(1)H5年度開館後15年を経過し、舞台機構設備の劣化が顕著となってきており、故障が発生していること。
(2)他都県の竣工14年〜16年の館において、制御用コンピューターの故障による事故が発生し、損害保険で賠償するなどの事例があること。
(3)既存機器部品の生産終了などにより、修理できない部分が生じてきていること。
(4)特に、舞台機構のうち制御系統、吊物機構は、緊急に改修を要すること。
区分 | 工事の緊急性 |
2制御系統 | ア H19.6に制御系統の故障が発生し、利用者の演出を変更するなどの影響を与えた。(非常運転により対応したが、記憶・再生機能が損なわれたため演出の変更を余儀なくされた。一部更新(H21.1))
イ 故障が生じた際の取替部品が昨年度(H19.6)でなくなっている。
ウ 既存製品について、メーカーは生産終了しており、在庫もなくなっている。
上記の理由により、今後、制御系統に故障が発生した場合、長期にわたる休館を余儀なくされる場合が、想定される。 |
3吊物機構 | 経年劣化を原因とする滑車の異音、バトンの高低レベルの狂い、劣化による伸び、緞帳・バトンの動作不良などの故障が発生している。 |
1基本・実施設計等
平成21年度営繕計画書作成要領に基づいて計上。
・ 基本設計及び実施設計委託料(工事費1億円以上)
・ 工事管理委託料(工事費1億円以上)
2制御系統の更新
電気機器、電子回路、通信機器等からなる舞台機構の頭脳部分。
下記の5つの設備で構成されており、常設舞台幕、ライトブリッジ及び舞台床迫りの高低のレベルなどを制御し、機械系統のモーター、滑車、ワイヤーなどを駆動させている。
ア 吊物昇降 | 緞帳、美術・道具用バトン、ライトブリッジ(照明用) |
イ 迫り昇降 | 床から地下又は舞台上へ昇降するもの |
ウ 客席天井昇降 | 3階客席を昇降させることにより、座席数を2,000席から1,600席に変化させる装置) |
エ 残響可変 | 客席壁面の一部を回転することにより、残響時間を変更する装置 |
オ 音響反射板 | 舞台上の演奏音を客席に反射させる装置 |
B吊物機構の更新
吊物を駆動させるモーター、滑車類及びリミットスイッチ(上限記憶・下限記憶・停止用の遠隔スイッチ)、幕類の更新。
なお、駆動伝達ワイヤーロープは、平成16年度に取替えており、改修工事にあってはこれを流用する。