現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和元年度予算 の 農林水産部の「輝太郎」を核としたカキの産地力強化に向けた栽培技術の確立
平成31年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

「輝太郎」を核としたカキの産地力強化に向けた栽培技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 河原試験地 

電話番号:0858-85-0274  E-mail:engeishiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
31年度当初予算額 1,161千円 7,938千円 9,099千円 1.0人 4.1人 0.0人
31年度当初予算要求額 1,161千円 7,938千円 9,099千円 1.0人 4.1人 0.0人
30年度当初予算額 1,190千円 7,945千円 9,135千円 1.0人 4.1人 0.0人

事業費

要求額:1,161千円  (前年度予算額 1,190千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,161千円

事業内容

概略説明

カキの栽培面積は約158ha(平成29年、全農とっとり取扱い)で、鳥取県の果樹ではナシに次ぐ栽培面積である。主な栽培品種は「西条」、「富有」、「輝太郎」、「花御所」で、その中でも「輝太郎」「西条」、「花御所」は本県の特産物である。

     園芸試験場が国との共同で育成した「輝太郎」が平成22年に品種登録となった。平成21年から販売された苗木がこれまでに約24,500本、約41ha分相当が植栽されている(全農とっとり取扱い結果樹面積17ha)が、高単価で販売されていることなどから今後も導入が進み、本県の特産物となることが期待される。
     平成30年11月以降、県外での「輝太郎」栽培が可能となり、5年後程度には他県での出荷も始まり、10年後には本格化する見込みである。
     他県の「輝太郎」出荷が本格化するまでに、鳥取県産「輝太郎」ブランドを確立し、鳥取県のカキ生産の核とする、早急に出荷量の増加と高品質化を図る必要がある。

事業の必要性

(1)「輝太郎」は、これまでにない早生で高品質な品種であり栽培技術の確立が求められている。
(2)果樹は、苗木を植栽してから採算が取れるまでに時間がかかるため、早期成園化・早期収量確保の技術が求められている。
(3)樹を育てながら安定して収量を確保するため、樹勢の維持、着果管理法の確立、施肥体系の確立、後期生理落果の原因究明と対策が求められている。
(4)輝太郎の高単価を維持するため、着色促進(早期出荷)・外観向上・大玉生産等品質向上技術が求められている。
(5)既存品種では、品種に適した施肥体系の確立、「西条」に適した台木品種の検討、「花御所」の生産安定のための有望系統選抜が求められている。

事業の内容

(1)「輝太郎」早期成園化、早期収量確保技術の確立
 ・強勢台木、果樹棚の活用、大苗活用による早期多収技術の開発
 ・幼木着果管理方法の確立
(2)「輝太郎」生産安定(収量確保)対策の検討
 ・後期生理落果の実態調査及び対策の検討
 ・樹勢の維持、着果管理法の確立
 ・「輝太郎」に適した施肥体系の検討
(3)「輝太郎」果実品質の向上 
 ・出荷時期前進化、外観向上、大玉生産技術の確立

(4)既存品種の生産安定対策の検討

 ・品種に適した施肥体系の確立

 ・「西条」に適した台木の検討

 ・「花御所」の優良系統の選抜

事業の効果

 項目
 現状
   技術確立後
(1) 「輝太郎」早期成園化・早期収量確保輝太郎にあった台木が未確定

幼木期の生育不良・樹冠拡大の遅れ   

後期落果が見られることを含めどれくらい着果させれば良いかわかりにくい

早期成園化・収量確保による未収益期間の短縮    

樹勢の適正化と将来的な収量安定確保

    

(2) 「輝太郎」生産安定対策後期生理落果、着果過多等により樹冠拡大の遅れ、樹勢低下が見られる

輝太郎に適した施肥体系が未確立

樹勢の適正化と収量の安定確保による農家所得の向上
(3) 「輝太郎」果実品質向上9月下旬の出荷割合は5%未満

園(管理)による等階級率 の差が大きい

気象条件により汚損・裂皮が多い年があり規格外品等外観低下がみられる

より有利販売できる9月の出荷割合を向上する
着果管理法等の確立により、果実品質の高位安定化が図られる
品質向上により鳥取産「輝太郎」のブランド化が図られ農家所得の向上が図られる
(4) 既存品種の生産安定従来の施肥体系は、秋肥(礼肥・元肥)、芽出肥、夏肥で見直しが必要
西条にあった台木が未確定
花御所は生産が不安定
効率的施肥により生産安定・コスト削減が図られる

西条・花御所の生産安定が図られる

これまでに得られた成果

(1) 西条より早い時期に収穫できる鳥取オリジナルの甘柿新品種「輝太郎」が品種登録された。栽培マニュアルを作成し配布した。

(2)輝太郎の果芯部の黒変・空洞果は母親品種「宗田早生」に由来する特性と判明。種子が入るとやや軽減される。

(3)輝太郎の後期生理落果は、環状剥皮により軽減された。

(4)輝太郎の初期樹冠拡大は、台木品種により差が見られた。初期の生育は春先のかん水により促進された。

(5)輝太郎の熟期は環状剥皮により促進されるが、外観が低下する傾向が見られた。

(6)輝太郎は他品種と比べ果皮が弱く、収穫期の多雨により裂皮が発生すること、スレ傷がつきやすいことが明らかとなった。

(7)西条の溝の少ない系統を現地から収集し、「B系統」と「MT」を優良系統として選抜して紹介した。

(4)雄花の着生が少ない花御所の有望系統が見つかり、調査を継続中。

平成31年度の試験内容

(1)輝太郎早期成園化・早期収量確保・輝太郎に適した台木を選抜する
・大苗活用による早期樹冠拡大試験
・幼木期の着果管理方法の確立
(2)輝太郎の生産安定・後期生理落果の実態調査
・若木期の樹勢維持、収量確保等栽培管理技術の確立
・施肥体系の検討
(3)輝太郎果実品質の向上・熟期促進、出荷時期前進化試験
  環状剥皮、植調剤等の効果確認
・着果管理方法の確立
  着果部位、適正着果量の検討
・外観向上対策の検討
  摘葉試験、マルチ試験
(4)既存品種の生産安定・品種に適した施肥体系の検討
・西条に適した台木の選抜
・花御所優良系統の選抜
  雄花・ヘタスキが少ない系統

平成31年度要求額内訳(単位:千円)

    要求額
旅費
                      91
栽培資材・実験資材購入費等
                   1,049
通信運搬費
                      21
合計
                   1,161

事業実施期間

平成31〜35年度(1年目)
年度
H31
H32
H33
H34
H35
総額
事業費
1,161
1,161
1,161
1,161
1,161
5,805

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<取り組みの内容>
・甘柿新品種の輝太郎の果実特性、幼木の生育・収量性、後期生理落果や空洞果発生の状況について調査を行った。
・輝太郎の果実品質向上に向け、着果管理や熟期促進効果試験を行った。
・西条の系統による樹上軟化落果や発芽不良の発生状況を調査した。
・溝の少ない西条の果実品質の調査や雄花の少ない花御所の雄花着生率の調査を行い、選抜を進めている。
・各品種の施肥体系の再検討を行っている。
<現時点における達成度>
・これまでの研究成果をまとめて、「輝太郎」の栽培マニュアルを作成し、関係機関や農家へ配布した。
・西条は、系統により樹上軟化や発芽不良の発生程度が異なり、有望系統がわかった。
・西条は、溝が少なく加工に適した系統として「B系統」と「MT]を選抜し、参考情報として公開した。花御所は、2系統で雄花の着生が少なく、有望と思われた。有望系統については現地試験を行っており、併せて調査を行った。

これまでの取組に対する評価

平成28年度 外部評価委員会議(中間評価)の結果
   評点 12.1  判定 ◎
 平成30年度外部評価委員会議(中間評価・組替継続)
   評点 12.8  判定 ◎
(評点9以上で試験実施)

評価委員の主な意見
平成28年度
・高品質、高価格を目指すことで生産者が安定します。栽培方法を含めたブランドの確立を望みます。
・果実の研究の難しさがよくわかりました。困難な課題ですが、鳥取の名産として農家の人が継続できるように、研究継続を願っています。
平成30年度
・今後、他県での栽培が可能となるが、それまでに鳥取発のブランド化が急務。
・鳥取県のブランド化として、研究成果を活かすため、全国への発信も工夫してほしい。
・ブランド化するのに有望な課題である。


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,190 0 0 0 0 0 0 0 1,190
要求額 1,161 0 0 0 0 0 0 0 1,161

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,161 0 0 0 0 0 0 0 1,161
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0