1 課長査定結果「0」
共通査定方針のとおり
<共通査定方針>
指名指定施設の基金造成補助金額は、以下の算式により算出することを原則とする。
H19余剰額(H19予算額−H19実績)・・・・・・(A)
−)H19余剰額のうち経営努力によらない額・・・・・(B)
(複数年契約による請負差額)
−)H18自主返還相当額・・・・・・・・・・・・・・(C)
+)H19実績額のうち特別に配慮する必要がある額・・(D)
=)基金造成補助金額(負数は考慮しない。)
※(B)=複数年契約を行った保守点検等委託業務のH18協定額とH19決算額の差額の合計
※(C)=H19に全額交付したH18余剰額のうち、経営努力によらない額として指定管理者が自主的に返還する額 |
2 問題点
査定方針は、H19余剰額のうち経営努力によらない額を複数年契約による請負差額と判断しているが、複数年契約による請負差額には以下の点について大きな違いがあることを考慮していない。
(1)仕様はそのままで、契約期間のみを単年度から3か年に変更したもの。
(2)職員でできるものは職員で行うこととするなど仕様を見直した上で、契約期間を単年度から3か年に変更したもの。
■ この制度は、年度末に生じた余剰金を基金に積み立て、次年度以降の公益目的の事業や施設管理に要する経費に活用できるとして、指定管理者の自発的な努力を期待し、経営努力のインセンティブの確保をねらったもの。
■ 指定管理者が努力しても、生じた余剰額を県に返還するだけとなれば、指定管理者のインセンティブが働かなくなり、委託料の使い切りを助長する恐れがある。
区 分 | H18年度
余剰額 | H19年度
余剰額 | うち 複数年契約に係る
委託料余剰額 | 備 考 |
とりぎん文化会館 | 40,397 | 10,045 | 21,446 | 大規模施設になるほど、委託料余剰額が余剰額全体に占める割合が高くなっている。 |
倉吉未来中心 | 23,790 | 15,979 | 13,071 |
童謡館 | 15,948 | 13,438 | 761 |
米子コンベンションビューロ | 28,432 | 27,479 | 14,199 |
3 文化観光局の意見
前記2の(1)の場合、単に契約期間を変更したのみであり、経営努力によるものと判断しがたいが、上記(2)の場合については、従来、業者委託の一部を指定管理者が行うなど自助努力によると判断できるものもあり、これを経営努力によらないと判断することは、指定管理者に不信感を与えることになる。
一方で、経営努力による額の算定についても、金額換算することは困難である。
よって、複数年契約で生じた余剰額のうち、契約期間延長以外にも仕様の見直しを行い、経営努力が認められる業務について、2分の1を経営努力相当額とすることが、経営努力のインセンティブを確保するためにも望ましいと考える。
4 事業内容
補助金名:鳥取県立倉吉未来中心基金造成事業補助金
交 付 先:財団法人鳥取県文化振興財団
(倉吉未来中心の指名指定管理者)
補助金額:639千円
(単位:千円)
区 分 | 復活要求 | 財政課査定 | 摘 要 |
平成19年度委託料支払額
(※県と財団が締結した委託契約の全額) | 109,852 | 109,852 | A |
平成19年度委託料実績額 | 93,873 | 93,873 | B |
平成19年度委託料余剰額 | 15,979 | 15,979 | C=A-B |
| うち
経営努力によらない額 | 8,529 | 13,071 | D |
平成18年度余剰額からの自主返還相当額 | 6,811 | 6,811 | E |
差引(補助金額) | 0
639 | 0
(−3,903) | F=C-D-E |
基金による実施事業:
指定管理者が寄附行為等に定める公益事業
指定管理者が受託する施設の管理運営費