青谷上寺地遺跡発掘調査事業

１　事業の目的

　史跡整備活用基本計画に必要なデータを得るために発掘調査を実施して、青谷上寺地遺跡の詳細な内容を確認し、構造・景観などの実体解明を図り、『青谷上寺地遺跡保存活用整備構想』のコンセプトである「交易拠点としての港湾集落」の具体像を探る。

（１）遺跡詳細調査　　　　　２５，４４３千円

　遺跡の構造や変遷など考古学的なデータを得るための調査

発掘調査	２３，２４９千円	遺跡の盛期である弥生時代後期の中心域の内容確認調査 調査面積：１０５�u（６ｍ×１７．５ｍ） 弥生時代後期の中心域の区画溝を確認できるとともに、中心域境界部の重要な遺構（集落の出入口施設など）の確認が期待できる地点 Ｈ１８発掘調査成果の報告書を刊行（Ｈ１９発掘調査分はＨ２０に刊行）
地形構造確認調査	２，１９４千円	遺跡北東側の湖沼域の沿岸部で弥生時代の古地形（入江を想定）を確認 港湾施設等の探査を目指した平成１８年度調査の追加確認調査。 ボーリング調査（４本） 軟X線撮影観察等を行い、土壌を観察し、陸域と水域を区分

　青谷上寺地遺跡をとりまく環境を把握し、景観の復元や関連する遺跡を確認

　土壌分析による古環境（植生や水深・水質など）のデータや踏査による遺跡分布などのデータを得るための調査

古環境調査	２，８０１千円	遺跡北東側の湖沼域沿岸部の古環境を解明 地形構造確認調査で得る試料４本と既存３本のボーリング試料の土壌分析
遺跡分布調査	０千円	鳥取市教育委員会協力のもと、遺跡南側の丘陵部を踏査し、集落や墓域などの分布を確認

　青谷上寺地遺跡の出土木器が良好に保存された要因を探るとともに、地下環境を継続的に観察

木器埋蔵環境調査	１，９９０千円	木器が良好な状態で保存された要因を分析 遺構、遺物の現地保存等の検討データとなる 地下で木材が腐朽する過程を解明するための土壌分析（全有機物量・硫酸イオン・金属イオンなど） 出土木材の腐朽度合いの分析（含水率測定など） Ｈ１８〜継続（３年計画の２年目）
地下水位観測	１，０４１千円	遺跡の地下の埋蔵物がどのような環境にあるのかを継続的に監視 既設の観測坑（３地点×２本）での水位観測と水質調査（ｐＨ値測定・酸化還元電位測定・溶存酸素量測定） Ｈ１６〜継続

　３回実施予定（７月・１０月・２月）