農林水産部 農業振興戦略監 農業試験場の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
部局名 | 部局長名 | 所属名 | 所属長名 | 職員数 |
農林水産部農業振興戦略監 | 部長 岸田 悟 | 農業試験場 | 宮田邦夫 | 41 |
組織ミッション
「食のみやこ鳥取県」のブランド化と農産物の生産安定を実現するため、水稲等の新品種及び生産にかかる新技術を開発する。
1.政策内容と目標
(1)政策内容
消費者の求める安全・安心、高品質な農林産物の生産技術の開発
(2)長期的目標
政策項目(アジェンダ) | 将来ビジョン | 環境イニシアティブプラン | アクションプラン(教育振興基本計画) | その他 |
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○
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●所属で設定する長期目標(設定がある場合のみ)
1 有機栽培水稲・大豆等における雑草・病害虫防除技術の開発と、現地実践事例調査・体系化実証
2 高品質・安定生産のための病害虫防除技術の開発
(3)今年度の目標
1 有機栽培技術関係
(1) 水稲の健苗育成を通じた抑草技術・病害防除技術の確立、有機栽培に好適な水稲・地大豆品種の検索、光防除による大豆ハスモンヨトウ対策技術の確立
ほ場管理法による雑草防除技術と田畑輪換効果の検証
(2) 現地実践事例調査の精査、体系化現地実証試験の現地適応性の効果精査、実践者主体の研究会との連携
2 病害虫防除技術関係
(1) 水稲種子伝染性病害に対する微生物剤およびスターナ剤の防除効果検討
(2) イネいもち病耐性菌の発生状況および代替剤の検討
(3) フタオビコヤガおよび斑点米カメムシ類等の新たな発生予察法の確立
(4) 温湯消毒を補完するばか苗病の防除対策の確立
(5) 水稲中生品種における病害虫防除体系の検討
2.測定指標
指標1
指標名 | 指標の分類 |
有機的育苗技術・効果的除草技術・病害虫防除技術の開発数 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | − | | | 技術情報提供数0 | 6 |
時点 | H25から取り組み | | | H27.3 | H30.3 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 「鳥取県有機・特別栽培農産物推進計画」 | 新技術の開発がミッションであるため選定、目標値は現研究課題の終期を設定根拠としている |
指標2
指標名 | 指標の分類 |
有機実践事例の技術解析・体系化技術の提示数 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | − | | | 技術情報提供数0 | 3 |
時点 | H26から新規 | | | H27.3 | H30.3 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
その他計画等 | 「鳥取県有機・特別栽培農産物推進計画」 | 新技術の開発がミッションであるため選定、目標値は現研究課題の終期を設定根拠としている |
指標3
指標名 | 指標の分類 |
県内における病害虫の実態ならびに新たな調査法と防除法に関する技術提示数 | 成果指標 |
| 基準値 | 年度当初値 | 今年度目標値 | 今年度実績値 | 長期的目標値 |
数値 | − | | | 技術情報提供数3 | 8 |
時点 | H23から新規 | | | H27.3 | H27.3 |
根拠となる計画等 | その他計画の名称 | 計画指標の選定理由 |
| | 新技術の開発がミッションであるため選定、目標値は現研究課題の終期を設定根拠としている |
3.目標を実現するための主要事業・主要制度
番号 | 主要事業・主要制度 | 事業概要・スケジュール |
1 | 「ゆうきの玉手箱(弐の重)」技術確立☆チャレンジ編 (トータルコスト予算額17364千円) |
1 鳥系系統を中心として有機栽培に好適な水稲品種、また地大豆の有機栽培での可能性、等を探る。
2 水稲・大豆の有機栽培において問題となる雑草及び病害虫の防除法について検討する。
3 長期的な視点に立ち、有機的な田畑輪換法の確立をめざし、雑草や害虫の防除技術と土壌の変化等を検討する。 |
2 | 有機栽培「トレジャー技術」を協働で発掘・解析・検証拡大する事業 (トータルコスト予算額14435千円) | 有機栽培技術の確立、有機栽培の普及に資するため、以下の取り組みを実施する。
1 有機栽培現地実践ほ場の調査・検証
2 体系化した開発技術の現地実証
3 有機農産物として水田転作での取り組みが可能な新規有望作物への掘り起こし(現地事例を参考にしながら情報収集)
4 鳥取県有機農業推進ネットワークとの連携 |
3 | 水稲・麦・大豆の病害虫防除技術の確立 (トータルコスト予算額12611千円) |
本県の水稲・麦・大豆栽培における病害虫を対象に、効率的防除法を確立する。
1 水稲種子伝染性病害に対する微生物剤およびスターナ剤の防除効果検討
2 イネいもち病耐性菌の発生状況および代替剤の検討
3 フタオビコヤガおよび斑点米カメムシ類等の新たな発生予察法の確立
4 温湯消毒を補完するばか苗病の防除対策の確立
5 水稲中生品種における病害虫防除体系の検討 |
4.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
9 |
評価理由 |
当初に予定した成果をほぼ達成できたため |
H26年度の取組 | 成果 |
水稲・大豆・らっきょう等野菜の有機栽培技術に関する現場での優良事例の解析・検証を生産者と連携をとりながら進め、その拡大普及を図るための実証を行った。
また、他産業とも連携しつつ、安定生産および栽培面積拡大に繫がる取り組みやすい有機栽培の新技術のメニュー開発・拡充を図った。
その中で、本年度は、畑作での蒸気除草法や水田転換畑での新規有機有望品目の検索し、実用性の検証の取り組みを新たに開始した。
平成26年3月に立ち上げたばかりの「有機農業推進ネットワーク」の支援にも努め、生産振興課と協力してネットワークの強化を図った。 | 優良事例の調査を滞りなく行い、解析・検証を進め、問題点の整理等年度初めの「目論見どおり」ほぼ進捗させることができた。また、現場の情報収集にも努め、新たな事例の収集も行った。
水稲鳥系系統については、供試した3系統とも現場の重点項目である食味評価で好評価が得られず、実用性は低い結果となったが、組み立て技術の実証展示等他の試験研究はおおむね順調に進捗した。
また、蒸気除草法や転換畑での新規有機有望品目の検索、緑色LED灯防除器材利用技術等新たな取り組みについては、一定の成果が得られつつ、継続・発展の方向性に目途が立てれた。
「有機農業推進ネットワーク」の支援については、研修会開催を実現した。 |
水稲・麦・大豆の病害虫防除技術について
(中間評価と同じ)
| 水稲種子伝染性病害である「もみ枯細菌病」について、新たな防除薬剤を用いて検討を行ったが、感染時期である8月の天候不順によりもみ枯細菌病の発生がなく、判定不能であった。
イネいもち病耐性菌の発生について、遺伝子検定等を行い県内の発生状況をとりまとめるとともに、代替剤の実用性も確認し、これらを成果情報として提案した。
発生予察法の検討に関し、斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ)のフェロモントラップを利用した防除要否についてデータをとりまとめ、成果情報として提案した。フタオビコヤガについてはデータの蓄積を行った。
イネばか苗病に関して、温湯種子消毒に微生物農薬を組み合わせた検討を行った結果を成果情報として提案した。
中生品種での縞葉枯病について発生実態調査を行い、縞葉枯病の発生が県内全域で確認されるが、発生程度はすべて少発生であること等を把握した。 |
課題 | 今後の取組 |
優良事例調査で明らかとなった水稲・大豆栽培での雑草及び病害虫対策についての対応技術の確立・拡充が急がれる。
水稲有機栽培技術の次の現地ほ場での実証展示
見込みが立った新規取り組みについて、試験研究を発展させ、技術確立に繋げる。 | 引き続き、事例の解析及び検証を進め、雑草及び病害虫対策技術の開発や実証に繋げ、現場での生産安定を図る。特に、大豆の雑草対策については、過去に確立した技術の現地実用性の検証及び実証展示に重点的に取り組み、技術の普及に努める。
水稲有機栽培技術の総合組み立て技術をより現場で取り組みやすいように改善を進め、次の現地でも実証展示する。
新規取り組みについては、転換畑新規有望品目のさらなる検索及び実用性評価、蒸気除草方法の低コスト化等の発展性を視野に入れた試験設計を検討する。 |
中生品種の水稲・麦・大豆の病害虫防除技術について、年次による変化や新たな薬剤の効果確認などを行う必要がある。 | 平成27年度の新規課題として予定している「水稲・麦・大豆の高品質・安定生産を目指した病害虫防除技術の確立」において検討する。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。
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農業試験場 所属長名 宮田邦夫 電話番号 0857-53-0721