1 現状、問題点
○境港のコンテナ貨物取扱量が伸び悩み
→ H16年をピークに2年連続で対前年比マイナス。
16年 15,399TEU 17年 15,195TEU
18年 14,891TEU
※ TEUはコンテナを示す単位で、20フィートコンテナ(長さ約6メートル)のコンテナ一本分に換算して貨物量を表すもの。
○他港(瀬戸内側の各港(水島など)や、神戸港、大阪港)に比べて高い海上運賃、低い利便性
・海上運賃は、神戸港や大阪港の2倍余りと言われたこともある。
・毎日就航している神戸港や大阪港に比べ、境港では週2〜3便と便数が少ない。
・その上、海外の目的港へ到着(境港へ到着)するまでに日本国内の他港にも寄港を余儀なくされることから、所要日数が長くなるという点もマイナスとなっている。
○境港利用のPR不足
・小口混載貨物の利用が可能であるにもかかわらず、認知が進んでいないなど、PRが不十分。
・新規利用を企業に促す際の「ツール」(奨励金制度等)がないことも、営業面ではマイナスの要因。
2 課 題
○企業が求める使い勝手の良い航路を実現するためには、
@コスト削減 → 海上運賃を下げること
A利便性向上 → 便数の増、所要日数の短縮
が必要。
●そのために、まずは、貨物の確保が先決。
・新たなベースカーゴの獲得
・新規コンテナ利用者+小口貨物の増加による、荷主のすそ野の拡大。
↓
貨物量が増加することで、海上運賃の値下げ、航路利便性の向上による航路の充実へ。
↓
航路が充実することで、更なる利用企業の増加
↓
日本海側に面した境港のメリットを最大限に活かし、鳥取県への産業集積を促進
◆貨物確保のためには、企業が利用しやすい環境を整備することが必要であり、最低限の優遇制度を導入することとしたい。
3 事業概要
貨物確保のため、以下の優遇制度を創設する。
<新規コンテナ利用の促進>
(1)新規利用企業助成 3,000千円→○
境港を使ったことのない企業が試行的に利用する場合、1企業につき、1TEUあたり20千円(上限300千円)を助成し、新規利用のきっかけづくりを図る。
(@20千円×15TEU=300千円) × 10企業
<小口貨物増による利用者すそ野の拡大>
(2)小口混載貨物(LCL)利用助成 1,000千円→○
1つのコンテナ単位に満たない小口貨物として利用する場合、1企業あたり100千円の助成を行い、小口貨物の利用促進を図る。
@100千円 × 10企業
@1000円/貨物1トン【1企業100千円を上限】
<更なるベースカーゴの充実に向けた取組>
※ベースカーゴとは主となる貨物のこと
(3)大口荷主企業に対する個別対応
現在、貨物量が年3,000TEUを超える大口荷主企業については、一般的な助成制度とは別に、個別の対応策を検討。
○王子製紙 北米向け輸出貨物の取り込みを念頭に、新航路就航の可能性などについて模索。
(例:境港へのメガキャリアの誘致)
※メガキャリアとは超大型コンテナ船航路
○ファミリー 更なる輸出貨物の確保や、生産拡大などに伴う貨物量の拡大を前提に、中国航路の増便など航路充実を目指す。
(4)中堅荷主企業への支援策の検討
年100TEUを超える利用実績がある中堅企業については、更に利用を増やし、500TEU利用を念頭にベースカーゴとして充実させていくことを目標としたい。
【100〜500TEU利用の企業】 韓国航路 5社
中国航路 5社
そのための支援策については、企業からのニーズや航路利用上の問題点などを詳細に把握した上で具体の検討を行っていく。
事業費計 4,000千円→○