1 事業概要
モンゴル中央県との交流を推進するため、農業技術研修員及び行政実務研修生の受入、農業専門家、交流協議団の派遣を行う。
2 事業の目的・背景・効果等
○本県とモンゴル中央県は1997年の覚書締結以来、農業、行政分野を中心に交流をすすめているところ。
○2007年の友好交流10周年に締結された覚書では、農業技術交流や行政実務研修生の受入を今後も継続するとともに、新たに医療交流や実務レベルの協議会を開催することで合意。
○この覚書に基づき、農業研修員、行政実務研修生の受入及び農業専門家、交流協議団の派遣を行う。
(医療交流は、JICAの“草の根技術協力事業”により、中央病院で医師派遣、研修員受入などを実施中)
3 事業内容
(1)農業研修員受入
モンゴル中央県から農業指導者である公務員を受け入れ、野菜の生産技術の更なる向上を図る研修を行うほか、本県の農業施策や効率的な指導方法を習得させる。
◇実施時期:9月〜10月(2ヶ月程度)
◇受入人数:1人(既に基礎知識・技術を習得している者)
◇費用負担:日本国内での費用及び渡航費用は鳥取県負担、モンゴル国内の移動費用及び査証取得費用は中央県負担。
(2)農業専門家派遣
園芸試験場等の農業専門家を中央県に派遣し、研修員とともに農業指導講習会を開催し、中央県の農業レベルの底上げ、鳥取県の知名度向上を図るとともに、研修員の指導に関する自立を支援する。
◇実施時期:7月下旬(1週間程度)
◇派遣人数:農業専門家1名、交流員1名
(3)行政実務研修生受入
モンゴル中央県、市町村の行政職員を受け入れ、本県の行政制度についての研修を通じて行政資質向上を図るとともに、本県との交流において中心的な役割を担う人材の育成を図る。
◇実施時期:12月中旬(1週間程度)
◇受入人数:3名
◇費用負担:日本国内の研修に係る費用は鳥取県負担、その他渡航に係る費用は中央県負担
(4)交流協議団派遣
◇派遣期間:6日間
◇派遣人数:担当1名、交流員1名
(5)農産物加工技術支援プロジェクト <新規:モデル事業>
農業専門家派遣に併せて、栄養士を派遣して講習会を開き、農産物の加工技術等を指導することで、@農業経営の向上を図るとともに、A野菜摂取増による栄養改善、B鳥取県の知名度向上を図る。
なお、事業費用は全額クレア助成金。(現在申請中)
◇派遣時期:7月下旬(1週間程度)
◇派遣人数:栄養士2名
4 所要経費
(1)農業研修員受入 592千円
(2)農業専門家派遣 標準事務費対応
(3)行政研修生受入 標準事務費対応
(4)交流協議団派遣 標準事務費対応
(5)栄養士派遣 1,585千円(全額クレア助成金)
(6)標準事務費 2,100千円
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・平成7年度よりこれまで、主に農業分野で計21人の技術研修員を受け入れ、研修を行っている。
・このうち農業研修員は、平成10年度から開始し、今年度の研修員が19人目。
・農業研修員の受入も10年が経過し、中央県でも野菜栽培が普及し、ある程度野菜の生産ができるようになった。このことから、平成20年度に、それまでの半年間の基礎研修を、2ヶ月間の質の向上(より大きく作る技術や収穫量を増やす技術習得)、指導技術の向上を目的とした研修内容に変更。
・平成9年度より行政実務研修生を受入を開始し、これまで40名の研修生を受け入れ、税務、法務、登録制度といった様々な分野で研修を実施。
これまでの取組に対する評価
・過去の農業研修員の多くは、鳥取での研修成果を活かして地域の指導的立場で農業発展に奮闘している。
・研修員は帰国後に各分野で活躍し鳥取県とのパイプ役となっている。また、農業研修員については、野菜作りが一般的でなかった初期の研修員が現地で経験を積みながら地域の指導者として成長している。
・一方で、農業専門家、交流協議団の派遣等により明らかとなった、中央県の農業課題解消策を、引き続き農大での研修等に取り入れながら実施していく。