西部総合事務所 農林局 西部農業改良普及所の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
部局名 | 部局長名 | 所属名 | 所属長名 | 職員数 |
西部総合事務所農林局 | 所長 林昭男
局長 岸田悟 | 西部農業改良普及所 | 鹿島美彦(西部)、笠見和昭(大山) | 28 |
組織ミッション
消費者の満足度を高める農畜産物の生産支援と所得向上を目指す農業者への自立支援(西部)
1.政策内容と目標
(1)政策内容
【西部農業改良普及所】@弓浜地域における特産野菜の生産振興、A南部町の果樹産地の振興、B関係機関との連携を密にした新規就農者の育成
(2)長期的目標
政策項目(アジェンダ) | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
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○
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●将来ビジョンの取組の方向性(該当所属のみ)
番号 | 大項目 | 取組みの方向性 |
1 | T【ひらく】地域で・県外で・国外で新時代に向かって扉をひらく | G-2収益性の高い農業経営の展開と後継者の定着を目指します。退職された団塊世代の方、UJIターンされた方等も含め、認定農業者、新規就農者、集落営農組織、農外からの企業参入など多様な経営主体を育成・確保します。 |
(3)今年度の目標
@弓浜地域における特産野菜の生産振興
・白ネギの生産向上のため、6月どり無トンネル栽培の検討、 坊主不知優良苗の普及と多収技術の実証、夕方散水技術の確立支援等を行う。
・干拓地営農組合、担い手組織、新規就農者(新規栽培者)及び新規拡大生産者に対する育成支援として、排水対策の実証、新規作物の試作(ニンニク等)及び新技術の実証、白ネギ基礎講座開催の支援等を行う。
A南部町の果樹産地の振興
・梨については、あいみ果実部が取り組んでいる特色ある無袋栽培の出荷率を向上させる。また、「王秋」コルク状障害の発生を抑制する。また、「次世代につなぐ果樹産地リレープラン」に基づいた、がんばる地域プラン事業を南部町と一体的に進める。
・柿「輝太郎」の生産拡大を図るため、高接ぎ更新を推進する。
・いちじくについては、株枯れ及びセンチュウ対策のために強勢台木による連作障害対策を図る。
・ブルーベリーについては、枯死率を下げる対策により改善が見られるため、定着を図る。
B関係機関との連携を密にした新規就農者の育成
就農5年目までの新規就農者に対して個別に支援を行い、それぞれの目標達成を実現する。また、生産部(JA青年部)等の組織が主体となって、自主的に新規就農者を支援していく体制のモデル作りを行う。
2.測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
弓浜地域における特産野菜の生産振興 | |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | | | 弓浜部の白ネギ栽培面積 164.5㏊ | | |
時点 | | | | | |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 平成25年度西部農業改良普及所普及指導計画 | |
指標2
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | | | 梨:無袋出荷率 35%
王秋出荷停止樹率10%以下
柿:輝太郎高接ぎ 5戸
いちじく:活着率 80%
ブルーベリー:枯死率10%以下 | | |
時点 | | | | | |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 平成25年度西部農業改良普及所普及指導計画 | |
指標3
指標名 | 指標の分類 |
関係機関との連携を密にした新規就農者の育成 | |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | | 新規就農者の就農定着率:100%
| 新規就農者の就農定着率
100%
各新規就農者目標の達成状況
A評価80%以上
現場組織が自主的に支援する体制づくり
1組織選定 | | |
時点 | | | | | |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 平成25年度西部農業改良普及所普及指導計画 | |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 弓浜農業未来づくりプロジェクト事業 (トータルコスト予算額50499千円) | ○白ネギ6月どり無トンネル栽培、坊主不知、夕方散水による夏越し生産について展示圃を設け、指導会等で情報提供を行うなど継続して特産農作物の生産向上に向けた支援を実施する。
○担い手等の各組織に対して、プラン実行について継続して支援。また、新規栽培者、規模拡大農家については、引き続き個別的な栽培技術及び経営改善支援を実施。
○耕作放棄地の利用促進に向け、その有効的活用法について今後面積拡大を検討する生産者に対し支援していく。 |
2 | 農業改良普及指導活動費 (トータルコスト予算額817146千円) | ○梨:新品種の栽培においては、樹冠拡大による早期成園化および無袋栽培における果実特性把握。
○柿:平成24年に、モデル園で「輝太郎」が9割後期落果。対策を実施。また、高接ぎによりさらなる生産量増加を図る。
○産地における取り組みとして、南部町「次世代につなぐ果樹園リレープラン」が作成され、既存の果樹園を次世代に後継していく事業が始まった。これに対して、チャレンジ講座や育成モデル園設置に対する支援を実施していく。
○その他:イチジクの改植推進技術の普及、ブルーベリー枯死株対策支援実施。 |
3 | 新規就農者総合支援事業 (トータルコスト予算額491598千円) | ○新規就農者に対しては、JA等関係機関と連携し栽培技術指導、経営管理のための記帳・記録指導、各種事業取り組みへ向けての検討と資料作成支援を実施、並びに指導農業士、就農・くらしアドバイザー、アグリスタート等研修受け入れ農家とも連携して支援を実施する。
○就農希望者に対しては、担い手育成機構、市町村等と連携して就農相談に対応。また、就農に向けた研修、事業の説明及び経営計画の作成支援を行い支援 |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
8 |
評価理由 |
概ね計画どおりに実施され、想定された成果も得られた。 |
H25年度の取組 | 成果 |
@弓浜地域における特産野菜の生産振興
・6月どり無トンネル栽培は各生産部での栽培試験を支援し、生育状況の調査や収量の調査を行った。 坊主不知は5月25日と26日に苗の供給を支援。鶏糞利用による多収技術実証ほを設け、生育と収量を調査した。夕方散水も実証ほを設置した。
・排水対策はサブソイラー施工を実施した。新規作物の試作は中止とされた。新技術として、微生物資材の白ねぎへの追肥利用を実証中。白ネギ基礎講座は7回開催され、講師として出席した。 | ・無トンネル栽培の取り組みで優良栽培事例の収集、問題点の整理が行え、作型開発に向け前進した。坊主不知優良種苗供給により、約3割の生産者が優良苗を導入され、生産性が向上するなど高評価を得た。多収技術実証では、鶏糞を600kg/10a施用することで1,100ケース/10aの多収量が得られた。
・白ねぎ基礎講座は7回開催され、1回の講座あたり7〜15名の参加であった。 |
A南部町の果樹産地の振興
・梨「新甘泉」:無袋栽培で重要問題とされる芯腐れ症の発生要因として、シンクイムシと胴枯病に注目し、交信撹乱剤とトップジンによる防除を徹底した。また、シンクイムシは発生消長を調査。
・梨「王秋」:コルク状障害の発生予防対策のため、新梢管理の指導を実施。更に、生産者と共に出荷前の全園巡回調査も実施した。
・「次世代につなぐ果樹産地リレープラン」に基づいた、がんばる地域プラン事業で、梨柿チャレンジ講座へ講師として出席。
・いちじくは強勢台の接ぎ挿し苗を育成し配布した。
・ブルーベリーについては、樹体と土壌酸度を調査し、生育状況を確認した。 | ・交信撹乱剤の設置により、ほ場内のシンクイムシの密度は極めて低くなり芯腐症の発生も3%未満(昨年11%)で極めて少なくなった。
・出荷停止となるコルク状障害の発生した樹の割合は、昨年(18%)より大きく低下し1.7%に止まった。
・チャレンジ講座は7回開催され、受講生は延べ23名であった。
・ブルーベリーの土壌酸度はpH5前半の適域で、土壌改良効果の継続が確認できた。 |
B関係機関との連携を密にした新規就農者の育成
・現地組織が主体となった支援体制作りは、関係機関の反応が鈍かったため、新たな支援方策として、市と連携した効率的な支援方策を検討した。
・就農相談と就農計画の作成は常に担い手機構と連携して行った。
・今後就農予定で、濃密な指導が必要とみられる対象については、就農くらしアドバイザー事業を活用して個人指導を徹底する事とした。 | ・市が新規就農者の中から重点指導対象を決めることで、市、JA、県が連携して、重点対象に絞って効率的に検討ができた。
・担い手機構や市との連携が強まった。
・10名が新規就農することとなった。 |
課題 | 今後の取組 |
@弓浜地域における特産野菜の生産振興
・無トンネル栽培は、春先の飛砂対策と肥大促進が必要。
・坊主不知は収量と品質維持のための親株選抜法の指導、啓発の実施。
・夕方散水は、夏季の集中豪雨のため腐敗が発生するなど効果が判然としなかったので、安定した効果の得られる技術へ改良が必要。 | ・無トンネル栽培は春期のかん水、肥培管理を徹底し、太物割合を向上させるための支援実施。飛砂対策では事例調査を行う。
・坊主不知は優良種苗の選抜法を技術検討会にて周知を図る。
・夕方散水は、額縁明渠の施工や打ち込み等での強勢排水を周知する。年内どりでは、排水可能な畑を選定してもらうと共に、緑肥、土壌消毒による連作障害回避を推進する。 |
A南部町の果樹産地の振興
・「新甘泉」のシンクイムシ発生は交信撹乱剤により極めて少なくできたが、今後も防除の徹底を図る必要がある。「王秋」は新梢管理の指導を次年度以降も継続し周知徹底していく事が課題。
・いちじくは生育状況の調査を継続。。
・ブルーベリーは土壌調査の継続が必要。。 | ・無袋栽培用防除暦の効果確認、防除指導及び厳選選果支援を実施。「王秋」は新梢管理(摘心、新梢誘引、枝抜き)を継続指導。
・いちじくは強勢台購入苗の栽培指導実施。。
・ブルーベリーは調査を継続し、結果を生産者に情報提供。 |
B関係機関との連携を密にした新規就農者の育成
・支援対象者に対する定期的な営農状況の確認と経営状況の検討。
・営農・経営状況に応じた支援の実施。
・担い手育成機構、JA、市町村担当者との連携強化。
| ・毎月2回の担当者打ち合わせ実施。
・年3回程度の営農・経営状況の検討会実施。
・重点対象に対する臨時検討会実施。
・関係機関連携した就農計画の作成。就農決定後は、関係機関での連携会議開催。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。
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