現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和元年度予算 の 農林水産部の林木品種改良に関する研究
平成31年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:林業費 目:林業試験場費
事業名:

林木品種改良に関する研究

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農林水産部 林業試験場 森林管理研究室 

電話番号:0858-85-6221  E-mail:ringyoshiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
31年度当初予算額 433千円 4,763千円 5,196千円 0.6人 0.8人 0.0人
31年度当初予算要求額 433千円 4,763千円 5,196千円 0.6人 0.8人 0.0人
30年度当初予算額 494千円 4,769千円 5,263千円 0.6人 0.8人 0.0人

事業費

要求額:433千円  (前年度予算額 494千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:433千円

事業内容

1.事業の概要

(1)ハイブリッド無花粉スギの創出

    花粉症対策の切り札とするため、県内で選抜された成長性、耐虫性、耐雪性及び材質強度に優れた品種に無花粉形質を取り込んだ付加価値の高い造林用スギ品種を創出する。

    (2)林木品種改良事業
    精英樹選抜事業等によって選抜した主要造林樹種(スギ、ヒノキ)の遺伝的能力を検定するための次代検定林を調査する。

2.事業の背景

(1)ハイブリッド無花粉スギの創出
  • スギ花粉症が大きな社会問題となっており、花粉量の軽減が何より求められている。鳥取県では、スギ花粉発生源対策推進プラン(H20〜30)が策定され、人工林の更新時に花粉症対策品種などを植栽し、花粉の少ない森林に転換するとされている。ただし、これから普及される少花粉スギは年によって花粉を着ける場合があり、将来的には花粉を全く着けない無花粉スギに切り替える準備をしておく必要がある。

(2)林木品種改良事業
  • 林業種苗法に基づき、主要造林樹種の品種改良を行う。
  • 選抜品種の遺伝的特性を明らかにすることで、森林林業の生産性向上と質的充実を図る必要がある。

3.研究内容

(1)ハイブリッド無花粉スギの創出
(ア)県内産無花粉遺伝子保有スギの探索
  • 県内優良スギ品種と無花粉遺伝子を保有するスギを人工交配し、そのF1苗木に出現する無花粉スギの出現頻度を調べ、県内品種が無花粉遺伝子を保有するかどうか明らかにする。

(イ)ハイブリッド無花粉スギの創出
  • (ア)で作出したF1苗木同士の人工交配を行い、無花粉遺伝子かつ優良形質を保有するスギ品種を作出する。

(ウ)無花粉遺伝子マーカーの開発と実証
  • 森林総合研究所林木育種センター関西育種場と共同で無花粉遺伝子型を簡便に判定できるSCARマーカーを開発し、その実用性を明らかにする。


(2)林木品種改良事業
  • 選抜品種の遺伝的特性を確かめるために、昭和45〜57年に設定した次代検定林(スギ17ヶ所、20.0ha)について、10年ごとに成長や各種特性を調査し、選抜した精英樹の検定を行う。具体的には、樹高(木の高さ)、胸高直径(1.2mの高さの直径)や枝下高(地面から枝までの高さ)等を測り、成長量の善し悪しや幹の形の調査を行い、それぞれの育種母樹の特徴を確定する。
  • 平成31年度は、次代検定林2カ所に植栽されている対象木の成長調査等を行う。

4.事業計画

(1)ハイブリッド無花粉スギの創出
区分
事業の内容
事業費(千円)
全体
4,970
24年度交配母樹および珠洲2号の着花促進処理
SCARマーカーの配列検索
800
25年度交配と種子採取
SCARマーカーの配列決定と合成
835
26年度播種・育苗
SCARマーカーの検証
618
27年度無花粉検定、探索結果のとりまとめ
SCARマーカーの実用性判定
427
28年度着花促進、F1同士の交配・F2種子の播種
422
29年度着花促進、F2苗木の育苗
436
30年度着花促進、F2苗木の育苗、無花粉スギの確認
397
31年度(要求額)着花促進、F2苗木の育苗、無花粉スギの確認
345
32年度(概算)無花粉スギの育苗、形質調査
345
33年度(概算)無花粉スギの育苗、形質調査
345

(2)林木品種改良事業
事業の内容
事業費(千円)
30年度次代検定林調査(2カ所)
97
31年度(要求額)次代検定林調査(2カ所)
88

5.前年度からの変更点

林木品種改良に関する研究課題を統合した。


これまでの取組と成果

これまでの取組状況

(1)ハイブリッド無花粉スギの創出
・県内優良スギ(42系統)が無花粉形質を保有しているか確かめるため、無花粉検定を行った。
・無花粉遺伝子を保有しているスギ品種と県内優良スギを交配し、ハイブリッド無花粉スギの母樹となる49家系(精英樹26家系、スギカミキリ抵抗性品種3家系、天然スギ19家系、耐雪性品種1家系)を作出した。
・ハイブリッド無花粉スギ(F2の中に存在)を創出するため、F1家系同士の交配を23通り(精英樹17通り、スギカミキリ抵抗性品種4通り、天然スギ2通り)実施した。

(2)林木品種改良事業
・次代検定林の成長調査により各品種の諸特性を明らかにし、採種穂園の改良及び推奨品種の選出を行う。
・次代検定林の設定後、20年次までは5年毎に、21年次以降は10年毎に成長量等の調査を行ってきた。平成30年度は、2ヶ所(2ha)の定期調査を行い、データの収集及び解析を行った。また、次回調査のために調査木をマーキングした。

これまでの取組に対する評価

(1)ハイブリッド無花粉スギの創出
・無花粉検定の結果、県内優良スギ(42系統)が無花粉遺伝子を保有していないことを明らかにした。
・ハイブリッド無花粉スギ創出の母樹となるF1集団49家系を作出するとともに、これらF1同士の交配を着実に進めている。
・別課題で選抜した「材質強度に優れた品種」が無花粉遺伝子を保有しているか確認するとともに、今後ハイブリッド無花粉スギの母樹に加える予定である。

(2)林木品種改良事業
・今後の林業における造林材料として、低コスト育林を可能にする成長性に優れた品種が求められている。これまで継続して行われてきた次代検定林の調査によって推奨品種を提示できるようになった。
また、単に成長に優れるだけではなく、少花粉形質や材質強度といった優良形質を備えた品種が明らかになってきており、新たな経営目標に合致した材料供給に貢献すると思われる。

財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 494 0 0 0 0 0 0 0 494
要求額 433 0 0 0 0 0 0 0 433

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 433 0 0 0 0 0 0 0 433
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0