現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和6年度予算 の 県土整備部公共の建設産業における未来人材確保・育成事業
令和6年度
当初予算 公共事業  政策戦略事業要求      支出科目  款:土木費 項:土木管理費 目:土木総務費
事業名:

建設産業における未来人材確保・育成事業

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県土整備部 技術企画課 企画・県土強靱化担当 

電話番号:0857-26-7808  E-mail:zaisei@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
当初予算額 35,588千円 11,738千円 46,543千円 1.4人 0.0人 0.0人
当初予算要求額 94,690千円 11,738千円 106,428千円 1.5人 0.0人 0.0人
前年度当初予算額 27,000千円 0千円 27,000千円 0.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:94,690千円  (前年度予算額 27,000千円)  財源:国1/2、単県 

政策戦略査定:計上   計上額:35,588千円

事業内容

1 事業の目的・概要

 産業人口が減少する中でも、土木インフラの整備と維持管理や災害復旧を通じてふるさと鳥取を守り、社会経済活動を支えるうえで、不可欠となる建設産業を持続的に機能させるため、少人数で運営できるDXを主とした生産体制を構築するほか、これを担う産官学の人材の確保・育成を進める。

2 主な事業内容

(1)少人数で運営できる生産体制づくり 

     建設分野においては、来年4月から時間外労働の上限規制が適用される所謂2024年度問題への対応が喫緊の課題となっている。
    本県では、担い手確保の取組と併せて建設分野における生産性を向上させる様々な施策を展開しているところであり、DX導入による測量設計、工事施工、維持管理までの各業務プロセスにおけるさらなる効率化を推進する。
    細事業名
    内容
    要求額
    (千円)
    前年度予算
    (千円)
    前年度からの変更点
    各種システム開発による建設生産体制づくり(1)受注者の施工管理を支援する民間システムとの連携による受発注者双方の生産体制省力化

    (2)遠隔臨場を活用した受発注者双方の現場生産の時間短縮、手戻り防止による効率化

    (3)オンライン電子納品の導入による成果物のペーパーレス化とデジタルデータを使った検査の効率化

    (4)インフラ維持管理において運用するシステムの操作性・利便性の向上による時間外労働の短縮

    (5)占用等許認可システム構築による申請および許可事務のペーパーレス化と迅速化

    53,181
    受発注者双方の生産体制省力化の促進

    点検業務の次のステップとして補修工事を対象とし、受発注者双方の維持管理業務のすべての省力化を促進
    新技術導入によるインフラメンテナンスの高度化および効率化(6)人工衛星データの利用によるインフラ維持管理の省力化
    (例:サンドリサイクルを進める海浜と突堤・人工リーフに加えて、橋梁や砂防ダムなどの重要構造物の沈下・土砂堆積等のモニタリング、災害時の広域調査による被災箇所の迅速な把握)

    (7)県全体の橋梁の維持管理におけるガイドライン策定による業務の効率化

    (8)橋梁点検における新技術の導入促進とそれを担う人材育成及び新技術導入に向けたニーズとシーズのマッチングイベントの開催

    17,768
    15,000
    効率的かつ持続的な維持管理の実現に向けて、新技術や適正な業務成果の蓄積とデータを利活用した省力化を促進
    産官学連携による建設産業を支えるプログラム実施(9)インフラメンテナンスを少人数で運営するための新技術導入研修及び地域資格プログラム実施
    12,441
    12,000
    担い手の減少に伴いインフラ管理水準の低下が懸念される中、大学に創設する地域資格をインセンティブとして、人材と業務品質を確保するため、地域に関係者が学び合う組織体制を設置し、組織運営に向けた各種プログラムをトライアル
    合計
    83,390
    27,000
    (2)産官学での未来人材の確保・育成
     県内建設産業を支える人材養成にあたっては、これまでの取組に合わせて、DX等の新技術活用も担う他分野と連携していくため、教育DXを介してSTEAM教育を進める学校現場との協働をより促進していく。さらに、発注者及び施設管理者として建設産業の中核を担う県土木技師等のスキル向上も図りながら、持続的に生産効率を向上できる、県内の建設生産体制の構築を目指す。

    イ 公共インフラの施工監理を担う土木技師等の確保・育成
     建設企業とともに公共インフラの施工監理を担う県土木技師等の確保に向けて、県外学生を対象にインターンシップに係る旅費等を助成するとともに、土木技師等のやりがいを広く周知し、施策の相乗効果を高める。
    細事業名
    内容
    要求額
    (千円)
    前年度予算
    (千円)
    インターンシップ助成参加する研修生に対して旅費、宿泊費等の一部を助成することで、県内外の居住地から各庁地へのインターンシップに参加しやすい環境を作り、公務員技術者としての仕事体験を通して、土木技師等の重要性ややりがいを発信する。

    【実施主体】インターンシップ研修生
    【補助率・補助上限】県10/10、130千円
    【対象経費】期間中の旅費、宿泊費(5泊)

    4,350
    土木技師等の活動SNS発信土木技師等の多岐にわたる業務を取材し、写真や動画にとりまとめ、公式アカウントSNSで発信することで、仕事内容の周知を図る。
    また、作成した動画等をコンテンツとして保存し、公務員を検討している学生への仕事紹介(仕事説明会等)として活用する。
    これにより、土木技師の具体的な業務をイメージしてもらい入庁希望者の増加を図る。
    5,000
    資格取得支援民間企業における2024年問題の解決に向けた技術革新に対応するとともに、土木技師の監督業務におけるスキルアップにつなげ工事等のの品質を確保するため、土木施工管理技士や技術士等の資格取得講座を新設する。
    さらに、資格取得者に対して受験料、旅費等の費用を一部助成する。

    【実施主体】県職員(土木技師等)
    【補助率・補助上限】県10/10、105千円(受験料及び旅費)
    【対象経費】合格した場合の受験料及び旅費

    1,650
    中堅職員研修
    (係長、課長補佐)
    研修による基礎的、専門的知識、コーチングスキル等の習得、技術力向上に向けた資格取得を推進し、能力開発を進めるため、外部講師による受験対策講座を実施する。
    300
    合計
    11,300

    ロ 産官学が連携した担い手の確保・育成【再掲】(12,320千円)
     設立から8年目を迎える産学官連携の協議会における、若年層への建設産業の魅力発信、DXを含む現場実践する技術力の向上、即戦力として備える資格の取得支援による、新たな担い手確保・育成を進める。
    (建設業における産官学連携による「担い手確保・育成」事業)
    ハ 建設産業の担い手を確保・育成する企業への支援【再掲】(6,921千円)
     小規模経営を主体とした県内建設企業へのインターンシップや資格取得等の支援を行う。
    (建設業における産官学連携による「担い手確保・育成」事業)

3 背景

 本県の建設産業では、県内GDP7.7%、県内就労者数7.3%を占めるが、全国や県内他産業と比較して労働者の高齢化と減少が進んでいるため、測量設計や工事において、少人数で生産性を向上できる先進技術の試行を進めてきた。しかし、多数を占める中小企業において、先進技術に関わる機会も少なく、導入につながっていない。
  •  このため、H28年から共同して技術開発している鳥取大学を拠点として、先進技術に触れ、その効果を検証する機会をつくり、県内企業への普及導入を進めていく必要がある。(イノベーション、スタートアップ)
  •  さらに、開発企業との交流を広げ、先進技術を担う人材育成を行う(リスキリング)ほか、県議会でも取り上げられその重要性を認識されてきた担い手確保・育成の協議会の参画も図り、小中高生及び大学生などの若年層への体験などを通じて、産業の魅力発信と次代の担い手確保を図る必要がある。
  • 県内大学生の県内出身者が少なく県内就職を増加させるため、県内における産業教育となる場の創出が必要となっている。

4 効果

(1)生産性向上 ●ドローン等による測量・設計技術の導入
  上空から地表面に短時間に高密度なレーザーを照射することにより、地表面を点群データとして取得し3次元で図化できるため、従   来の測量計画や現場作業の省力化、3次元データからの立面・断面イメージの円滑な把握、完成までの段階的な現場シミュレートに  よる安全管理が可能になる。
●ICT建機による省力化施工技術の活用
  3次元で設計された形状をICT建機に入力することで自動制御された作業工程による土工が実現するため、作業の安全性向上、熟  練者に頼らない作業、丁張等の準備作業の省力化などが可能になる。
●橋りょう等の点検診断へのロボット技術の導入
  ロボットの導入により、高所等へのアクセス向上、橋りょう全面の画像の取得・保存によるひびわれ等の自動識別ができるため、作   業の安全性向上、施設表面データ保存の円滑化などが可能になる。
●新技術導入に関連した人材育成研修の実施
  県内技術者が参画した技術習得の機会を創出できるため、3次元測量設計やICT建機の導入の促進による生産性の向上が可能に  なる。
●地場産業の担い手の確保
  建設産業で培った3次元計測や機械制御の技術を観光・農業など他産業にも活用し、宇宙産業とともに地域の付加価値と魅力を発  信することにより、実証フィールドを次代の地場産業の担い手を確保・育成する場としていく。

(2)担い手確保・育成
●県内就職率(高校からの県内建設関係企業)は下げ止まりのH24年度に比べ11%増加(H24年度68%→R4年度79%)
●資格取得の支援(土木施工管理技士)は、既就労者については特に2級において、全国平均よりも高い合格率を達成(<R4実績>1級:県23.1%・全国28.7%、2級:県50.0%・全国37.9%)し、高校生については県内建設産業への就職率向上に貢献
●小中学生への魅力発信講座や職場体験学習、高校生への魅力発信ガイダンスやUAV測量実習などの技術力向上、大学生へインフ
 ラ維持管理技術講座などの取組を実施(小中学校4校1,143人、高校4校2,153人、大学475人、延べ3,771人、H29〜R4実績)
●「とっとり建設☆女星ネットワーク」の活動支援、高校生のインターンシップ受け入れにかかる企業支援(R4年度8社(土木))、既就労
 者の資格取得にかかる企業支援(R4年度18人(土木))などを実施
●R5.11.17県立高校教頭・副校長会において、浜坂建設技術実証フィールドでの小学校、普通科高校への魅力発信を紹介し、今後の県内普通科高校への拡大を呼びかけた。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

業務効率化・働き方改革を念頭に置いた業務改善等の取り組みを推進している。特に、鳥取大学浜坂キャンパスの先進技術実証フィールドを拠点として、建設生産体制の効率化を図る。さらに、DX人材をはじめ担い手のリスキリング、働き方改革に向けた地域企業のスタートアップ支援を鳥取大学と連携しながら、生産性の高い地場産業への変革につなげる。
産官学が連携した協議会を設立し、小中学校等への魅力発信や実践的な研修支援、既就労者への能力向上の支援等、継続した取り組みを行ってきたところ。先進技術の開発・導入と生産性向上に向けた経営支援を進めながら、既就労者の生産性を向上する能力開発や建設業の魅力発信に産官学連携して取り組むことにより、地域の社会経済活動を支える建設産業が持続的に発展するための企業支援を推進していく。さらに、土木、建築が連携して、地域の建設産業全体の担い手の確保・育成の取組を推進していく。

これまでの取組に対する評価

令和4年4月からシステムを運用開始し、業務の効率化を推進した。
県内就職率や資格取得合格率の向上、小中学生等への魅力発信への取組、インターンシップ等の企業支援を実施した。

財政課処理欄


 少人数で運営できる生産体制づくりについて、実施内容を精査しました。インターンシップ助成については、他職種を含めた職員採用制度全体としての制度設計・整理が必要と考えますので計上を見送ります。資格取得支援については他制度との均衡を考慮・検討する必要があると考えますので計上を見送ります。土木技師等の活動SNS発信は引き続き費用の生じない方法で実施してください。中堅職員研修については既存の研修制度で対応してください。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 27,000 13,500 0 0 0 0 0 0 13,500
要求額 94,690 41,695 0 0 0 0 0 0 52,995

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 35,588 0 0 0 0 0 0 0 35,588
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0