1 事業概要
最新の知見を元に、水害発生時における県・市町村の対応力を向上させるため、必要な体制・資機材を整備更新する。
2 事業内容
【非常用電源の浸水害対応】
○水害発生時に対応できる非常用電源を整備していない市町村庁舎(分庁舎を含む)の整備費用(浸水対策工事を含む)の費用を一部負担する。(起債対象外の事業を対象に、2分の1)
【水害時の応急救助資機材の整備】
○逃げ遅れた住民を救助するため、緊急消防援助隊等の応援部隊がその活動に必要となるボートを整備する。
【水害時の逃げ遅れ回避のための広報】
○住民に避難情報の意味や、避難勧告等が発出された際にとるべき行動について理解を促進するため、出水期(6/10〜10/20)に向けてメディア等を活用した広報活動を強化する。
3 背景・目的
○本県では平成17年に、当時全国各地で発生していた水害の事例を元に検証を行い、県庁舎の移動用のボートや、非常用発電機の浸水工事等を行った。また、浸水想定区域に含まれる中部総合事務所では、非常用電源の更新に合わせてエネルギー棟を建設し、浸水対策を行っているところ。
○本年9月の関東・東北豪雨では、浸水想定区域内にある市庁舎が浸水し、浸水対策がとられていない非常用発電機が水没したため、支庁舎の災害対応機能が失われ、大きな問題となった。
○本県の市町村の現状について緊急調査を行ったところ、非常用電源の浸水対策がとられていない庁舎や、非常用電源を有さない庁舎、短時間しか稼働できない状態の非常用電源しかない庁舎が多数確認された。一義的に災害救助の実施責任を負う基礎自治体が、水害時に機能不全に陥るおそれがある。
○また、関東・東北豪雨では多くの住民が自宅や大規模集客施設等に取り残され、ヘリコプターやボートで救助された。本県においては、警察・消防が水難救助用に持ち合わせているボートを活用して救助活動を行うことが想定されるが、緊急消防援助隊等の応援部隊が参集し、一刻の猶予もない中で救助活動を展開するためには、最低限の活動資機材を整備しておく必要がある。
○併せて、関東・東北豪雨では避難勧告等を発出したにも関わらず避難行動をとらなかった住民が依然として多く、避難勧告等の意味合いやとるべき行動、浸水ハザードマップ等に記載されている地域の危険性が十分に理解されていないことが改めて浮き彫りとなった。
○これらの課題を踏まえ、県全体で水害対処の能力を早急に向上させる必要がある。
4 効果
○水害に関する最新の知見を元に、県全体で水害対処の改善に取り組むことで、地域防災力が底上げされ、県民の安全安心に寄与する。
○水害が発生した場合に対処・支援する能力を向上させることと、住民への意識啓発により要救助者を発生させないことを組み合わせて、水害時の人的被害を軽減することができる。
5 所要経費
【非常用電源の浸水害対応】
非常用電源の整備費用補助 10,000千円
【水害時の応急救助資機材の整備】
ゴムボート(8人乗) 451千円×9艇
ゴムボート(10人乗) 1,760千円×3艇
ブロアー(電動空気入れ) 120千円×12個
ライフジャケット 15千円×138着
計 13,877千円(税込)
【水害時の逃げ遅れ回避のための広報】
ポスター作成 100千円
リーフレット作成 869千円
計 969千円(税込)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
本県では平成17年度に、当時全国各地で発生していた水害の事例を元に検証を行い、県庁舎の移動用のボートや、非常用発電機の浸水工事等を行った。平成25年度には、天神川豪雨を想定した図上訓練を行い、中部総合事務所では、非常用電源の更新に合わせてエネルギー棟を建設し、浸水対策を行っているところ。
これまでの取組に対する評価
他県での被災を踏まえて適宜検討を行っているが、地震や津波への対策に比べて水害対策が十分にされていない