(1)旧岩美鉱山鉱害防止事業
○旧岩美鉱山は、大正12年に久原鉱業(株)が鉱業権を取得し、昭和45年9月までに約2万2千トンの銅鉱石を採取した。
○昭和46年に最終鉱業権者(中国鉱山(株))が鉱業権を放棄したことに伴い、旧岩美鉱山は鉱害防止義務者不存在鉱山となった。
○本坑坑口からは常時pH3.2程度の酸性で、重金属(銅、鉄等)を含む坑廃水が流出(約0.92m3/分:H28年度実績値)している。
○このため、昭和47年から消石灰による中和処理を県が事業主体となり、岩美町に委託して実施している。
<経緯>
大正12年
久原鉱業(株)が鉱業権を取得し、鉱石の採取を行う。
昭和4年
久原鉱業(株)→日本鉱業(株)に社名変更。
昭和18年
鳥取大震災により鉱泥堆積場かん止堤が決壊し、土石流となって流出し、65名の犠牲者を出す。
昭和32年
日本鉱業(株)が操業を中止。
中国鉱山(株)へ鉱業権を譲渡。
昭和33年
採取鉱掘終了。事業休止。
昭和46年
中国鉱山(株)が鉱業権を放棄。消滅。
昭和47年
知事と中国鉱山(株)社長が覚書を締結。
覚書により県が事業主体となり、岩美町に施設管理を委託。
(2)旧太宝鉱害防止事業
○旧太宝鉱山は、昭和35年に鐘打(かねうち)鉱業株式会社(系列:JX日鉱日石金属株式会社)が鉱業権を取得し、昭和37年に事業休止するまで8トン程度の銅鉱石を採取した。
○本坑坑口からは常時pH3.8程度の酸性で重金属(銅、亜鉛等)を含む坑廃水が流出(約0.04m3/分:H28年度実績値)し、この坑廃水を処理するために平成10年4月以降、公益財団法人資源環境センターが事業主体となり、消石灰による中和処理を行っている。
○公益財団法人資源環境センターは、鉱害防止事業を行うため、全国の最終鉱業権者(旧太宝鉱山の最終鉱業権者である鐘打鉱業(株)を含む。)が拠出して設立された法人であり、経済産業大臣の指定を受け、最終鉱業権者に代わって鉱害防止事業を実施している。
<経過>
昭和35年3月
鐘打鉱業(株)が鉱業権を取得し、銅鉱石を採取
昭和37年8月
事業休止
昭和53年7月
鉱山保安法第39条(26条)命令の発動
鐘打鉱業(株)が鉱業権を放棄
昭和56年
鐘打鉱業(株)が鉱害防止事業を開始
平成10年4月
(財)資源環境センターが、金属鉱業等鉱害防止対策特別措置法に基づく鉱害防止事業機関の指定を受け、以降、鉱害防止事業を実施。
(3)土壌汚染防止対策事業
県内の東部1市4町を除く土壌の有害物質による汚染に対し、速やかに土壌汚染対策法による対応を図り、もって土壌汚染による健康影響を防止することで、安全で快適な住み良い環境づくりを目指す。