当場は、県内養豚農家の8割に、生産に必要な種豚、子豚、精液を供給しているため、豚コレラが発生すれば農家の肉豚生産や経営に大きく影響するとともに、試験場からの県全体への感染拡大による全頭殺処分につながる恐れがある。
また、これまで長年かけてつくりあげてきた県ブランド豚「大山ルビー」などの生産に必要な遺伝資源を殺処分等によりすべて失うことになり、県内養豚業に与える影響は甚大である。
試験場は山林に隣接しているため、以前から場内地面を掘り返すなど野生イノシシの侵入が多数確認されており、この冬には敷地内で2頭捕獲されるなど、雌豚もいるため野生イノシシを引き寄せやすく、豚コレラ感染の危険性は非常に高い状況。
捕獲による個体数の減少にも限界があるため、侵入を防ぐための具体的対策として防護柵の設置が必要。
イノシシ防護柵の新設 664.1m
既存フェンスの修繕 410 m
※既存フェンスの修繕は、フェンス下部からの侵入を防ぐため
アンダープロテクトフェンスを取付ける。
「飼養衛生管理基準」の順守と衛生管理の徹底
(1)入場時の車両消毒
場の出入りは、正門のみとし、消毒設備(入場ゲート)にて車
両消毒を実施。
(2)衛生管理区域(家畜エリア)の設定
養豚エリア及び養鶏エリアの2カ所を衛生管理区域に設定
(3)家畜エリアへの入場制限と消毒
家畜エリアの出入口は、各1カ所づつとし、畜舎出入口と共に
消石灰又は薬剤での靴消毒を実施。
(4)専用衣服及び靴の着用
家畜エリアでは、専用の衣服及び長靴を着用し、管理者以外
は防疫服等を衣服の上から着用する。
(5)他の畜産施設等との分離
他の畜産施設及び関係者と接触した場合は、勤務等を制限
する。
(6)野生動物等からの病原体の侵入防止
畜舎内及びその他関係施設内にねずみ、野鳥等の侵入防
止のため、金網等の措置を講じている。
(7)その他
「飼養衛生管理基準」に加えて国内での豚コレラ発生を受け
て、野生イノシシの侵入防止のため、豚舎周囲に電気牧柵
の設置と石灰散布を行っている。