事業概要
過疎・少子高齢化が進む本県にあって、県民の安全・安心な暮らしを着実に構築していくためには、地域住民が将来を見すえて、主体的・一体的に自助・共助に取り組む防災活動が重要であり、こうした「住民主体の防災体制づくり」の支援を行う。
事業内容
○住民が主体となった防災体制構築支援事業
4,358千円(6,164千円)
防災と福祉を組み合わせた取組に対するサポート体制の構築
・市町村の防災・福祉担当部署及び市町村社会福祉協議会が実施する、防災と福祉を組み合わせた取組に対する支援や、各地域が上記の取組を実践する際の支援のほか、小さな拠点づくりや広域的地域運営組織の設立支援等の取組とも連携し、広域的地域運営組織等、複数の集落で構成された団体等の防災活動に対する支援を日野ボランティア・ネットワークに委託
(報酬)8,900円×2日×12月×19市町村=4,058,400円
(旅費)4,150円×72回=298,800円
○標準事務費 300千円(300千円)
モデル事業の成果
<概要>
平成25年度から、地域住民が主体的・一体的となって、地域防災と地域福祉が結びついた取組を促進するモデル事業を実施(1市5町)。地域防災活動と地域福祉活動をコーディネートする者をモデル市町村に配置し、高齢者や障がい者等の日々の暮らしの見守りや災害発生時における適切な避難行動等ができる体制を構築。
<成果>
○複数の集落単位で様々な取組を行っている地域振興協議会の協力を得ながらコーディネーターが集落に入って取組を進めたり、モデル地区において防災・福祉マップの作成を行った際、近隣の地区の役員が視察に訪れ、隣り合う地区の住民が、安全な地区の公民館に避難する等の連携が見えてきた。
○まちあるき、防災福祉マップ作り、座談会等を通じて、地域の危険箇所を共有できた。
○取組を進めることで、住民全員で取り組むことの重要性を住民自らが認識するようになった。
○行政の避難指示等を待たず、住民自らの判断で安全な場所への避難が必要だと認識するようになった。
○防災ワークショップの開催、まちあるき、防災・福祉マップの作成により、地域の課題を解決するための必要な資機材(避難用リヤカー、情報通信機器等の整備)が明確になった。
○地域の見守り体制の確認、避難行動要支援者等への声かけや情報共有の取組を通じ、地域コミュニティの大切さを実感するようになった。
○常時の見守りと災害時の防災活動(避難行動要支援者対策等)の取組を一体的に進めることができた。
今後の展開
○市町村の防災・福祉担当部署及び市町村社会福祉協議会が連携しつつ、防災と福祉を組み合わせた取組を推進したり、各集落がこれを実践する際に、日野ボランティア・ネットワークが住民に近い立場で支援する仕組みが非常に効果的であったことから、来年度以降においても、防災と福祉を組み合わせた取組を県内市町村に広げていくとともに、地域コミュニティづくりとの連携も図っていく。
○広域的地域運営組織等、複数の集落で構成された団体等の防災活動(防災まちあるき、防災マップ作成、避難訓練等)に対する支援を、小さな拠点づくりや広域的地域運営組織の設立支援等の取組(小さな拠点の担い手育成・小さな拠点づくり推進員の配置等)とも連携して行うことにより、地域の安全で安心な暮らしを守る取組を促進していく。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○災害時における防災活動が、住民によって主体的かつ継続的に行われるためには、住民が地域の状況(危険場所等)を認識するとともに、住民同士で地域の課題や問題を積極的に話し合うことが必要であるため、コーディネーターがモデル集落に入り、防災マップづくりや地域の点検活動を行いながら、住民が議論できる環境づくりを行った。
これまでの取組に対する評価
○住民による防災活動を通じて、住民同士が地域の状況を改めて認識することとなった。また、防災活動は個人で行うものではなく、地域の日頃からの点検・訓練や備え、災害時における助け合いが重要であると理解されるようになり、座談会においても住民同士による積極的な話し合いや議論が見られるようになった。