1 事業の内容 (H19〜H20の2年計画)
アマモ類(アマモ・コアマモ)・サルボウを用いた水質浄化技術を確立し、今後の水質浄化施策に活用するためにこれらの生物について(1)〜(2)を行う。
(1)現地調査、室内実験による生育可能域の推定、及びその確認
(2)室内・室外実験(現場での移植実験等)による水質浄化能の測定
※第4期中海湖沼水質保全計画(H16〜H20)の重要事業として実施する。
2 事業の必要性
(1)これまで中海の水質浄化を目的として流入負荷の削減を中心とした施策が講じられてきたが、未だ環境基準は達成されていない。
(2)その理由のひとつとして生物の激減によって、これらによる水質浄化能が失われてきたことによると考えられる。
(3)したがって、かつて中海に生息していたアマモ類・サルボウ等生態系の回復を視野に入れた水質浄化手法を検討する必要がある。
3 事業の効果
(1)アマモ場の再生による生態系回復。
(2)アマモ類とサルボウの分布拡大による水質浄化効果。
(3)水産振興、住民活動の支援等の地域貢献。
【今までの成果】
藻類・貝類等による中海浄化手法検討事業〔H16〜H18〕
H16
〜
H17 | ○中海の鳥取県沿岸に生息する生物の生息状況・生息環境を把握。
○アマモ類の最適環境条件把握のための予備実験実施。 |
H18 | ○任期付研究員(H18〜20年度)の採用により調査範囲が拡大したことで、中海における藻類・貝類の分布状況が解明。
○平成17年度より手がけてきたアマモ類とともにサルボウの最適環境条件の把握に向け取組中。 |
【成果・結果に基づく今後の方針】
任期付研究員を中心に、中海における自然再生のフラッグ種(旗印)であるアマモ類・サルボウに重点をおいた調査研究に組み替えて実施する。
4 平成19年度要求額内訳
内訳 | 要求額(単位:千円) |
アマモ・コアマモの植栽委託料 | 299 |
学会発表・情報収集等のための出張旅費 | 716 |
船舶用軽油燃料費 | 60 |
島根大学分室利用料 | 18 |
医薬材料・消耗品費等 | 774 |
合計 | 1,867 |
5 事業期間及び経費
事業期間〔平成19年度〜20年度〕
区分 |
事業内容 |
事業費(千円) |
平成19年度 |
アマモ類・サルボウの生育可能域の解明と水質浄化能測定 |
1,867 |
平成20年度 |
アマモ類・サルボウの移植、住民活動の支援(イベント開催等) |
2,500 |
6 共同研究機関
○鳥取県栽培漁業センター
○島根大学汽水域研究センター
○島根大学生物資源科学部
○国立環境研究所他
(C型共同研究『藻場の生態系機能による海域再生研究』)