１ 事業内容
水田の有効活用を目的とし、生産調整による主食米からの転作、調整水田及び不作付け水田を活用し、家畜飼料のトウモロコシに代わる飼料原料として飼料米を生産し、家畜への給与までの仕組みづくりを広域流通・地域内流通の２つをモデルとして実証する。
〈飼料米実証モデル地区〉
◆モデルⅠ 配合飼料原料（広域流通）
【飼料米の生産】→【調整・保管】→【配合加工】→【畜産農家】
（大規模耕種農家） →（自家調整保管）→（飼料工場）→（大規模養鶏場） ◆モデルⅡ 自家配合飼料（地域内流通）
【飼料米の生産】→【調整】→【保管】→【畜産農家】
（農事組合法人）→（法人調整）→（農協保管施設）→（中規模養鶏場）
○事業主体：生産者（稲作農家、畜産農家）
事業実施期間；平成21年度
（１）稲作農家の所得確保 （モデルⅠ・Ⅱ）
転作の拡大部分、調整田等の不作付け地への飼料米作付 に対して助成（飼料米の生産拡大）
・交付金 １０a当たり； ５０千円
＊国の「水田等有効活用促進交付金」措置後に拡大部分につ
いては振替予定。
（２）稲作農家が行う運搬・調整・保管に要する経費助成
①広域流通 （モデルⅠ）
・実費 （飼料米１kg当たり；２５円を上限とする）
②地域内流通 （モデルⅡ）
・実費 （飼料米１kg当たり；１５円を上限とする）
（３）畜産農家が行う飼料米給与による有利販売に向けた取組に
対する助成（モデルⅡ）
・１０円／飼料米１kg（定額）
畜産農家購入価格；５０円／kgと輸入ﾄｳﾓﾛｺｼ価格；３０円／kg
との価格差の１／２相当
（４）飼料米の生産、給与に係る記帳手当 （モデルⅠ・Ⅱ）
・１農場当たり；２０千円 （耕種農家６戸、畜産農家２戸）
２ 要求理由
県が耕種・畜産農家と行うプロジェクトであり、平成２１年度から飼料米を作付するためには、事業主体は２０年度中に作付面積の決定、種籾を発注する必要がある。
県はこれに先立ち、事業主体に対して事業規模、事業内容を明らかにしておく必要があることから債務負担行為を設定する必要がある。
◇生産調整
・１２月に県へ生産調整が配分され、その後各協議会で調整
を行い、3月上旬までに農業者別の営農計画を提出。
・１月～2月で作付面積の調整と確保が必要。
◇種籾の確保
・２月～３月に種籾の温湯消毒を行う必要がある。
・１０月下旬より種籾の注文が開始され、年度中に発注。
３ 現状及び課題
［現状］
（１）主食米は、消費の減少により、年々価格が低下しており、耕作放棄地の増加など生産基盤の脆弱化が危惧されている。
（２）燃油価格の高騰、米国でのバイオエタノール需要に伴い、輸入トウモロコシを原料とする家畜飼料価格は高騰し続けている。
（３）飼料米は、長期保存性、栄養価などトウモロコシに代わる飼料として有効。
（４）飼料米の作付は、水田機能の維持・活用する上でも重要で、米と同様の作業体系となり、新たな機械施設を必要としない。
（５）飼料米の生産は、国内で生産される穀物として、各地で取組が始められている。
［課題］
（１）輸入飼料原料との価格差。
・飼料米生産費：９８円／kg
・輸入トウモロコシ価格：３０円／kg
（２）稲作農家の所得確保（食用米との価格差）。
・食用米価格：２４４円／kg
（３）主食米との混合防止（調整保管施設の確保）。
・飼料米は収穫量は多いが、食味が悪い
（４）輸送コスト
・配合飼料工場、畜産農家への輸送
４ モデル地区での検証項目
（１）収量の増加・生産コスト低減技術体系の構築。
・移植作業、管理作業、収穫作業、乾燥・調整、組織化
（２）輸送コストの低減・飼料米流通システムの確立。
・ほ場の集約化、配送ルート、運搬形態
（３）家畜への給与技術の確立。
・飼養管理技術
（４）飼料米給与による生産物の有利販売への取組。
・ブランド化にむけたＰＲ
（５）水田機能の維持・管理の普及。
（６）トウモロコシ原料に代わる飼料としての定着化。
５ 所要経費
◆モデルⅠ配合飼料原料（広域流通）
◆モデルⅡ自家配合飼料（地域内流通） （単位；千円）
区 分 | 稲作農家の所得確保
（水田等有効活用交付金） | 運搬・調整保管経費 | 記帳手当 | 有利販売
活動費 |
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|
| モデル Ⅰ | ５００
（１ha） | １５０
（広域流通） | ４０
（2農場） | ＿ |
|
モデル
Ⅱ | ５，０００
（１０ha） | ９００
（地域内流通） | １２０
（６農場） | ６００
（定額） |
|
| 計 | ５，５００ | １，０５０ | １６０ | ６００ |
合計 ７，３１０千円
債務負担行為要求書
