1 事業の概要
次代の鳥取県を担う人材を育成するため、生徒に進路選択のための大学等の訪問を行わせ、学習に向かうモチベーションを高めるととともに、予備校等のノウハウを吸収して教員の進学指導のスキルアップを図り、進学に必要な学力の向上を図る。
<課題>
- 県内における児童生徒の学力の二極分化を解消する対策
- 都市部の私学と地方の公立との格差を生まない対策
・・・円滑な企業誘致になどにも寄与(知事指示)
2 財政課長査定状況と復活理由
【査定コメント】
学力向上委員会における意見と高等学校における学力向上のための戦略を示すこと。
○進路選択のための大学・企業等での生徒研修事業
- オープンキャンパスや、研修室訪問などについては、県としては大学との連絡調整や情報提供のみとして、生徒引率やバスの運行まではしなくてもよいのではないか。
○進学指導スキルアップ教員研修事業
- 既定予算の範囲内で研修派遣すればよいのではないか。
【復活理由】
県内状況を勘案すると、教員・生徒のモチベーションを高め、教員の資質向上を図らなければ、学力の抜本的向上は図れないと考えているところ。<学力向上委員会で福井県を視察(知事指示)>
・・・東京大学・京都大学入学者数の比較・・・
区 分 |
H18年4月入学生 |
H19年4月入学生 |
鳥取(人口約60万人) |
21人 |
11人 |
島根(人口約74万人) |
23人 |
21人 |
福井(人口約82万人) |
44人 |
57人 |
※福井県は、生徒も教員も非常にモチベーションが高い。→ モチベーションを高める「しかけ」がこの事業
○進路選択のための大学・企業等での生徒研修事業
- 教員引率により大学の研究内容等を十分に説明する機会を設けることが必要(単に生徒が自由に大学に行ってみるというだけでは効果が不足)
- 具体的な目標が定まっていない生徒や、大学を十分に理解していない生徒は、教員引率やバスの運行等の措置をしなければ、わざわざ大学に行ってみようとは思わない。
- 県内大学研修は、県内大学の振興及び人材の県外流出を防ぐねらいもあるが、経費の生徒負担が伴うこととなれば、研修参加生徒は一部に限られてしまう。
- この事業のオープンキャンパスは、一般的な大学主催のものとは異なる。その高校のためだけに開催するものであり、教授から当該高校に即した助言をいただけたり、当該高校を卒業した先輩の話を聞けるなどのメリットがある。
○進学指導スキルアップ教員研修事業
- 裁量予算を含んだ高等学校課事業全体でスクラップ・アンド・ビルドを行い、事業費を捻出しているところ
- 各学校を施策誘導するのが当該事業である。既定の予算の範囲内での執行となれば、一部の教員の資質向上しかできない。
2 進路選択のための大学・企業等での生徒研修事業
【査定】1,475千円 その他は裁量予算対応予算額4,974千円(前年度1,475千円)
生徒の進路選択に資するため、大学(環境大学・鳥取大学・鳥取短期大学を含む)や企業等に出向いての生徒研修を実施して、学習に対する生徒の動機付けを行う。
3 進学指導スキルアップ教員研修事業
- 学力向上に向けた授業改善・教員の指導力向上を図るため、予備校や先進校で行われている授業や進路指導等を実地見学・体験させる。
【査定】2,129千円 その他は裁量予算対応予算額7,480千円(前年度2,129千円)
区 分 |
H20実施校 |
H19実施校 |
予備校
等 |
鳥取東 青谷 岩美 八頭
倉吉東 倉吉西 倉吉総合産業 中央育英
米子東 米子西 境11校81名 |
鳥取東 岩美
倉吉東
米子東 米子西 境 6校25名 |
大学
先進校 |
鳥取西 鳥取商業 鳥取湖陵 八頭
倉吉東 倉吉西 倉吉農業 中央育英
米子東 境10校57名 |
鳥工 八頭
倉吉東 中央育英
境5校23名 |
- 進学指導に実績のある予備校等の講師を招聘して県内で研修会を開催し、全ての県立高等学校で教員の更なる指導力向上を図る。
【査定】0千円 裁量予算対応
予算額1,800千円(前年度 0千円)
センター試験(国・数・英)をターゲットに実施 120名(前年度 0名) |
4 基礎学力定着のための学生教育ボランティアの活用(教育総務課予算)
教育総務課「学生教育ボランティア推進事業」を活用し、学習支援に学生ボランティアを活用していく仕組を各高校で構築するとともに、学生教育ボランティアに協力いただける学生の発掘を大学に要請する。
5 エキスパート教員(スーパーティーチャー)の認定と活用(小中学校課予算)
高い指導力を有する教員を教科等のエキスパート教員に認定し、教員の指導力向上を図るシステムづくりを行う。
6 今後の計画
当該事業としては3年間実施(新1年生が卒業に至るまで)し、それ以降は裁量予算化する。