青谷上寺地遺跡出土品調査研究等事業

１ 事業の目的

青谷上寺地遺跡の出土品が持つ豊富な情報を県民に情報発信するため、出土品の調査研究と海外調査、保存処理、整理を行い、出土品の活用を図る。また、重要文化財指定に向けて青谷上寺地遺跡出土品の重要性をアピールする。
「弥生人の脳」を、腐敗や細胞の損傷から守り後世に伝えるため、氷温庫の保守等を行う。

（１）建築材、骨角器、石器の調査研究 ３５,８４７千円
• 保存状態が良好なため、他の遺跡では行い難い情報発信が可能である。
• 日本のみならず東アジアの弥生期文化の基本資料となる研究である。
�@ 建築材の調査研究
• 約7,000点の建築材のデータベース（平成１８年１１月一部公開予定）作成の成果を報告書（資料編）にまとめて刊行し、県内外に情報を配信する。
• 建築材の特徴・金属加工具との関連性・建築技術の解明のための調査研究を行う。

�A 骨角器の調査研究
• 動物の種類や加工痕、使用痕等の観察結果を盛り込んだデータベースを作成し、その成果をセンターホームページ上で順次公開し、調査研究成果の活用をはかる。

�B 石器、木製農工具・漁労具等
• データベース作成に向けて諸要素の整理を行う。
  
（２）海外との調査研究交流　　　１，０７１千円
• 韓国江原道の（財）江原文化財研究所等との友好交流を図る。
• 青谷上寺地遺跡と同時代の遺跡の調査研究を実施し、青谷上寺地遺跡との交流関係を明らかにする。
• 青谷上寺地遺跡に地形的に似た環境である韓国東海岸の同時代の遺跡の立地環境や出土遺物の調査を行う。
（３）保存処理　　　７，５５９千円
• 出土品の調査研究や活用を可能とするため、また貴重な出土品を後世に引き継ぐために保存処理を行う。
�@ 直営での保存処理
• 木器の真空凍結乾燥（２４０点）
• 木器のPEG含浸処理（７００点）
• 青銅器（２０点）
• 鉄器（２０点）
• 骨角器（２０点）

�A 外部委託による保存処理
• 木器（５点）
• 金属器（１７点）
（４）出土品のレプリカ作成　　　６，７４１千円
• 保存処理後でも実物展示が困難な出土品や展示貸出頻度の高い出土品のレプリカを作成する。
• 平成１９年度レプリカ作成対象…２０点
  • 鉄　器　１３点（保存上公開できないもの）
  • 青銅器　　６点（貸出依頼の多いもの）
  • 木　器　　１点（保存上公開できないもの）
（５）脳・人骨等の研究　　　１，８２８千円
• 全国唯一の貴重な「弥生人の脳」を、腐敗や細胞の損傷から守り後世に伝えるため、氷温庫の保守等を行う。