1.概 要
建設業法の規定に基づき設置された鳥取県建設工事紛争審査会において、一方の当事者を県とする仲裁手続を行うに当たり、当該仲裁に係る被申請人(県)の事務を代理人(弁護士)に委託する。
2.経 緯
○建設業法の規定に基づき、建設工事の請負契約に関する、裁判手続によらない簡易な紛争処理手段として、建設工事紛争審査会によるあっせん、調停及び仲裁の手続が定められている。
(建設業法第3章の2関係)
○当該手続に基づき、県が発注した建設工事の請負事業者から県を相手に調停の申立てが建設工事紛争審査会になされ、相手方と話し合いを続けてきたが、当事者同士歩み寄る余地がないため、当該調停手続は打切となった。
○調停手続打切後、あらためて、同事業者から、県を相手に仲裁の申立てが同審査会になされたもの。
※同事業者と県が約締した請負契約では、当事者間で生じた紛争を前記あっせん・調停により解決する見込みがないときは、同契約書の規定に基づき、建設工事紛争審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する旨規定されている。
3.補正要求額
仲裁に係る代理人委託費用:3,228千円(見込み)
<費用内訳>
着手料(金) | 1,076千円 |
報酬金(成功報酬) | 2,152千円(着手料の2倍) |
合 計 | 3,228千円 |
※ 経費の積算は、鳥取県弁護士会報酬基準(H8年4月1日付鳥取県弁護
士会策定)による。
4.代理人(弁護士)委託の必要性
○簡易な紛争処理手段と言えど、仲裁手続は、口頭審理(口頭弁論)、証人尋問等裁判に準じた手続がとられることから、当該手続に明るい者として、民間同士の仲裁案件でも、弁護士を代理人に選任する場合が多い。
※今回、相手方も弁護士を代理人に選任している。
○仲裁手続は一審制であり、審査会が出す判決(仲裁判断という。)の効力は裁判所の確定判決と同一である(仲裁法45条1項本文)ため、当該仲裁判断に不服があっても、仲裁当事者はこれを受け入れなければならない。
よって、仲裁審理の中で県の考えを余すところなく主張し、県に有利な仲裁判断を引き出すためにも、弁護士が有する高度な法律知識・能力を活用する必要がある。