〔制度要求〕: 『鳥取県企業立地等事業助成条例の見直し』
県内企業等からの要望に応え、制度を企業が利用しやすい形に
整備し、県内企業に業種転換や新規投資を呼び込む環境を創出
し、県内産業を高付加価値化の構造転換と正規雇用を促進する
ためのきっかけとすることを目的として制度改正を行う。
○見直しの内容
1 事業継続努力義務期間の短縮
【改正内容】現行10年間→7年間に短縮
【改正理由】企業の投資サイクルの短縮化を求める県内企業の要望
に応え、新たな投資環境を整備することによる新規投
資、新規雇用創出を促進するため。
●商品のライフサイクルの短命化のため、製品や業種の転換のサ
イクルも短縮化しており、それに伴う製造業の設備投資サイクル
の短縮化に対応し、新たな投資を行うための環境整備が必要
●県内企業に対する訪問調査の結果、10年間の営業継続義務
期間は長すぎ、企業の投資サイクルの実体と合致していないとの
指摘が、多数の企業からあった。
【留 意 点】既補助金交付企業も対象
2 雇用要件の緩和
【改正内容】現行10人→5人に緩和
@対象:県内に工場等を有する製造業の中小企業が、増設を行
う場合に限定
A期間:平成20年度〜21年度の認定申請分を対象とする
【改正理由】県内の製造業を営む中小企業からの雇用要件緩和の
要望に応え、制度を県内中小企業が支援を受けやすい
ものに整備することにより、新たな増設を誘発し、新規投
資・新規雇用創出を促進するため。
●中小企業にとって、現行の10人以上の新規常用雇用者の増とい
う要件は、たいへん高いハードルとなっており、企業に利用しやす
い制度に改正し、中小企業が新規投資・新規雇用を生み出す
きっかけとしての環境整備が必要
●県内企業に対する訪問調査の結果では、10人の増員は企業に
とって非常な負担であるという指摘が大多数の企業からあった。
1億円の投資で可能な増員は5人程度が限界であるとの意見も
あった。
●雇用要件がネックとなって補助金の交付を受けていない認定企
業や誘致企業も多数ある。
●他県の状況(10道県で5人の雇用要件)
北海道、岩手県(増設、自動車関連産業)、秋田県(増設)、
埼玉県、岐阜県(高度技術産業)、愛知県(高度先端産業)、
滋賀県、島根県(県営工業団地内立地)、徳島県(増設)、
愛媛県(県営工業団地内立地)
●雇用要件緩和による件数の増加
1〜2割程度(県内市町村や企業への訪問結果により推測)
●雇用要件緩和によるメリット
これまで、雇用要件の充足に3年程度必要としていた期間が短
縮されることにより、企業が早期に補助金の交付を受けられる
ようになることで、設備投資後の資金需要を支援することがで
き、中小企業の投資促進に結びつく。
〔参考〕企業立地補助金に係る県内企業からの聞き取り結果
調査企業36社
営業継続義務期間
についての意見 | | 雇用要件についての意見 |
長い | 15社 | 厳しい | 15社 |
妥当 | 3社 | 妥当 | 3社 |
短い | 0社 | 緩い | 0社 |
回答なし | 18社 | 回答なし | 18社 |
妥当な期間 | 10年 | 1社 | | 妥当な人数 | 0人 | 1社 |
7年 | 1社 | 1〜2人 | 4社 |
5年 | 6社 | 3〜4人 | 2社 |
3年 | 1社 | 5人 | 5社 |
0年 | 1社 | 6〜10人 | 1社 |
計 | 10社 | 計 | 13社 |
3 事務管理部門雇用創出事業補助金の創設
【改正内容】人事・文書・企画・調査・会計など一般事務・管理的業
務を新たに行う事業(委託を受けて事務管理業務を新
たに行う事業を含む)を行い、事務管理管理業務に伴
う新規雇用を10人以上を行う者に対して、その経費
の一部を5年間補助する。(短時間労働者(1週間の所
定労働時間20〜30時間)を含む)
※短時間労働者を含む理由
・事務的労働を希望者は、正規雇用だけでなくパートタイム労
働者などの短時間労働の求職者にも多い。
・子育て中の女性にとっては、育児と就労を両立できる形態で
の雇用機会の増大となる。
・労働力の円滑な確保が見込め、企業にとってもメリットが大 きい。
●対象と補助額
ア 人件費 新規常用雇用者1人につき50万円
イ 通信回線使用料 1/2(限度額:年500万円)
ウ 借室料・機器リース料 1/2(限度額:年1,000万円)
【改正理由】県内において雇用の場が著しく不足している事務的職
業について、県外から新たに事務管理部門を誘致する
ことにより雇用の場を拡充するため。
4 事業継続状況の報告義務
【改正内容】補助金の交付を受けた者は、事業継続努力義務期間
は、毎年、事業に係る雇用状況の報告を行わなければ
ならない。
【改正理由】年1回の事業継続状況の報告を受けることにより、補
助事業の継続状況を的確に把握し、補助対象企業に対
するフォローアップや事業の適正な転換、さらには今後
の事業増設への働きかけなどに資するため。
【留 意 点】@既補助金交付企業も対象
A調査時点:年1回、毎年10月1回(様式は要綱)
[参考]:現行制度概要
業 種 | 補 助 基 準 | 補助額 |
製造業、その他知事が必要と認めた事業 | 投資額:1億円超
雇用:常雇10人以上 | 投資額の 10% |
自然科学研究所・技術者研修所 | 投資額:3000万円超
雇用:技術者5人以上 | 投資額の 20% |
ソフトウェア業・機械設計業・デザイン業・研究開発型企業 | 投資額:3000万円超
雇用:技術者5人以上 | 投資額の 10% |
情報処理・提供サービス業 | 投資額:3000万円超
雇用:含パート20人以上 | 投資額の 10% |