1 事業の目的及び背景
ア 建設工事で支障となる立木については、伐採・運搬費を 計上して木材市場等へ搬入しているが、さらなる利用方法が求められている。
(市場の素材取引単価6,000円/m3程度)
イ 伐採木の一部は、現地でチップ化し林地還元を行って いるが、全てを処理することは出来ない。
ウ このため、伐採木に付加価値を付けた上で有効利用するシステムを検討する必要があり、薪加工に着目し、建設工事で発生する未利用伐採木(主として雑木)について、薪材として加工し、有効利用を図るものである。
2 事業内容及び事業効果
<事業内容>
ア 事業地の設定
支障木が数年間に渡り発生する工事を選択
イ 薪割り機を導入
ウ 薪割り委託
林業会社(森林組合・林業サービス等)
エ 薪の保管(1年間)
カゴに入れ、林業試験場にて自然乾燥
オ 薪のPRと販売
薪ストーブ、レジャー、生活燃料用等に供給
林業振興課の協力により県民へ情報提供
(各種イベント、業務内の普及活動等)
カ コストの検証
薪制作〜供給までのサイクルを検討
制作歩掛、事業規模、販売方法等を検証
<事業効果>
ア 素材原料として限定されている雑木を薪に加工するこ とで、販売が可能となれば、市場へ持ち込むよりも付加価値が付き、工事費のコストダウンができる。
(市場の薪取引単価 40,000円/m3程度)
イ 木材の有効活用に向けた取り組みの基礎資料となり、 ポイントを絞った効率的な体制整備、設備投資等の検証が可能となる。
ウ 未利用材の燃料としての有効活用は、地球温暖化防止にも貢献する。(薪をエネルギーとして使用することで、カーボンニュートラルとなる。)
3 所要経費(全体経費 1,970千円)
1,140千円(H20年度)
・薪割り機購入 268千円
・薪加工委託費 20m3×19,000円= 380千円
・薪運搬費 20m3× 4,590円= 92千円
・運搬保管用カゴ購入 25個×14,100円= 353千円
・保管雑費(屋根用トタン板・ブルーシート等) 47千円
計 1,140千円
770千円(H21年度)
・薪加工委託費 30m3×19,000円=570千円
・薪運搬費 30m3× 4,590円=138千円
・運搬保管用カゴ購入 7個×14,100円= 99千円
・保管雑費(屋根用トタン板・ブルーシート等) 23千円
計 830千円
4 参考
・1年間乾燥した後、H21年度以降販売することにより、経費を差し引いても約365千円の収入が見込まれる。
売買単価40,000円−32,700円=7,300円
7,300円×50m3=365千円
(50m3処理した場合の制作単価・32,700円/m3)
5 その他
<参考資料>
・H18年度発生木材の処理状況 (砂防治山)
・薪販売並びに作成、運搬費用 算出根拠
・運搬保管カゴの規格
・薪割り機の仕様等
薪割機(3.5psエンジン付)