
このためには、鳥取大学地域枠で入学した場合受ける
奨学金の制度を修学資金制度より金額面、返還債務の
免除条件で優遇区別し、生徒の県外流出を抑制すること
により、県内の大学卒看護師数の増を図る。
4 要求内容
(1) 奨学金月額の増 48,000円 ⇒ 60,000円
(2) 返還免除条件の緩和
・200床以上の病院
・看護職員養成機関、大学(教育担当)
に5年間就業した場合
半額免除 ⇒ 全額免除
5 鳥大県内出身者の就業状況
年度 | 県内 | 県外 | 合計 |
鳥大病院 | その他 |
H15 | 6 | 8 | 6 | 20 |
H16 | 9 | 8 | 5 | 22 |
H17 | 6 | 5 | 6 | 17 |
※その他の医療機関
(東部) 中央病院、日赤病院、鳥取市立病院、生協病院
西鳥取病院
(中部) 厚生病院、藤井政雄記念病院
(西部) 済生会病院、博愛病院、長田産婦人科
ミオ・ファティリティ・クリニック
★ 鳥取県地域枠の卒業生は、広く県内の医療機関への
就職が期待できる。