福祉保健部 ささえあい福祉局 鳥取療育園の工程表
基本的事項
所管組織、所管責任者
所属名 鳥取療育園 所属長名 稲垣 真澄 電話番号 0857-29-8889
組織目標
地域と協働するレジリエントな組織を実現し、利用者と保護者の幸せに貢献することを目指します。
1.政策内容と目標
(1)政策内容
障がい児及びその保護者が地域で暮らしやすくするための支援と地域に向けての情報発信及び関係機関への支援
■SDGsのゴール
03 すべての人に健康と福祉を
(2)今年度の目標
@専門性をマルチタスクで発揮する(評価と支援介入の並行)
A弾力的支援体制を構築する(係内連携と係間連携の充実)
Bアウトリーチ機能の充実を図る準備期間とする(令和4年度の本格的稼働を想定)
測定指標
測定指標なし
目標を実現するための主要事業
番号 | 主要事業・主要制度 |
1 | 鳥取療育園費 (予算額(事業費)24704千円) |
2.評価
■最終評価(年度末時点)
進捗評価 |
○(予定どおり) |
達成度の評価 |
8 |
評価理由 |
コロナ禍でも必要な支援を継続できるよう工夫しながら、園運営を継続。特に、外来診療・リハビリ利用者数・通園利用者数は令和2年度よりも大幅に増加。新たに、保育所等訪問支援事業による支援を開始し、当園のアウトリーチ支援拡充のための足がかりとすることができた。 |
令和3年度の取組 | 成果 |
【企画外来担当】
・外来診療(発達外来、装具外来、リハビリ、検査等)を安定的に実施。変更に伴う日程調整や文書作成に向けた計測・確認を地域支援と協同して行った。装具外来は月一回最大15名の診察を実施した。
・電子カルテ、医事会計システムの更新・変更、オンライン資格確認機器設置を行った。派遣の医療事務職員(ニチイ)への引継、操作説明等、連携して業務を行った。
・学習障がい(LD)のある児の支援として紹介・評価・共有の流れの中で通級指導担当者会議への参加やLD等専門員とのオンライン会議、研修会を言語聴覚士が中心となって実施。
・施設支援・支援会議(関係機関との情報共有、児の生活場面での支援の検討、移行支援、研修会等)の継続実施。
・東部小児リハビリテーション研修会では、オンライン会議を通じて年間スケジュールの決定、リハマップの改定、症例検討等を月1回継続した。
・ごきげん子育て教室(ペアトレ)は、診察の中で医師より参加を促しながら調整した。今年度は交流会は中止し、基本プログラム5回に加えフォローアップ活動を実施。
・福祉機器展はコロナ感染症対策を最優先とし、中止を決定。 | 【企画外来担当】
・外来診療(発達外来、装具外来、リハビリ、検査等)が安定実施できた。
・電子カルテ、医事会計システムが更新されたが、業務への影響を最小限とするよう課題に一早く対応。医療事務派遣職員とも連携し、外来業務が安定的に実施できた。
・言語聴覚士を中心とした取組みにより、学習障がい児支援の流れの構築と共に、会議・研修会による地域との連携・支援の伝達を進めることができた。
・オンラインを用いた施設支援・外来療育の実施により、関係機関との情報共有、児の生活場面での支援の伝達・検討等、コロナ禍でも支援を継続できた。
・東部小児リハビリテーション研修会では、日程調整をして平日夕方に継続実施し、東部圏域のリハビリ職員の連携・情報共有・スキルアップを図ることができた。
・ごきげん子育て教室(ペアトレ)を継続実施し、保護者の子育て支援の一環として、一定の成果を得ることができた。 |
【通園担当】
・医療型児童発達支援事業(きらり)利用児の発達を促し、親子の生活状況等に応じた地域生活充実のため、必要な情報発信や相談対応を行う。
・医療との連携、情報共有のため、おしどりネット等を活用して必要な体制を整備。
・医療体制拡充による適切な医療費算定として、医療型児童発達支援事業では「リハビリテーション料」、児童発達支援事業では「特別支援加算」を算定。
・児童発達支援事業(エルマー)利用対象児や支援目標を地域のニーズに合わせて再検討し、新療育プログラムを確立する。併せて、保護者支援として行っている大人勉強会の内容も見直す。
・新設した保育所等訪問支援の支援を開始する。 | 【通園担当】
・きらり利用中の来年度就園希望児について、発達や家庭状況に合わせた地域の保育所・幼稚園へのコーディネートに加え、医療的ケア児の若草学園利用にむけて鳥取市との連絡会を設け協議をすすめた。また、エルマー利用中の年長児を中心に、保護者勉強会での制度や流れの伝達、園や市就学コーディネーターとの協働により就学支援を実施。保護者の不安や疑問に寄り添いながら児の発達理解を深め、保護者支援をより丁寧に行った結果、移行支援に必要な情報の整理も並行して行うことができた。
・きらり利用児については、おしどりネットを活用し総合病院との情報共有や連携強化を図っている。また、4月から医師の診療体制拡充に伴い、リハビリテーション料の算定を開始。それに伴いリハビリ職員の関わりや評価が電子カルテに記録されるようになり、情報共有がより一層行いやすくなった。
・エルマーでは、事業運営施設基準に加えて作業療法士等リハビリ職員を追加配置し、特別支援加算を算定した。
・エルマーでは、長年継続してきた支援内容の見直しを行い、グループ設定や目的、ねらいに合わせた活動等大がかりな再編成を行った。4月から新しいグループ設定で運営。各グループの特徴に合わせた活動時間や内容となって、一人ひとりに応じた療育を提供しやすくなった。
・令和元年2月から新設した保育所等訪問支援事業では、3事例の支援を開始できた。いずれも支援ニーズや在籍環境が異なるケースであり、試行的な実施ではあったが地域が求めている幅広いニーズに対応することができた。 |
【地域支援担当】
・方針検討会議を軸とした各ミーティングでにて、効率的・効果的な情報共有や方針検討を継続する。
・新型コロナウイルス感染状況対応指標にもとづく、初診インテーク、各連絡会の実施。
・教育機関との連携強化のため、LD等専門員との連絡会、学校への支援の伝達、支援会議への参画等支援の充実を図る。 | 【地域支援担当】
・毎週、外来診療に関するミーティングと方針検討会議を実施し、各医師へ事前の情報や方針を丁寧に伝達することができた。
・新型コロナウイルスの感染拡大状況もあり、初診に向けた保護者への聞き取りは電話対応が主となった。電話での聞き取りでも丁寧に対応したため、児の様子や保護者の主訴、思いを聞き取ることができた。
・各機関との連絡会も、オンライン会議にて例年通り実施することができた。
・学習障がいに関連する相談について、学校やLD等専門員からの紹介が増加。初診に向け、学校担任、LD等専門員、通級指導教室担当者への聞き取りを行うとともに、初診(または再診)同席を促した。少しずつではあるが、担任等の診察同席が定着しつつある。
・施設支援についても、感染拡大の状況に応じながら、訪問、リモート等で実施することができた。
・就学診断書、各種手当に関する診断書、意見書等の依頼に対して、迅速に対応することができた。 |
課題 | 今後の取組 |
【企画外来担当】
・複数医師体制の中、非常勤医師3名とリハ職との情報共有時間の確保が難しい。
・電子カルテ(PC)、医事会計システムの変更に伴いシステムの不具合が継続。
・学習障がい(LD)等の支援について、特別支援教育の専門職との情報共有、役割分担をすすめると共に多様な学び方のモデルを発信していく必要がある。 ・東部小児リハビリテーション研修会は、当園が主査として毎月実施している。コロナ禍でオンラインでの実施となり、内容と実施頻度の整理が必要となった。
・福祉機器展は東京や大阪からの業者が主であり、コロナ禍での開催が難しい。 | 【企画外来担当】
・医師とリハ職とのカンファレンスについて、園長と言語聴覚士・作業療法士を中心とした症例検討会を週に1回定例化する。
・学童支援について、県特別支援教育課と協議して支援の流れを構築するためのモデル事例の支援、ITC機器活用状況の確認と支援への介入依頼を勧める等対応を検討する。 ・東部小児リハビリテーション研修会は、来年度も引き続きオンライン開催となる見込みであり、目的を症例検討、評価方法伝達、情報共有に絞った実施を検討する。
・福祉機器展の実施あるいは中止の場合の代替手段について検討する。
・ごきげん子育て教室(ペアトレ)は、来年度も今年度同様(年2回)に実施する。 |
【通園担当】
・職員異動があっても、活動の立案や個々の相談対応、就園(就学)のコーディネートを行うために必要な知識・手法をチームとして担保していくこと。
・利用料請求は、医療費やその他加算が多岐にわたるため、複数職員での確認が必要。また、カルテ入力や活動記録等の事務量増加が懸念される。
・エルマーでは、療育内容をマニュアル化し、継続しやすいプログラムを確立するとともに対象児や利用時期の整理が継続して必要。
・保育所等訪問支援は、県立施設として求められる役割も意識した上、当園のアウトリーチの柱として支援を拡充し、園内の各チームが協働して取り組んでいく必要がある。 | 【通園担当】
・エルマーでの支援内容を主要懸案で整理し、マニュアル化していく。また、把握した地域のニーズに対し、地域へ発信する内容や方法を検討する。
・振り返りやミーティング中の時間を活用し、効率的に記録業務も行うよう時間や環境を整える。
・正確な請求事務を行うため、複数職員での確認を確実に行うことを徹底する。
・保育所等訪問支援の実績を整理し、対象児の選定や支援方法の確立を目指す。 |
【地域支援担当】
・初診依頼の増加に伴い、現在初診は3ヶ月待ちとなっている。また、主治医毎の再診についても待ち期間が長期化している。また、各種診断書、意見書等の作成も増加しており、医師の業務が膨大となっている。
・園長及び非常勤医師の外来診療に伴う地域支援担当との連携が重要。効率的・効果的な情報確認・情報共有の継続が必須。
・学習障がいに関連する相談が増加。学校現場からの相談ニーズは高く、保護者の希望よりも学校から受診を勧められるケースが増加。当園でのより専門的な検査結果を元に、園や学校での教育の手立てを望まれることが多いが、診察に向けて保護者、学校それぞれのニーズの相違も見られ、教育サイドとの情報共有は引き続き必要。
・学校への支援の伝達等に際し、学校を主軸とした連携のため、LD等専門員や通級担当教諭との連携が欠かせない。そのため、LD等専門員、通級担当教諭との情報共有の場を維持していく必要がある。 | 【地域支援担当】
・方針検討会議を軸とした各ミーティングで、効率的・効果的な情報共有・方針検討を継続し、かつ医師との検討会を定例化する。
・教育機関との連携強化のため、LD等専門員との連絡会を継続すると共に、学校への支援の伝達・支援会議への参画等支援の充実を図る。
・また、学習障がいに関連する相談について、教育サイドとの連携に際し、役割分担やあり方を検討する。
・令和3年度はコロナ禍のため実施を見送った「地域療育セミナー」を来年度は実施する。 |
※「進捗」欄には、年度当初のスケジュールに対する3月末での進捗を「◎:予定以上」、「○予定通り」、「△やや遅れ」、「×大幅遅れ」のいずれかを記載しています。