現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和元年度予算 の 農林水産部の水稲・麦・大豆の高品質・安定生産を目指した病害虫防除技術の確立
平成31年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:農業試験場費
事業名:

水稲・麦・大豆の高品質・安定生産を目指した病害虫防除技術の確立

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農林水産部 農業試験場 環境研究室 

電話番号:0857-53-0721  E-mail:nogyoshiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
31年度当初予算額 1,113千円 11,113千円 12,226千円 1.4人 0.7人 0.0人
31年度当初予算要求額 1,113千円 11,113千円 12,226千円 1.4人 0.7人 0.0人
30年度当初予算額 1,156千円 11,123千円 12,279千円 1.4人 0.3人 0.0人

事業費

要求額:1,113千円  (前年度予算額 1,156千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,113千円

事業内容

1 概略説明

鳥取県の水稲・麦・大豆栽培において被害につながる病害虫を対象に、本県に最も適した効率的防除法および省力防除法を確立し、(1)安定生産および高品質化、(2)防除の省力・低コスト化、(3)人と環境にやさしい農業の推進を図る。

2 事業内容

1)水稲の細菌性種子伝染性病害(イネもみ枯細菌病)の防除対策の確立(H27〜32)

    (1)各種防除資材の効果検討(種子消毒剤、微生物農薬等)


    2)イネいもち病薬剤耐性菌発生下における防除技術の確立
    (H30〜32)

    (1)薬剤耐性菌発生状況の把握

    (2)新規剤の防除効果と実用性確認


    3)ムギ類・ダイズにおける病害虫防除技術の確立
    (H27〜31)

    (1)ダイズ害虫マメシンクイガ

    ※発生生態の解明

    ※効率的防除法の検討(防除要否判断法の確立)


    4)生産安定のための省力防除技術の確立(H28〜32)

    (1)イナゴ類

    ※新規育苗箱施用剤の防除効果および残効性の確認

    (2)イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカ)

    ※多発地帯における発生実態の把握

    ※新規育苗箱施用剤のウンカに対する防除効果および縞葉枯病発病抑制効果の確認

    (3)水稲湛水直播栽培での省力病害虫防除法の検討

    ※殺虫殺菌剤の種子塗沫の防除効果の検討

3 事業の背景・目的

1)鳥取県では、気候変動(温暖化)、栽培体系・品種の変化、耐性菌・抵抗性害虫の発生などにより、水稲・麦・大豆の病害虫被害が常に問題

(1)水稲種子ほ場における細菌性の種子伝染性病害(もみ枯細菌病)の被害大
※夏期の高温化により、発生増加。優良種子生産の大きな妨げ(種子不合格原因)。よく効く薬剤なし。

(2)中生品種(きぬむすめ、飼料米用の日本晴)に適した病害虫防除体系が未確立
※中生品種の作付け面積急増中。

※本品種は栽培期間長いため、病害虫の被害リスクが高く、早急な検討必要。

※安定・高品質生産の大きな妨げ。

(3)イネいもち病(水稲の最重要病害)の主力薬剤の耐性菌が発生
※8割の水田で使用中の主力薬剤の耐性菌が発生。H27より当該薬剤の使用中止。H30より一部地域で使用再開したため、耐性菌発生状況のモニタリング必要。

2)これまで問題となっていなかったイネ・ダイズの病害虫が発生 
イネ:イナゴ類、縞葉枯病

ダイズ:マメシンクイガダイズ紫斑病

※いずれも、安定・高品質生産の大きな妨げ。

3)省力防除法への要望が大きい

※特に水稲湛水直播栽培。

4 事業の効果

1)適切な病害虫対策、優良種子の供給による鳥取県産農産物の安定生産化、高品質化
※生産者の経営安定、収入増加
2)農薬の効率的利用、防除の省力・低コスト化による生産費・労力の低減
※生産費・労働時間の低減
3)人と環境にやさしい農業の促進

5 事業期間

平成27年〜(終期設定なし)
 ※平成30年、外部評価会で中間評価を受けた。

6 「鳥取県農業生産1千億円達成プラン」における位置づけ

1)温暖化に対応した品種構成の見直し、品質向上

2)気候変動に対応した栽培技術の確立

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

○これまでの取組状況
【概要】
水稲・麦・大豆の高品質・安定生産のためには、適切な病害虫防除対策が不可欠。本課題では、その時々で被害が問題となっている病害虫を対象とし、本県に最も適した効率的防除法および省力防除法の確立を目標として試験研究を行っている。
 
【主な取り組み状況】
本年は試験課題見直しの初年目。
過去3年の取り組みおよびH30〜32の研究内容について外部評価会で中間評価を受け高い評価を得た。

1 水稲の種子伝染性病害(イネもみ枯細菌病)の防除対策の確立
※※研究期間:H27〜32
1)各種防除資材の効果の検討
(1)種子消毒試験に使用する病原菌接種種子作製・病原性確認。
(2)新規育苗箱施用剤の効果確認。
→実用性ないことを確認し、現場へ情報提供(H27試験終了)。
(3)各種防除資材(種子消毒剤、蒸気消毒)の効果確認。
→効果の程度を把握(データ蓄積中)。
2)耐性菌の発生状況(採種ほ場)
既存薬剤の耐性菌の発生を確認。検定結果を情報提供し、現地では当該薬剤使中止となった(H29試験終了)。

2 水稲中生品種における病害虫防除体系の確立
※※研究期間:H27〜30
1)きぬむすめ
(1)病害虫発生実態の調査
現地および定点ほ場において発生実態を把握(H29試験終了)。 
(2)各種薬剤の防除効果と実用性
いもち病、紋枯病、ウンカ類、チョウ目害虫について、育苗箱施用剤(新規剤、既存剤)の実用的防除効果を確認(H30試験終了予定)。
2)飼料用米の日本晴(H29試験終了)。
(1)病害虫発生実態の把握
多肥条件において、害虫の発生実態と特徴を把握。
(2)既存防除体系の効果の再検討
紋枯病、ウンカ類について、育苗箱施用剤の防除効果を把握。

3 イネいもち病 薬剤耐性菌発生下における防除技術の確立
※※研究期間:H27〜32
1)薬剤耐性菌の発生状況
薬剤選定に必要な耐性菌の発生状況のデータを生産現場へ情報提供(H29年秋)。検定結果を受け、H30より一部地域で使用再開決定したため、引き続き耐性菌検定を実施(データ蓄積中)。
2)耐性菌発生下でのいもち病防除体系の検討
(1)苗いもち
ケイ酸資材の一定条件下における実用的防除効果を確認(H29試験終了)。
(2)葉いもち対策
新規育苗箱施用剤の実用的防除効果を確認(データ蓄積中)。

4 ムギ類・ダイズにおける病害虫防除技術の確立
※※研究期間:H27〜31
1)マメシンクイガ
(1)発生生態の解明
フェロモントラップによって、発生消長と発生盛期を確認(データ蓄積中)。
(2)効率的防除対策の検討
薬剤の実用的防除効果および散布適期を確認(H29成果情報)。
トラップ誘殺数から防除要否判断法を検討(データ蓄積中)。
2)ダイズ紫斑病
極少発生のため新規剤の効果判定が出来なかった。
3)ムギ網斑病
新規種子消毒剤の防除効果と薬害を検討(H29成果情報)。

5 発生が懸念される病害虫の防除技術の確立
※※研究期間:H28〜32
1)イネドロオイムシ
既存剤の防除効果の再確認、新規剤の実用的防除効果を確認
(H28成果情報)
2)イナゴ類
新規育苗箱施用剤の防除効果と残効性を確認(データ蓄積中)
3)イネ縞葉枯病
病原菌の媒介虫ヒメトビウンカに対する既存剤および新規剤の防除効果を検討(データ蓄積中、一部をH30成果情報化予定)。
4)水稲湛水直播栽培での省力病害虫防除法の検討
(1)殺虫殺菌剤の種子塗沫の防除効果と残効性を確認(データ蓄積中)
(2)育苗箱施用剤の土中施用の防除効果と残効性を確認(H30成果情報化予定)

これまでの取組に対する評価

○これまでの取組に対する評価
【自己分析】
1 試験課題開始時の項目については、発生状況や現場要望の変化等により一部未実施の課題もあるが、概ね当初計画どおりに遂行した。

2 一定の結果が出た課題から、早急に現場へ情報提供した。

3 引き続き試験課題の早期解決を目指し、計画にしたがって試験研究を行う。

【改善点等】
平成31年度についても、発生状況や現場要望の変化等に的確に対応するため、年度途中であっても業務の見直しを図り、早期の防除技術確立に向けた試験研究を行う。

工程表との関連

関連する政策内容

消費者の求める安全・安心、高品質な農林産物の生産技術の開発

関連する政策目標

高品質・安定生産のための病害虫防除技術の開発


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,156 0 0 0 0 0 0 0 1,156
要求額 1,113 0 0 0 0 0 0 0 1,113

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,113 0 0 0 0 0 0 0 1,113
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0