現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和元年度予算 の 農林水産部の鳥取のナシ産地活性化を目指す栽培技術の確立
平成31年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

鳥取のナシ産地活性化を目指す栽培技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 果樹研究室 

電話番号:0858-37-4211  E-mail:engeishiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
31年度当初予算額 6,831千円 72,236千円 79,067千円 9.1人 12.6人 0.0人
31年度当初予算要求額 6,831千円 72,236千円 79,067千円 9.1人 12.6人 0.0人
30年度当初予算額 6,998千円 72,300千円 79,298千円 9.1人 12.6人 0.0人

事業費

要求額:6,831千円  (前年度予算額 6,998千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:6,831千円

事業内容

概略説明

「新甘泉」を中心とした本県育成品種は栽培面積を伸ばしているが、栽培上の問題が次々に発生している。また、栽培者の高齢化などにより、県のナシ栽培面積の減少傾向は続いている。主な生産者は概ね新品種を導入しており、今後、ナシ産地を維持していくためには新規就農者の確保や大規模経営に適した栽培管理技術が必要となる。さらに、頻発する異常気象による災害をきっかけに栽培をやめる生産者もいることから、気候変動への対応技術の構築も急務である。

1 事業の必要性

(1)新品種の植栽面積は195ha(平成29年度末)まで増加し、産地は活性化している。そうした中、生産量や栽培地の拡大に伴い新たな問題も生じている。鳥取県元気づくり総合戦略において、平成31年度に植栽面積を230haにする目標が立てられている。目標達成のためには、現在の植栽スピードの維持が必要であり、そのためには問題点を早急に解決し生産者の不安を解消することが重要である。
(2)ナシ栽培者の高齢化、後継者不足が進む中で、栽培面積の維持を図るためには、新規参入者の増加や経営面積の大規模化が必要である。そのためには、「栽培のマニュアル化」「作業の機械化」「省力化」に対応した栽培技術が求められる。
(3)異常気象と呼ばれるような気象条件によって、ナシ栽培においても大きな被害を被っているところがある。気象庁は、今後も気温の上昇傾向や豪雨、干ばつの増加を予測しており、今後も気象災害は増加する可能性が高い。被害をきっかけに栽培を断念する栽培者もいることから、産地の維持のためには気候変動への対応技術確立が重要かつ急務である。

2 事業の内容

(1)新品種を中心としたナシの生産技術確立
(2)新樹形、ICTなどの先端技術を活用したナシ栽培のマニュアル化、省力化対応技術の確立
(3)気候変動に対応するための栽培技術の確立

3 事業の効果

(1)ナシ生産者に、新品種導入と栽培技術普及を進めることで、8月上旬から11月に鳥取オリジナル品種を中心としたおいしい梨を消費者に届けるリレー出荷体系を確立できる。また、新品種の導入と多品種化によって、高値販売と生産経費の低減が可能となり、生産者の所得向上が見込まれる。
(2)栽培のマニュアル化により新規参入者の増加し、機械化が容易な省力樹形等の開発により大規模経営が可能となる。これらの効果によってナシ栽培面積の減少を食い止める効果が見込まれる。
(3)気象条件によって引き起こされる災害が減少することにより、安定生産が可能になり、経営の安定化が図られる。

4 これまでに得られた成果

(1)新品種に関するもの
ア)「新甘泉」「秋甘泉」の収穫基準となるカラーチャートの作成
イ)「新甘泉」「なつひめ」の糖度予測技術
ウ)環状はく皮処理による「なつひめ」の熟期促進
エ)「夏さやか」の耐寒性の評価
オ)「新甘泉」「なつひめ」の加工適性評価
(「新甘泉]「なつひめ」はカット後の果肉褐変が少ない)
    (2)ジョイント栽培に関するもの
    ア)苗の育成方法
    イ)生育特性に応じたせん定方法
    (3)気候変動対応技術に関するもの
    ア)霜害を回避する改良型燃焼法の確立
    イ)開花期の気象条件が結実に及ぼす影響の解明
    ウ)「王秋」のコルク状障害の低減技術確立
    エ)元肥無施用の施肥体系の実証

5 H31の試験内容

(1)新品種を核としたナシ生産技術の確立
ア)近年品種登録(申請)された品種(「甘太」など)の特性把握(樹体生育、開花特性、収穫期、果実品質) 
イ)樹体負荷を考慮した「新甘泉」の変形硬化症状対策の検討
ウ)環状はく皮処理技術の検討(連年処理の影響評価、なつひめ以外の品種への適応性)
エ)「秋甘泉」の裂皮、軸抜け低減技術の検討

2.新時代を拓く画期的栽培技術の確立
ア)新たな整枝方法の検討(V字棚式ジョイント栽培)
イ)先端技術の活用による栽培技術の平準化

3.気候変動への適応技術の確立
ア)新甘泉の準高冷地における栽培適性評価
イ)凍霜害防止技術の検討
ウ)生理障害低減技術の検討
エ)施肥量削減技術の検討

6 平成31年度要求額内訳(単位:千円)

内訳
要求額
旅費(技術習得研修、情報交換など)
501
栽培資材、実験資材購入費など
5,695
通信運搬費
635
合計
6,831

7 試験実施期間

平成31〜35年度(1年目)
年度H31H32H33H34H35総額
事業費6,8316,8316,8316,8316,83134,155

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

ナシ作り新時代を拓く新品種の栽培技術の確立(H26〜30)、鳥取のナシ産地再生に向けた画期的栽培技術の確立(H26〜30)、ナシの気候変動に適応した生産技術の確立(H26〜30)
の試験課題の中で新品種の特性解明、省力管理法、霜害対策などの試験を行い、この5年間で普及に移す技術2課題、参考情報13課題を発表した。

これまでの取組に対する評価

<H30年度の外部評価(中間)の結果>
   評点:12.1      判定:◎   
   (評点10以下は再考)
  委員の主な意見
・鳥取県の代表的な農産物であり、総合的な研究推進に期待します。
・安定供給と面積の維持の力になれるような研究に期待します。
・機械化とともに、営農者(特に新規)のやる気を意識した試験研究を望みたい。若い人には年間のスケジュール(兼業も含めた)が大事なので。
・V字棚式ジョイント栽培はメリット、デメリットを明確にして提案すべきと思う。そして、デメリットを減らす工夫を研究してほしい。
・生産者側の研究だが、消費者側の需要内容も検討し、課題の一つとしては。
・なつひめの環状はく皮処理もよいが、処理しないで8月下旬収穫し、二十世紀のジベ処理を止めて、9月上旬に収穫期を迎えれば、本当においしい二十世紀梨になると思う。
・V字棚ジョイントと従来の平棚ジョイントのメリット、デメリット(V形はかえって非効率になるのでは・・・)の比較を明確にした上で、V字ジョイントの問題の整理とその解決策を研究してほしい。←(機械化を前提しているが、かなりの経費も必要であり、限界があるのではないか)
・優良園の維持が栽培技術の確立の項目に上がっているが、栽培農家の減少高齢化が進む中、具体的なターゲットおよび管理体制の確立が急務であると思う。

財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 6,998 2,481 0 0 0 0 0 1,060 3,457
要求額 6,831 0 0 0 0 0 0 0 6,831

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 6,831 0 0 0 0 0 0 0 6,831
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0