中央病院新生児集中治療室後方病室整備事業

　早産児、低出生体重児、重症奇形、心疾患、代謝障害などを起こした新生児を収容し治療するための新生児集中治療室（ＮＩＣＵ）の後方病室として、ＮＩＣＵより一旦退出した児、感染症を発症した児並びに比較的病状が安定した児の受入病室（ＰＨＣＵ・６床）を整備し、ＮＩＣＵの強化を図る。

※後方病室：集中治療は必要ないが常時監視が必要であり、一般病棟への転棟が困難な患者を受け入れる病室

※ＰＨＣＵ：小児ハイケアユニットの略。ＮＩＣＵの後方病室として治療を行う。

　【社会的背景】

• 不妊治療による多胎妊娠及び晩婚化による高齢妊娠の増加等により、低出生体重児及び障害を有する患児の出生率が増加。
• 医療技術の向上並びに医療体制の充実により、母子の生命や健康に重大な影響を与える危険性がある妊娠・分娩であっても、救命し得るケースが増加。

• 県東部・中部、兵庫県北西部圏域における小児救急の拠点として、平成１８年３月から２４時間小児科医が常駐し、低出生体重児等重症患児に対応。
• ＮＩＣＵ（１２床）は常時満床に近く、特にＨ１９年５月以降の病床利用率は100％を超える状況。

  ○Ｈ１８年度低出生体重児延収容者数：４，０５０人（11.09人/日）

  【最近のＮＩＣＵ病床利用率】

  H19.4	H19.5	H19.6	H19.7	H19.8
  99.7	105.1	110.0	102.2	100.5

• 比較的症状が安定し、常時生体情報モニターによる観察が必要なものの集中治療までは必要ない児を受入れる病室がない。
  ※ 常時１〜３名程度がＮＩＣＵに入室

  → 重症新生児の受入れ、治療に支障が生じる恐れ

• 重篤な感染症発症時における感染症拡大防止のための隔離病床がない。

  → 隔離病床の確保は、子供の生命を守るために必須
  　【目　的】

• 体重増加が順調な早産児など比較的症状が安定した児をＰＨＣＵで受入れることにより、ＮＩＣＵでの重症新生児の受入体制を確保。
• ＰＨＣＵでは常時看護師１名が勤務し、生体情報モニターなどによる入院時の観察を行う体制を整備。

　再入院患児の市中感染症ウィルスのＮＩＣＵ内への持込みの排除、ＲＳウィルス等感染児の隔離により、他のＮＩＣＵ入院患児への感染を防止し、大切な生命を守る。
• ＮＩＣＵから自宅に退院した児を再びＮＩＣＵに収容することは、市中感染症をＮＩＣＵに持ち込む原因となる。

（１）　事業内容

　本館６階の４床室と２床室をまとめて新生児集中治療室後方病室（ＰＨＣＵ・６床室、）を整備（感染症発症時には２室として使用可能な構造）するとともに、所要の医療機器を整備する。

○設備改良費 → ６床（３床単位で仕切れる構造）

内　　　訳	事業費(千円)	内　　　　　容
工　 事 　費	10,750	・仕切部屋毎に独立した空調 ・酸素、吸引の配管（６床） ・圧縮空気（２箇所） ・手洗い場（２箇所）
設計委託費	634
計	11,384


○機器購入費

内　　　　　　訳	数　　量	金　　　額（千円）
生体情報モニター	2	2,100
電子カルテ用ノートパソコン	2	420
計	-	2,520