1 事業の内容
菌床栽培から大量に発生する廃菌床について、
(1)有機塩素系化合物等の汚染に対する環境浄化技術
(2)アルコール等工業原料への変換技術
に関する開発を行い、有効な資源化技術を確立する。
【共同研究】:鳥取大学菌類きのこ遺伝研究センター、
鳥取大学工学部、林業試験場
2 事業の目的・効果・背景等
(1) 背景・目的
きのこの菌床栽培からは大量の廃菌床が発生する。県内の発生量は、おおよそ6000t/年と推定され、また、食品産業クラスター事業におけるハタケシメジ栽培の事業化により、今後もその増加が見込まれる。しかし、その高度な有効利用技術は確立されていない。
一方、廃菌床には次の資源価値を期待することができる。
- リグニンパーオキシダーゼ等の活性酵素を含有する。
- リグニンが分解し、セルロースの利用が容易な木質資源
また、廃菌床は元々木質由来の資材であることからカーボンニュートラルな資源として地球温暖化対策に寄与することができる。
以上の特性を生かし廃菌床の資源としての利活用を図る。
(3) 事業の効果
- 今後、大量に発生すると予測される廃菌床の、再資源化技術を確立し、鳥取県に特有の循環型社会システムを構築することができる。
- また、菌床栽培を基軸とした新たな環境産業を創出することができる。
3 事業の内容
(1) 対象 県内の各種きのこ栽培から排出された廃菌床
(2) 試験内容
【環境浄化技術への応用】
酵素活性の分析、既存の論文等から酵素の機能性評価
有害物質の分解率測定、分解生成物の分析
汚染土壌、廃棄物に対する浄化性能の評価
【工業原料化】
廃菌床に適した糖化方法の開発
醗酵条件、収率、醗酵効率について分析
原料調達を含めた生産プロセスの課題整理
廃菌床以外の利用可能な未利用資源調査
4 平成18年要求額内訳(単位:千円)
内 訳 | 金 額 |
学会、技術研修会への出席旅費 | 160 |
試験検査のための消耗品費 | 1,104 |
試験検査のための医薬材料費 | 527 |
電話、燃料費、印刷製本費 | 73 |
合 計 | 1,864 |
5 事業期間及び経費
区 分 | 事業内容 | 事業費(千円) |
H19年度 | 酵素活性の測定
廃菌床の糖化試験 | 1,864 |
H20年度 | 有機塩素系化合物分解試験
アルコール等の合成試験 | 1,500 |