〔財政課長査定〕
○基本的に、地域のブロードバンド整備は市町村自らが行うべきである。
○また、当該制度は過去に県の助成を受けずに整備を行った日南町、三朝町、関金町に対する公平性を欠く。
〔復活理由〕
○これまでに、CATVなどによりブロードバンドを整備した13市町村のうち9市町村に対して国の補助制度(新世代地域ケーブル施設整備事業)を活用した際の上乗せなど、県として何らかの財政支援を実施。
○過去、県の支援を受けずに整備した3町は、当時の県の上乗せ補助の対象外の国庫補助制度を活用したもの。
○ブロードバンドを利用したインターネット等による情報通信は、従来の電話やFAXに代わり、現代社会における重要な情報通信手段となっている。
○地上デジタル放送移行により発生する難視聴世帯解消にも有効な手段。
○大多数の県民が利用可能なこれらのサービスが、一部の地域で利用できないことは地域間格差を助長しかねないことから、解消のために民間事業者にかわり町が整備する場合は県としても一定の支援が必要。
1 目的
ブロードバンド(高速情報通信環境)を利用できない地域がある市町村に対し、ブロードバンド整備費用の一部を助成することにより、県内ブロードバンド100%を目指す。
これにより、地域住民の利便性の向上、地域や地域産業の活性化などを図る。
注:ブロードバンド=光ファイバ、ケーブルテレビ、ADSLによる高速通信環境
2 現状・背景
・定住対策や企業誘致のためにも情報通信環境は必要不
可欠なインフラ。
・これらの整備は主に民間事業者により進められ、県内
の大部分の地域で整備済。
・一方、中山間地などの人口が希薄な地域では採算性の
問題により民間事業者による整備が進まない。 |
↓ <ブロードバンド未整備地域 全世帯の1.5%>
(未整備地域を有する市町村:6町)
3 課題
・国においては、「次世代ブロードバンド戦2010」を掲げ、平成22年度までに全国全ての地域でブロードバンドが利用できることを目指し、不採算地域等で市町村が整備を行う場合の経費の一部を助成するなどの施策を実施中。
・未整備地域を有する6町では、必要性は認識しているものの、財政状況が厳しく、国の助成制度のみでは整備が進まない。
→ 行政懇談会等を通じて県による財政支援の要望有り |
↓ 4 効果
国の助成事業との併用により市町村の財政負担を軽減し、市町村によるCATVなどのブロードバンド整備を推進。
・各家庭や企業での高速インターネット利用環境の提供
・CATV整備によるテレビ難視聴対策(地上デジタル放送対応を含む)
・携帯電話不感地区解消の促進
(携帯電話基地局の伝送路としての活用)
↓
定住対策、住民の利便性の向上、企業誘致などによる地域産業の活性化(=雇用の確保)を図る |
5 事業内容
(1)事業の対象
ブロードバンドを利用できない地域がある市町村が国庫交付金(地域情報通信基盤整備推進交付金(総務省)・農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省))を活用してブロードバンド環境を光ファイバにより整備する事業の起債償還等のための基金の造成
(2)交付額
ブロードバンド環境整備に係る事業費の市町村実質負担(国庫補助・交付金、起債償還時の交付税措置額などの財政措置の額を除く市町村の負担額)の1/2の額(交付金対象事業費は10億円を上限とする。)を基金として10年間で分割して支援
<参考>国の情報通信基盤の整備に活用できる交付金
・地域情報通信基盤整備推進交付金(総務省)
交付率:1/3
対 象:市町村又は第三セクター
・農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省)
交付率:1/3
対 象:市町村、都道府県、農業協同組合
6 対象市町村・所要経費等
(1)対象市町村 岩美町
(2)所要経費 233,500千円(負担金、補助及び交付金)
(3)事業期間 整備事業 平成21年度
交付金交付期間 平成21年度〜30年度
(債務負担行為:平成20年度〜30年度)
7 債務負担行為を行う理由
(1)岩美町は平成21年度事業を目指して計画を作成中である。
(2)総務省の交付金の募集は前年度から始まるため、平成21年度事業を行う市町村に対しては、平成20年度予算において県の支援の方針を示す必要がある。
(3)なお、総務省の交付金は、県の支援が優先採択の条件となる。
(4)今後整備を検討する市町村においても、県の支援の方針を示すことにより、整備のインセンティブとなる。