事業名:
豚の改良等に関する研究
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農林水産部 中小家畜試験場 養豚研究室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
非常勤職員 |
臨時的任用職員 |
| 31年度当初予算額 |
22,770千円 |
39,690千円 |
62,460千円 |
5.0人 |
5.0人 |
0.2人 |
| 31年度当初予算要求額 |
22,770千円 |
39,690千円 |
62,460千円 |
5.0人 |
5.0人 |
0.2人 |
| 30年度当初予算額 |
24,923千円 |
47,670千円 |
72,593千円 |
6.0人 |
4.0人 |
0.2人 |
事業費
要求額:22,770千円 (前年度予算額 24,923千円) 財源:単県
一般事業査定:計上 計上額:22,770千円
事業内容
1 事業の目的・概要
県内で生産される豚及び豚肉の品質等を改良するために各種試験・研究を実施する。
(1)(継続)鳥取県産豚肉の美味しさと機能性(健康成分)の向上試験
「大山赤ぶた」の特徴として、筋肉内脂肪含量が5〜6%と高く、豚肉の中では珍しい霜降り肉となりやすく、肉の口溶けに影響すると言われている、オレイン酸も46.0%と高い数値が得られている。このことから、県内養豚農家が出荷している約8割の肉豚は他産地、外国産豚肉よりも霜降りでオレイン酸の高い可能性がある。
豚肉に多く含まれている「ビタミンB1」についても測定し、霜降りやオレイン酸と並ぶアピールポイントとなるか、調査する。
(2)(継続)大山ルビーの背脂肪厚低減に関する研究
「大山ルビー(DB)」はデュロック種(D)の鳥取県系統豚「大山赤ぶた」の雌に県で造成したバークシャー種(B)の雄を交配して生産される高品質でオリジナル性の高いブランド豚である。消費者の評価は高いが、生産者からは枝肉成績で背脂肪が厚い事による格落ちが多く、収益に影響するため、厚脂改善の要望がある。そこで、既存技術の検証を含め、ブランド豚の品質を保ちながら、背脂肪厚の低減技術を開発し、生産者の収益が向上する飼育方法、飼育マニュアルを提示する。これらのことから、高品質な大山ルビーの魅力を明確にし、消費者へのアピールポイントを提示する。
(3)(継続)大山赤ぶたの繁殖性向上に関する研究
系統造成豚「大山赤ぶた」は、県ブランド豚「大山ルビー」の生産を始め、県下の養豚農家で活用されている。しかし、大山赤ぶたは産肉性を重視した改良が進められ、繁殖性については重要視されていなかった。このため、近年産子数が低下してきていることから、育種、栄養、獣医療からアプローチし、母豚の繁殖性の向上に取り組む。
ア 繁殖成績の育種価の算定により繁殖能力の高い家系を調査、 農家へ供給し、また維持改良を行う。
イ アルギニン(アミノ酸の一種)の給与により繁殖成績に与える影 響を調査する。
ウ 経直腸的な超音波画像診断装置を駆使して、繁殖障害の究 明、生殖器の観察による定時人工授精(ホルモン剤を活用して決 まった日程で人工授精を行い、労力低減、分娩率改善等を図る 技術)を目標とした技術を開発する。
2 主な事業内容
(1)鳥取県産豚肉の美味しさと機能性(健康成分)の向上試験
鳥取県産豚の肥育試験を行い、筋肉内脂肪含量、健康成分のビタミンB1含量、旨み成分オレイン酸の測定。食味官能評価試験を実施する。あわせて、一般的な国産豚肉と比較するため、由来の分かっている県外産デュロック種を止め雄とした肉豚を生産肥育し、鳥取県産豚肉と比較する。ビタミンB1含量が高い家系について、家系内選抜を行い、選抜した個体の能力について再現性、斉一性について調査する。
(2)大山ルビーの背脂肪厚低減に関する研究
ア 種雄豚(B種)の育種価の推定
・育種改良時のデータ及び直接検定(90kg時)成績を調査・分析し、種雄豚の育種価を推定する。
・DB種の子豚を農家販売し、と場での背脂肪データを収集し、種雄豚の影響を推定する。
イ 各種肥育試験・肉質調査
・DB種またはB種を育成し、70kgを試験開始とし、115kgで出荷する。
・肥育試験の内容は雌雄別飼育試験、混合区試験とする。
・出荷豚は枝肉調査、肉質調査を行う。
・飼育期間は経時的に飼料摂取量、体重、背脂肪厚の計測を行う。
(3)大山赤ぶたの繁殖性向上に関する研究
ア 繁殖能力の統計遺伝学的解析
種豚群の維持、更新を行って繁殖成績を分析し、統計遺伝学的力 の高い雌家系の割り出しと、供給の可能性を検討する。 イ 発情兆候の確認技術と定時人工授精技術の確立
直腸検査と超音波画像診断装置により卵巣動態と発情兆候を把握し、本系統での性腺刺激ホルモン放出ホルモン投与による定時人工授精技術を確立する。
3 事業効果
(1)鳥取県産豚肉の美味しさと機能性(健康成分)の向上試験
霜降りになりやすく、オレイン酸、ビタミンB1含量が高くなる可能性のある「大山赤ぶた」の利用により、県内養豚農家は消費者ニーズに沿ったより利益性、生産性の高い肉豚生産が可能になり継続的な養豚経営が可能になる。
(2)大山ルビーの背脂肪厚低減に関する研究
大山ルビーの背脂肪厚を低減する事により、格落ちによる枝肉取引価格の差を縮め、枝肉単価の高い豚を多く生産して生産者収益増につなげる。DB生産者に開発した技術を提供し、枝肉単価の高い豚を多く生産する。枝肉単価の向上により収益向上となる。
(3)大山赤ぶたの繁殖性向上に関する研究
試験の目標数値を年間離乳頭数3.3頭増とする(繁殖雌当たりの年間離乳頭数が16.5頭から19.8頭)とDB生産者は繁殖雌当たり年間離乳頭数が上昇し、粗利益がアップする。目標を達成すれば概算で年間2.6万円の所得向上が見込まれ、DB生産農家全体では年間132万円の所得向上に繋がる。
4 実施期間・事業費
実施期間 : 平成29〜31年度(3年目)
(単位:千円)
| 年度 | 事業名 | 事業費 |
H29年度 | (1)鳥取県産豚肉の美味しさと機能 性(健康成分)の向上試験
(2)大山ルビーの背脂肪厚低減に 関する研究
(3)大山赤ぶたの繁殖性向上に関 する研究 | 30,888 |
H30年度 | 24,923 |
H31年度 | 22,770 |
5 前年度からの変更点
以下の3事業を統合
(1)鳥取県産豚肉の美味しさと機能性(健康成分)の向上試験
(2)大山ルビーの背脂肪厚低減に関する研究
(3)大山赤ぶたの繁殖性向上に関する研究
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)鳥取県産豚肉の美味しさと機能性(健康成分)の向上試験
これまで8家系64頭の肥育試験を行い、筋肉含量、オレイン酸、ビタミンB1の含有量を調査した。
(2)大山ルビーの背脂肪厚低減に関する研究
大山ルビーの肥育試験を行い、制限給与による効果を調査した。
(3)大山赤ぶたの繁殖性向上に関する研究
アルギニン給与試験を母豚19頭で行った。
超音波画像診断装置による診断と定時人工授精を実施。
これまでの取組に対する評価
(1)鳥取県産豚肉の美味しさと機能性(健康成分)の向上試験
8家系の肉質の調査が行われ家系毎の特徴を把握することができ、今後農家へ生体や精液を供給することができる。
(2)大山ルビーの背脂肪厚低減に関する研究
試験豚の発育に伴う背脂肪の調査を行った。
(3)大山赤ぶたの繁殖性向上に関する研究
試験に必要な備品購入が遅れたものの、概ね計画どおり試験を実施した。アルギニン給与により死産が少ない傾向が見られた。
ホルモン剤投与による定時人工授精試験を行ったが、受胎に至っていない。超音波画像診断装置の診断技術の向上をはかり、定時人工授精の技術を確立する。
工程表との関連
関連する政策内容
市場に打って出る魅力あるオリジナル品種、高付加価値化技術の開発
関連する政策目標
本県の特徴である多様な農林水産物の生産に対応した生産基盤の整備を促進します。
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位:千円)
| 区分 |
事業費 |
財源内訳 |
| 国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
| 前年度予算 |
24,923 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
11,189 |
1 |
13,733 |
| 要求額 |
22,770 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
9,936 |
1 |
12,833 |
財政課使用欄(単位:千円)
| 区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
| 計上額 |
22,770 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
9,936 |
1 |
12,833 |
| 保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| 別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |