1 事業内容及び事業効果
湖山池浄化の取り組みの一環として、地域住民が主体となって水際植生の植え込みや刈り取りに取り組むことにより、水質改善を推進し、「湖山池への愛着心の高揚」や「湖山池の環境問題への意識の醸成」を期待できる。
<事業内容>
@実施場所 湖山池東岸なぎさ付近(鳥取市桂見)
A事業主体 鳥取県と地域住民が協働して実施
○覆砂の敷き均し⇒鳥取県
「残土」の有効利用の観点から、河口浚渫により発生した砂を運搬し、水際に敷きならす。
○植物の植え込み⇒地域住民
水質浄化に効果があるとされている水際の植物で、湖山池に適応し生息するヨシやマコモ等を植え込むことで、植生区域の拡大を図る。
○繁茂した植物の刈り込み⇒地域住民
水中の窒素やリンを吸着した植物を刈り取り処分することにより、汚濁負荷を池外に除去。
鳥取市の一斉清掃日に併せて実施
→年3回実施予定(5月、7月、10月)
(鳥取県土木施設愛護ボランティア団体活動奨励金を活用)
○池環境の変化の観察⇒地域の小学生
植生したことによる水辺環境の変化や、水辺に生息する水生生物の調査。
観察活動
→ 湖山池を望む山王団地の校区である世紀小学校を予定
水質調査活動
→ 児童が資料採取。試験は県が支援
活動報告(情報発信)
→ 冊子は児童が作成。印刷製本は県が支援
2 所要経費
4,200千円
河口砂 掘削・運搬・投入(1,000 m3)C=4,088千円 印刷製本費 C= 112千円
水質試験費(衛生環境研究所が実施) C= 0千円
3 事業の目的及び背景
<背景>
湖山池は、生活排水の流入や汚泥堆積による水質の悪化により、かつての清らかなイメージとはかけ離れた姿となり、池に生息する魚類の減少が叫ばれている。
そのため、鳥取県では湖底に堆積する汚泥の浚渫による水質の改善に取り組んできている。水質はここ数年、少しずつ改善し、10数年前に比べて半減したものの、国の基準にはほど遠く、今後はもっと別の生物等による自然浄化の方向で取り組もうとしている。
一方、湖山池東岸の桂見地区では、鳥取市が整備した公園と鳥取県が進めるなぎさ護岸整備により、周辺住民にとって今まで以上に湖山池が身近なものとなり、浄化への関心も高まってきており、「湖山池を守る会」「湖山池環境美化推進協議会」「山王団地自治会」等の地元団体による湖山池周辺の清掃活動の取り組みが行われている。
<事業の目的>
そこで、地元と協働して植生浄化に取り組むことにより、湖山池浄化をモデル的に推進し、今後の浄化効果の検証にも役立てることが期待できる。
あわせて、地域の住民や団体が主体となって実施することにより、湖山池の環境問題への意識の醸成を図る。
また、地域の子供たちにより、植生したことによる水辺環境の変化や、水辺に生息する水生生物の調査を行うことにより、地域の子どもたちの湖山池への愛着心の醸成が期待できる。
4 その他参考
<参考資料>
@ 事業概要
A 植物による水質浄化作用
B 底生動物による水質浄化作用