1.査定概要
計上。ただし、従来どおりの負担割合(金融機関1/2、県1/4、保証協会1/4)を継続する。
(査定理由)
再生支援資金については、取引先が再生することにより、貸倒引当金などの貸出コスト低減、不良債権処理、自己資本比率向上などのメリットを考えれば金融機関に対しても従来どおりの負担を求めるべきです。
2.要求方針
再生支援資金が創設されたH16は、責任共有制度ではなかったため、保証付き融資に係る金融機関のリスクはゼロであり、県と保証協会だけがリスクを負う形ではモラルハザードに陥る可能性があったことから、金融機関の貸し手責任を明確化するため、金融機関に対しても保証協会に対する損失補償(金融機関の損失補償部分:元本の10〜15%)を依頼して、制度を運営してきた。
H19までの融資実績:6社 445百万円
雇用維持:400人(臨時等を含めれば約800人)
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しかしながら、H19.10に、責任共有制度が導入され、保証付き融資に係る金融機関のリスクが元本の20%と一律に規定されたことにより、金融機関の貸し手責任は明確化されたと思料。
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責任共有制度の影響で通常の融資でさえ、貸し渋りが懸念されている状況でありながら、再生に資する本資金において、金融機関に通常の20%以上のリスクを求めることは、明らかに困難。金融機関や再生支援協議会からも、「責任共有による20%を超えるリスクの負担には応じられない。」「制度の趣旨は理解するが、この方式ではリスクが高すぎて金融機関として取り組み出来ない」「おそらく実績はゼロになると思う」等の厳しい声あり。
県として最も懸念されるのは、金融機関がリスクを嫌って再生融資を縮小する(又はしなくなる)ことで、「再生案件の頓挫→倒産→従業員の解雇・地域への甚大な影響」という最悪なシナリオである。またメインバンクも、再生計画策定の段階で、既に返済条件緩和や債権放棄をするなど一定の責任を果たしており、金融機関にさらなる負担を求めることなく、企業再生に向けた金融の円滑化を中心にして考えるべき事項である。
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以上、責任共有制度が導入されたことで、金融機関の貸し手責任は明確化されたことから、責任共有制度を超える金融機関の負担を求めない枠組みとする。
3.他県の状況
責任共有制度導入以前に、一部の制度融資で金融機関にも保証協会に対する損失補償を依頼していた都道府県は、全国で11。
その内、10の都道府県が、責任共有制度の導入に伴って、保証協会の損失補償の枠組みから金融機関部分を解除した。
そのため、金融機関に対して損失補償を求めている都道府県は、現在では鳥取県のみとなっている。
4.要求内容