現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成24年度予算 の 農林水産部の人と農にやさしい低コスト型ラッキョウ生産技術の確立
平成24年度予算
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

人と農にやさしい低コスト型ラッキョウ生産技術の確立

もどる  もどる
(この事業に対するご質問・ご意見はこちらにお寄せください)

農林水産部 農林総合研究所園芸試験場 砂丘地農業研究センター  

電話番号:0858-36-2039  E-mail:engeishiken@pref.tottori.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
24年度当初予算要求額 3,000千円 8,851千円 11,851千円 1.1人 0.6人 0.0人
23年度6月補正後予算額 3,000千円 8,787千円 11,787千円 1.1人 0.6人 0.0人

事業費

要求額:3,000千円  (前年度予算額 3,000千円)  財源:単県 

事業内容

概略説明

・ 県内の栽培面積は225haで、全国でも有数の産地。近年、県内全域の砂丘畑に栽培が拡 大している。県産ラッキョウは「砂丘らっきょう」として、全国で親しまれている。

    ・ 平成19年12月に鳥取県では有機・特別栽培農産物推進計画が策定され、試験場に対して有機栽培技術の確立が求められている。
    ・ 世界的な原油高、肥料需要の増加等により原材料費が高騰しているが、販売単価は下落傾向にある。生産者からは低コスト・安定生産技術の開発が求められている。
    ・ さらに、福部らっきょう生産組合は、~「安定生産」「安定販売」「安心経営」へ向けて~「福部砂丘らっきょう9億円継続プラン」を平成2010月に策定し、試験場に対して安定生産技術の確立が求められている。
    今年度は、有機質肥料の施用時期と有機栽培における病害虫の発生状況について調査を行う。

1 事業の必要性

(1)生産者、流通業者の声
  「もともと健康食品のらっきょうを有機・特栽で生産できないか。」「不作と豊作を繰り返しており、収量の予測ができない。」「生産資材が高くなってきて大変。」等の意見が挙げられている。
(2)健康食品としてラッキョウが注目を集めるにつれて、消費者、団体、加工、流通業者および生産者から安心・安全な有機栽培への要望が高まっている。
(3)急激な原材料費の高騰、また販売単価安によって生産者が再生産できなくなりつつあり、栽培の低コスト化、安定生産技術の確立が急務となっている。
(4)事業の対象者:県内生産者504戸およびラッキョウを購入する消費者。

2 事業内容

(1)有機栽培技術の確立
(ア)有機栽培での肥培管理病害虫防除法を組み立てる。
(イ)砂畑での堆肥等を用いた土作り法を開発する。
(ウ)乾腐病(腐れ)に強い等、有機栽培に適した品種を選抜する。
(2)生産コスト低減栽培技術の確立
(ア)慣行肥料体系を見直し、効率的な肥料体系を組み立てる。
(イ)乾腐病に強い品種を選抜し、病害防除費用回数を削減する。
(ウ)単位面積当り収量を増加させ、収量の安定化を図る。
(エ)省力型の施肥方法、定植方法を検討し労働時間を削減する。

3 事業効果

(1)有機栽培技術の確立
消費者:安心・安全なラッキョウの購入が可能。
生産者:新規に容易に栽培に取り組め、高付加価値を持ったラッキョウの販売が可能
有機栽培ラッキョウ面積:0→1ha、販売金額:10,000千円
(2)生産コスト低減栽培技術の確立
消費者:販売単価上昇を避けることができ、値ごろ感のある価格で購入できる。
生産者:低コスト化、安定生産によって所得率の向上が期待できる。
受益面積:225haで活用可能
コスト低減効果:約45千円(10a当り)×225ha=101,250千円削減

4 これまでの成果

試験内容成果の概要
(1)病気に強い品種の育成について・園試で育成した乾腐病に強い系統の2次選抜を行った。
(2)収量増加技術についてA)多収3t取りには大球で母球芽が多い等の良質種球が有効であった。
B)密植、春先の潅水による収量増加効果が明らかになった。
(3)省力施肥技術について・緩効性肥料を用いた植え溝施用による省力施肥法を開発した。
(4)砂畑における養分流亡の実態と低減方法についてA)施肥による窒素の流亡は、生育初期に多かった。
B)肥効調節型肥料と稲わら等有機物の併用で養分の流亡が軽減した。
(5)有機栽培について有機質肥料(鶏糞)を反当約900kg施用することで、収量が慣行栽培の7割程度(1,930g/㎡)となることがわかった。

5 H24の試験内容

(1)有機栽培技術の確立
(ア)有機肥料使用による収量向上試験
(イ)無農薬圃場での病虫害発生状況の把握と耕種的防除法の検討
(ウ)有機物(堆肥、稲わら)の連続投入による増収効果の実証
(エ)現地有優良系統の収集と特性の把握
(2)生産コスト低減栽培技術の確立
(ア)基肥減肥効果の年次別変動の確認
(イ)植付け機における育苗方法の検討
(ウ)種球の施肥方法の検討 

6 H24年度要求額内訳(千円)

内訳要求額
現地試験栽培管理委託費
ラッキョウ栽培用資材・分析用試薬購入費
学会・研修会への出席旅費等
353
2,507
    140
合計
3,000

7 年度別試験内容と事業費

年度事業費試験内容
213,0001.有機栽培技術の確立
・有機栽培の可能性について検討。
・土つくりによる地力増進効果の検討。
・乾腐病耐病性系統の選抜と栽培法の検討。
2.生産コスト低減栽培技術の確立
・施肥削減、労力低減によるコスト低減の検討。
・栽培環境条件の検討。
・種球育成技術の検討。
223,0001.有機栽培技術の確立
・有機栽培の可能性について検討。
・土つくりによる地力増進効果の検討。
・優良系統の選抜と栽培法の検討。
2.生産コスト低減栽培技術の確立
・施肥削減、労力低減によるコスト低減の検討。
・種球育成技術の検討。
233,0001.有機栽培技術の確立
・有機栽培に適する肥料及び施用量を検討する。
・現地事例を検証する。
 ・無防除区における病害虫の発生消長の解明。
・土つくりによる地力増進効果の検討。
2.生産コスト低減栽培技術の確立
 ・基肥窒素肥料の削減量について検討する。
 ・優良な種球を育成する方法を検討する。
・機械定植におけるセル苗の有効性を調査する。
・収量増加に向けた優良系統の選抜と栽培特性の調査
243,0001.有機栽培技術の確立
 ・有機栽培に向けた有機質肥料の栽培実証
 ・土つくりによる地力増進効果の検討。
 ・無防除区における病害虫の発生消長の解明。
2.生産コスト低減栽培技術の確立
 ・施肥軽減、労力低減によるコスト低減の検討
 ・収量増加に向けた優良系統の選抜と栽培特性の調査
253,0001.有機栽培技術の確立
 ・有機栽培に向けた有機質肥料の栽培実証
 ・土つくりによる地力増進効果の検討。
 ・有機栽培マニュアルの作成
2.生産コスト低減栽培技術の確立
 ・施肥軽減、労力低減によるコスト低減の検討
 ・収量増加に向けた優良系統の栽培法の確立
 ・収量安定マニュアルの作成
合計15,000

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<目標>
1)ラッキョウの有栽培技術の確立
2)ラッキョウの生産コスト低減栽培技術の確立

<取り組み内容>
(1)有機栽培技術の確立
(ア)有機栽培に向けた有機質肥料施肥技術の確立。
(イ)砂畑での堆肥等を用いた土作り法を確立。
(ウ)無防除区における病害虫の発生消長の解明。
(2)生産コスト低減栽培技術の確立
(ア)肥料体系を見直し、効率的な肥料体系を組み立てる。
(イ)現地優良系統から収量の年較差の少ない系統を選抜する。
(ウ)高収量を上げる種球の育成方法を確立する。
(エ)省力化に向けた機械定植方法等を検討する。

<現時点での達成度>
1)有機栽培に関しては、有機質肥料だけで慣行区の7割の収量が確保できた。
2)生産コスト低減に関することでは、PK化成の軽減や基肥減肥の可能性を明らかにした。またラッキョウの増収要因(春先のかん水、母球芽多くする、優良系統種球栽培等)を明らかにした。
3)有機物を投入すると、養分の流亡が軽減できた。
 
達成度 45%程度

これまでの取組に対する評価

<平成20年度農林水産部内部評価>
評点 20.8
(評点15点以上で実施できる。)
○主な意見
有機栽培は農林水産部の重要課題であり、農家の要望も強く
有機無農薬栽培に取り組むことは産地振興上重要である。

<平成23年度外部評価員会議結果(h23.9.15実施)>
中間評価 評点 12.25点
(評点 12点以上で試験継続)

<改善点>
1)現地や全国の優良事例を参考として、実証や検証をしながら、
試験に取り組んでいく。
2)有機栽培に適した病害虫防除を検討する。

工程表との関連

関連する政策内容

安全安心高品質な農産物の生産技術の確立

関連する政策目標

ラッキョウの有機栽培技術の確立

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 3,000 0 0 0 0 0 0 0 3,000
要求額 3,000 0 0 0 0 0 0 0 3,000